社会

ヤズディの祈り [著]林典子

ヤズディの祈り [著]林典子

■未知の対象、想像する力鍛える  「ヤズディ」が何かを大方の人は知らないと思う。イラク北西部にいる少数民族で、独自の信仰と伝統を継承している。私も本書を読むまで知らなかったが、二〇一四年夏、彼らの村々はダーシュ(過激派………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

国家と石綿―ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い [著]永尾俊彦

■危険から抜け出せなかった構造  断熱材などに用いられ、近代工業を支えた石綿製品。国は戦前から大阪・泉南地域の石綿工場で深刻な健康被害が発生していることを把握しながら有効な対策をとらなかったという。その被害者は「貧しく………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]歴史 社会

地方自治と図書館―「知の地域づくり」を地域再生の切り札に [著]片山善博・糸賀雅児

地方自治と図書館―「知の地域づくり」を地域再生の切り札に [著]片山善博・糸賀雅児

 「知識社会」時代における図書館の意義を、改めて考えさせる良書。片山は鳥取県知事時代に県庁内に図書室を創設し、優秀な司書の助けで内外の政策情報を効果的に集め、政策判断に生かせたという。だが多くの自治体では、議員も自治体職………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年02月26日
[ジャンル]社会

絶滅の地球誌 [著]澤野雅樹

絶滅の地球誌 [著]澤野雅樹

 絶滅の到来を人類は早めるか、遅らせられるか。それが本書のテーマだ。  大規模噴火でCO2が増えて多くの生物種が絶滅した太古の歴史を紹介しつつ著者はCO2を大量放出する現代文明の行く末をまず予想してみせる。とはいえ化石燃………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]社会

汚れた戦争 [著]タルディ、ヴェルネ [訳]藤原貞朗

汚れた戦争 [著]タルディ、ヴェルネ [訳]藤原貞朗

■粛々と人間を破壊し続ける地獄  アジアでは総力戦の記憶は第二次世界大戦に端を発するが、ヨーロッパでは、始まりは第一次世界大戦であった。編年体のこの戦記コミックでは、それぞれの年の冒頭に、政治家や軍幹部、宗教家らの言葉………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]政治 社会

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

■全国の分布、執念の取材で解明  東京の明治神宮には、正月三が日だけで300万人あまりが訪れる。しかし祭神が明治天皇と昭憲皇太后であり、大正時代に建てられた新しい神社だと知っている参詣(さんけい)者は多くないだろう。明………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]人文 社会

いつかの夏―名古屋闇サイト殺人事件 [著]大崎善生

いつかの夏―名古屋闇サイト殺人事件 [著]大崎善生

■被害者の「生」の重みを問い直す  「名古屋闇サイト殺人事件」が発生したのは2007年8月のこと。闇サイトの犯行を誘う書き込みがきっかけで集まった男3人が、無関係な名古屋市の会社員磯谷利恵さん(当時31歳)を路上で拉致………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

旅行のモダニズム―大正昭和前期の社会文化変動 [著]赤井正二

旅行のモダニズム―大正昭和前期の社会文化変動 [著]赤井正二

■自由な精神のもと山から都市へ  仕事や生活で煮詰まったとき「あーあ、どこかに旅行がしたいなあ」と思ったりしませんか。なぜそんな風に私たちは思うのか。  この本を読むとわかります。現在のような「旅行のための旅行」が確立………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2017年01月29日
[ジャンル]歴史 社会

見張塔からずっと―政権とメディアの8年/放送法と権力 [著]山田健太

見張塔からずっと―政権とメディアの8年/放送法と権力 [著]山田健太

■「市民力」が支える表現の自由  この8年余のメディア状況を俯瞰(ふかん)した論集である。改めて全体の流れを確かめると「市民的自由は後退につぐ後退を余儀なくされた」と著者は説く。  『見張塔からずっと』(前書)は、琉球………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]政治 社会

フクシマの荒廃―フランス人特派員が見た原発棄民たち [著]アルノー・ヴォレラン

フクシマの荒廃―フランス人特派員が見た原発棄民たち [著]アルノー・ヴォレラン

■廃炉現場で見た人間蟻塚の過酷  いつからだろうか。この国で重要な情報を得るには、外国人記者クラブでの会見を見なければならなくなったのは。フランスの新聞記者による福島第一原発をめぐるリポートには、いくつかの不満がある。………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

シェアリングエコノミー [著]アルン・スンドララジャン

シェアリングエコノミー [著]アルン・スンドララジャン

■資産と消費者結びつける大変化  「産業革命に匹敵するほどの大きな変化が経済に起きていることは疑いようがない」  稼働していない資産(自動車や人材など)と、それを利用したい消費者をインターネット上で結びつけるシェアリン………[もっと読む]

[評者]加藤出 (東短リサーチチーフエコノミスト)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]経済 社会

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

 日本の男子マラソン界は冬の時代が続いている。日本記録は10年以上も更新されていないし、その記録すら世界では70位にも入っていない。かつてお家芸とも呼ばれたマラソンが、なぜここまで凋落(ちょうらく)したのか。本書は宗茂や………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]人文 社会

最後の資本主義 [著]ロバート・B・ライシュ

最後の資本主義 [著]ロバート・B・ライシュ

■拮抗力なき時代の新たなルール  近年の格差拡大と、再分配政策の重要性は、広く認識されている。だが著者は、政府が再分配しても問題を解決できないと訴える。そもそも「市場ルール」が圧倒的に大企業に有利だからだ。その傾向は1………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]経済 社会

メイキング・オブ・アメリカ―格差社会アメリカの成り立ち [著]阿部珠理 ブラック・ホークの自伝―あるアメリカン・インディアンの闘争の日々 [著]ブラック・ホーク

メイキング・オブ・アメリカ―格差社会アメリカの成り立ち [著]阿部珠理 ブラック・ホークの自伝―あるアメリカン・インディアンの闘争の日々 [著]ブラック・ホーク

■力=正義という信条を問う  オバマからトランプへ。ケニア出身の父を持つ初の黒人大統領から、排外的言動で世論を煽(あお)る白人「不動産王」大統領へ。アメリカ合衆国はしばしば、両極端ともいえる相貌(そうぼう)を見せる。い………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2017年01月15日
[ジャンル]歴史 社会

日本の「アジール」を訪ねて―漂泊民の場所 [著]筒井功

日本の「アジール」を訪ねて―漂泊民の場所 [著]筒井功

■権力が及ばぬ地域の実態たどる  アジールとは、権力の及ばない地域のことである。そうした地域は国家権力が強まる明治以降、しだいに消滅したとされている。しかし本書は、乞食(こじき)やハンセン病者、職業不詳の漂泊民らが集ま………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月15日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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