ノンフィクション・評伝

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

■社会がつくった特異な扇動家  著者は「ナチズム研究」では国際的に名の知られた英国の研究者である。本書は20年近く前に刊行された大部の書だが、やっと邦訳が出た。  20世紀になぜヒトラーのような指導者が生まれたのか、そ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉 [著]高野秀行

謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉 [著]高野秀行

■ソウルフードの知られざる実態  納豆は日本の伝統食で、おいしさが理解できるのも日本人だけ、と考えている人も多いように思える。  だが世界の辺境を取材し良質なノンフィクションを発表している著者は、実際にアジアの山岳地帯………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

アイヌの遺骨はコタンの土へ―北大に対する遺骨返還請求と先住権 [編著]北大開示文書研究会

アイヌの遺骨はコタンの土へ―北大に対する遺骨返還請求と先住権 [編著]北大開示文書研究会

■帝国時代の学問の後進性を暴く  帝国主義時代の学問的研究が人権意識の定着した現代社会から厳しく糾弾されている。それに対応しえない研究空間の後進性を暴くのが本書のモチーフだ。  帝国大学医科大学(現・東大医学部)教授の………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

亡き人へのレクイエム [著]池内紀

亡き人へのレクイエム [著]池内紀

■生死を超え親しく言葉交わす  同じ電車に乗り合わせた客たちとは、同じ時間を生きている。だがそのうちの一人として名前すら知らない。逆に愛読している本の著者は、もうこの世にいなかったりする。限られた人生のなかで実際に出会………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年06月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

時代の正体 vol.2―語ることをあきらめない [著]神奈川新聞「時代の正体」取材班

時代の正体 vol.2―語ることをあきらめない [著]神奈川新聞「時代の正体」取材班

 中立公正ぶっちゃって、近頃の新聞は歯がゆい。そんな不満を抱える読者に神奈川新聞の一撃は新鮮だった。「ええ、偏っていますが、何か」。同紙「時代の正体」シリーズに寄せられた偏向報道だという批判に答えての一文だった。  本書………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年06月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

■無差別の残虐、「核」でなくても  「核なき世界」では不十分だ。「戦争なき世界」をめざすべきである。オバマ米大統領は広島で、戦争のモラルを広く求めた。  核の特殊性に閉じこもらず、争いに走る人間の思考を演説の肝にしたの………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

沖縄戦と孤児院―戦場の子どもたち [著]浅井春夫

沖縄戦と孤児院―戦場の子どもたち [著]浅井春夫

 戦争孤児の実態について、とくに沖縄戦における内実はほとんど検証されていない。著者はその空白の領域に挑んだ。  もともと沖縄には孤児院や養老院は存在していなかった。共同体での扶助の精神があったからだろう。それが戦争によっ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか [著]多谷千香子

アフガン・対テロ戦争の研究 タリバンはなぜ復活したのか [著]多谷千香子

■米国が見た「大それた夢」の失敗  9・11テロへの反撃としての、アフガニスタンへのアメリカの「対テロ戦争」は、世界に何をもたらしたか。アメリカの当初の目論見(もくろみ)に反して、アフガニスタンは安定化せず、隣国パキス………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

■「現状維持」で良いはずがない  3・11は日本をほとんど変えなかった——これが著者の結論である。  希代の日本ウォッチャーが、日英両語の膨大な資料を渉猟し、国防、エネルギー政策、地方自治の三領域について、透徹した分析………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

武者小路実篤とその世界 [著]直木孝次郎

武者小路実篤とその世界 [著]直木孝次郎

■90歳代でなお鋭い仮説を提起  直木孝次郎の名を初めて知ったのは、1964年発表の「持統天皇と呂(りょ)太后」という論文であった。天武天皇とその皇后だった持統天皇が、漢の皇帝高祖(劉邦)とその皇后の呂后を意識していた………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]歴史 人文 ノンフィクション・評伝

天草エアラインの奇跡。 [著]鳥海高太朗

天草エアラインの奇跡。 [著]鳥海高太朗

 おお、これか! 大小のイルカがデザインされた機体を目にしたときには私も興奮した。熊本県の天草空港を拠点にした第三セクターの天草エアライン。2000年、第1便が天草空港を離陸した直後は搭乗率9割超の人気路線だった。  だ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

武満徹・音楽創造への旅 [著]立花隆

武満徹・音楽創造への旅 [著]立花隆

■「音の河」から確かな音を選ぶ  約800ページ、2段組みの大著を前に、武満徹という音楽家の人生を咀嚼(そしゃく)しようともがいてしまった。誰しも人の一生は一冊の本に納まらないほどの物語があるだろう。だが、ここまでやる………[もっと読む]

[評者]エンタメ
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

外道クライマー [著]宮城公博

外道クライマー [著]宮城公博

 本書は、谷間の沢筋をたどる「沢登り」に熱中する登山家の手記だ。著者は、「探検的な要素を含んだ」沢登りにこだわり、国内外の秘境に分け入っていく。2012年には立ち入り禁止のご神体「那智の滝」(和歌山県)に登ろうとして警察………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

■体当たりで描く「汚名上等」  漫画か劇画みたいな評伝である。なんたって、表題が『村に火をつけ、白痴になれ』ですからね。  評伝の人物は、あの伊藤野枝(1895~1923)。平塚らいてうの後を継ぐ『青鞜』の二代目編集長………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

スポットライト 世紀のスクープ―カトリック教会の大罪 [編]ボストン・グローブ紙《スポットライト》チーム

スポットライト 世紀のスクープ―カトリック教会の大罪 [編]ボストン・グローブ紙《スポットライト》チーム

■しがらみを越え保身の構図暴く  米国の地方新聞「ボストン・グローブ」は2002年1月、地元ボストンで過去10年間にカトリック教会の司祭計70人が児童に性的虐待を行い、教会組織がそれを隠蔽(いんぺい)してきた事実をスク………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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