歴史

ミクロストリアと世界史―歴史家の仕事について [著]カルロ・ギンズブルグ

ミクロストリアと世界史―歴史家の仕事について [著]カルロ・ギンズブルグ

■問いに固執せず、代弁もしない  ミクロストリア、英語ではマイクロヒストリー。粉挽屋(こなひきや)の異端審問記録から十六世紀イタリアの農民文化に光を当てた『チーズとうじ虫』(一九七六年)で、ギンズブルグはこの語を世に知………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]歴史 人文

幕末の女医、松岡小鶴―1806−73 柳田国男の祖母の生涯とその作品 [編著]門玲子

幕末の女医、松岡小鶴―1806−73 柳田国男の祖母の生涯とその作品 [編著]門玲子

■風変わりな漢文ににじむ人生  松岡小鶴(こつる)は、柳田国男の祖母にあたる人物だ。その漢詩や書簡を現代語訳し、生涯とともに紹介する内容としては初の試みとなる本書。編著者の門玲子は、女性史研究家として長年、とくに江戸期………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

時代区分は本当に必要か?―連続性と不連続性を再考する [著]ジャック・ル=ゴフ

時代区分は本当に必要か?―連続性と不連続性を再考する [著]ジャック・ル=ゴフ

■中世とルネサンス、揺らぐ境界  先月久しぶりにフィレンツェを訪れ、ミケランジェロが設計した二つの小さな建築空間があまりに素晴らしく、合計5時間も観察した。イタリアのルネサンス期は革新的なデザインの方法論が創造された。………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]歴史 社会

第三帝国 [著]ロベルト・ボラーニョ

第三帝国 [著]ロベルト・ボラーニョ

■弛みと緊張が呼び覚ます感情  チリの作家、ロベルト・ボラーニョのことは、『通話』の初邦訳が出た際に知ったが、そのときに覚えた不思議な親密感は、その後どんな作品を読んでも変わることがない。  『第三帝国』という書名にナ………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年10月16日
[ジャンル]歴史 政治

クレムリン―赤い城塞の歴史 [著]キャサリン・メリデール

クレムリン―赤い城塞の歴史 [著]キャサリン・メリデール

■時代の栄光、凝縮された空間  周りを2キロあまりの城壁で囲まれ、さまざまな時代の様式による宮殿や聖堂、教会、塔などが林立する空間。それがクレムリンである。決して広いとはいえない空間のなかに、江戸城の本丸や皇居の宮殿や………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]歴史

原爆ドーム―物産陳列館から広島平和記念碑へ [著]頴原澄子

原爆ドーム―物産陳列館から広島平和記念碑へ [著]頴原澄子

■取り壊し免れた“絵になる廃虚”  世界遺産に登録された原爆ドームは、最初からその価値が認められていたわけではない。1950年頃から誰言うとなく「原爆ドーム」と呼ぶようになり、市議会で永久保存が決議されたときは戦後20………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]歴史

戦争まで―歴史を決めた交渉と日本の失敗 [著]加藤陽子

戦争まで―歴史を決めた交渉と日本の失敗 [著]加藤陽子

■この国はなぜ3回誤ったのか  太平洋戦争への道筋で世界が日本に、「貴国はどちらを選択するのか」と問うたときが3回あったと、著者は説く。リットン報告書、三国軍事同盟、日米交渉。その選択時の状況を分析することは現代政治へ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]歴史

光炎の人(上・下) [著]木内昇

光炎の人(上・下) [著]木内昇

■時代に翻弄(ほんろう)される技術者の野心  愛媛県出身の秋山好古、真之兄弟と正岡子規を主人公にした司馬遼太郎『坂の上の雲』は、日本が下瀬火薬、三六式無線機などの新技術を開発したからこそ、日露戦争に勝てたとする技術史観………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]歴史 人文 社会

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

■隠された記憶と責任をたどる  もう20年以上も前のことだ。小郡(現・新山口)からJR宇部線に乗った。平凡な車窓風景に見飽きてきた頃、不意に左手の視界が開け、周防灘が現れた。だがそれよりもっと驚いたのは、海岸に点在する………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]歴史 政治

戦艦武蔵 [著]一ノ瀬俊也

戦艦武蔵 [著]一ノ瀬俊也

■戦争忘却を促す「事実への逃避」  戦艦大和が様々に語られてきたのに対し、なぜ武蔵はそうならなかったか。これが本書の問いである。すでに著者は『戦艦大和講義』(人文書院)において、大和をめぐる言説やサブカルチャーを通じて………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]歴史 社会

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

■今に通じる戦国武将たちの奮闘  大河ドラマ「真田丸」が、関ケ原の合戦に向けて盛り上がっている。タイムリーなことに、関ケ原の負け組を再評価する歴史小説が2冊続けて刊行された。  吉川永青『治部(じぶ)の礎(いしずえ)』………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]歴史 文芸

国際秩序 [著]ヘンリー・キッシンジャー

国際秩序 [著]ヘンリー・キッシンジャー

■自制、力、正統性の釣り合いを  国際政治学者キッシンジャーの基本的な歴史観・世界観を凝縮した研究書である。フォード政権で国務長官も務めたのだから、その理論は現実の中で応用、援用あるいは微調整されていたことも窺(うかが………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史

ボクシングと大東亜―東洋選手権と戦後アジア外交 [著]乗松優

ボクシングと大東亜―東洋選手権と戦後アジア外交 [著]乗松優

■「熱狂」が崩した国交断絶の壁  第2次大戦後、フィリピンの対日感情は極めて悪く、2国間の交渉は難航した。だが、国交断絶中の1952年からボクシング東洋選手権が始まり、日本人とフィリピン人選手の王座決定戦が両国のファン………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史 人文

北の富士流 [著]村松友視

北の富士流 [著]村松友視

■数字で評価できない人間的魅力  1972年1月場所8日目、横綱北の富士と関脇貴ノ花の一番を、小学3年だった私はテレビで観戦していた。北の富士が外掛けで倒そうとしたところを貴ノ花が捨て身の上手投げで返し、北の富士の右手………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史 人文

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

川原慶賀の「日本」画帳―シーボルトの絵師が描く歳時記 [編]下妻みどり

 江戸時代、幕府の鎖国政策のもとで唯一開かれていた長崎の出島。今年没後一五〇年のオランダ商館医・シーボルトは、さまざまな情報や文物を持ち帰り、ヨーロッパにおける日本研究の基礎を作った。  長崎の絵師・川原慶賀は、シーボル………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史

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