歴史

国際秩序 [著]ヘンリー・キッシンジャー

国際秩序 [著]ヘンリー・キッシンジャー

■自制、力、正統性の釣り合いを  国際政治学者キッシンジャーの基本的な歴史観・世界観を凝縮した研究書である。フォード政権で国務長官も務めたのだから、その理論は現実の中で応用、援用あるいは微調整されていたことも窺(うかが………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史

ボクシングと大東亜―東洋選手権と戦後アジア外交 [著]乗松優

ボクシングと大東亜―東洋選手権と戦後アジア外交 [著]乗松優

■「熱狂」が崩した国交断絶の壁  第2次大戦後、フィリピンの対日感情は極めて悪く、2国間の交渉は難航した。だが、国交断絶中の1952年からボクシング東洋選手権が始まり、日本人とフィリピン人選手の王座決定戦が両国のファン………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史 人文

北の富士流 [著]村松友視

北の富士流 [著]村松友視

■数字で評価できない人間的魅力  1972年1月場所8日目、横綱北の富士と関脇貴ノ花の一番を、小学3年だった私はテレビで観戦していた。北の富士が外掛けで倒そうとしたところを貴ノ花が捨て身の上手投げで返し、北の富士の右手………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史 人文

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

 江戸時代、幕府の鎖国政策のもとで唯一開かれていた長崎の出島。今年没後一五〇年のオランダ商館医・シーボルトは、さまざまな情報や文物を持ち帰り、ヨーロッパにおける日本研究の基礎を作った。  長崎の絵師・川原慶賀は、シーボル………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

 日本の歴史と言われると、近畿地方を中心とした風景が浮かびがちだが、しかしもちろん、日本列島全域には有史以前から人が暮らしていたのである。  本巻で完結した「東北の古代史」シリーズは、東北地方における最新の古代史研究をま………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

■百年間の記事から選りすぐり  数学者の発見が物理学者に伝わるには、五十年から百年の時間がかかるといわれたりする。日常の話題に顔を出すまでとなるとさらに時間が必要となる。  本書には、ニューヨークタイムズ紙に掲載された………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]歴史 社会

「大正」を読み直す―幸徳・大杉・河上・津田、そして和辻・大川 [著]子安宣邦

「大正」を読み直す―幸徳・大杉・河上・津田、そして和辻・大川 [著]子安宣邦

■喝采と迎合、国家主義の温床?  大正時代には吉野作造の民本主義が支持され、普通選挙や言論表現の自由を求める運動が盛り上がった。そんな大正時代に戦後民主主義の萌芽(ほうが)をみる大正デモクラシー論の「常識」に著者は異を………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]歴史 人文

金日成と亡命パイロット [著]ブレイン・ハーデン

金日成と亡命パイロット [著]ブレイン・ハーデン

■共産主義者演じ生き残った兵士  朝鮮戦争が休戦した直後の1953年9月21日。北朝鮮軍パイロット盧今錫(ノクムソク)が、ミグ15ジェット戦闘機で北緯38度線を越えて韓国の金浦基地に着陸、米国への亡命を求めた。米国人ジ………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]歴史 社会

半席 [著]青山文平

半席 [著]青山文平

 男女の相克を描く短編集『つまをめとらば』で直木賞を受賞した著者の受賞後第一作は、男同士の複雑な関係に迫る連作集である。  御家人の片岡直人は、役職のない小普請から幕府の監察役・徒目付(かちめつけ)に抜擢(ばってき)され………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]歴史

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

ヒトラー (上)1889−1936傲慢 (下)1936−1945天罰 [著]イアン・カーショー

■社会がつくった特異な扇動家  著者は「ナチズム研究」では国際的に名の知られた英国の研究者である。本書は20年近く前に刊行された大部の書だが、やっと邦訳が出た。  20世紀になぜヒトラーのような指導者が生まれたのか、そ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

荒仏師 運慶 [著]梓澤要

荒仏師 運慶 [著]梓澤要

■働く意味や信仰とは何か問う  斬新かつ重厚な歴史小説に定評がある梓澤要の新作は、国宝の東大寺南大門の仁王像を快慶らと作った、仏師の運慶を描いている。  奈良仏師の棟梁(とうりょう)・康慶の嫡男(ちゃくなん)として生ま………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]歴史

アイヌの遺骨はコタンの土へ―北大に対する遺骨返還請求と先住権 [編著]北大開示文書研究会

アイヌの遺骨はコタンの土へ―北大に対する遺骨返還請求と先住権 [編著]北大開示文書研究会

■帝国時代の学問の後進性を暴く  帝国主義時代の学問的研究が人権意識の定着した現代社会から厳しく糾弾されている。それに対応しえない研究空間の後進性を暴くのが本書のモチーフだ。  帝国大学医科大学(現・東大医学部)教授の………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

セネカ 哲学する政治家―ネロ帝宮廷の日々 [著]ジェイムズ・ロム

セネカ 哲学する政治家―ネロ帝宮廷の日々 [著]ジェイムズ・ロム

■暴君の暴走を許した賢者の悲劇  セネカはローマ時代のストア派哲学者の一人で、多くの著作を残した。とりわけ、怒りという情念を抑制することを説いた賢人として知られている。しかし、同時に、激情が解き放たれ、自他の破滅にいた………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年06月19日
[ジャンル]歴史 人文

英語と日本軍―知られざる外国語教育史 [著]江利川春雄

英語と日本軍―知られざる外国語教育史 [著]江利川春雄

 最近では小学校から大学まで「英語一辺倒主義」教育が貫かれている。グローバル化する世界で「戦える」人材育成のためと謳(うた)われるが、それは本当に新しく、正しい教育方法なのか。  旧日本軍の外国語教育史を調べた著者によれ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年06月12日
[ジャンル]歴史

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

ナパーム空爆史―日本人をもっとも多く殺した兵器 [著]ロバート・M・ニーア

■無差別の残虐、「核」でなくても  「核なき世界」では不十分だ。「戦争なき世界」をめざすべきである。オバマ米大統領は広島で、戦争のモラルを広く求めた。  核の特殊性に閉じこもらず、争いに走る人間の思考を演説の肝にしたの………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年06月05日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

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