国際

マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲 [著]アマーラ・ラクース

マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲 [著]アマーラ・ラクース

■文化の壁打ち抜く軽妙な語り口  イーサーとソフィアという男女二人の語り手を交互に登場させて、物語は進められていく。しかし、前者は偽名であり、後者はある種の通称名とでも言えよう。  「テロとの戦い」が欧米社会での合言葉………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2012年10月28日
[ジャンル]国際

そこに僕らは居合わせた―語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶 [著]グードルン・パウゼヴァング

そこに僕らは居合わせた―語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶 [著]グードルン・パウゼヴァング

 ナチス体制下のドイツで起きたさまざまなことを見た子どもたちが後に語る20編。ユダヤ人一家が連行されたあとの家に、この間まで仲良く付き合っていた近所の人たちが入り込み、めぼしい品を持ち出す。母は台所で食糧を買い物袋に詰め………[もっと読む]

[掲載]2012年09月30日
[ジャンル]国際

スパイにされた日本人 [著]エドナ・エグチ・リード

スパイにされた日本人 [著]エドナ・エグチ・リード

■愛憎と曲折、娘の視点でつづる  1920年代、ロンドンに留学中のタキこと、江口孝之は英国女性と結ばれ、娘エドナらの子供に恵まれる。  本書は、エドナによる父親タキの回想、という形式をとる。一家にとって、タキはよき父親………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年09月16日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

陳情―中国社会の底辺から [編著]毛里和子・松戸庸子

陳情―中国社会の底辺から [編著]毛里和子・松戸庸子

■自由と民主主義、命懸けの告発    「道路を造ってほしい」  「橋を架けてほしい」  地方議員らが中央官庁や国会議員に「陳情」する。地方は土木工事などでお金がもたらされることを期待し、国会議員は票をめあてに世話をする………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年09月16日
[ジャンル]政治 国際

エリア51―世界でもっとも有名な秘密基地の真実 [著]アニー・ジェイコブセン

エリア51―世界でもっとも有名な秘密基地の真実 [著]アニー・ジェイコブセン

■隠し事はどこまで許されるか  ラスベガスから北に1時間ほど車で走ると米国最大の政府管理区域・ネリス試験訓練場に辿(たど)り着く。面積は新潟県とほぼ同じ。空軍基地や核実験場が置かれている。  そのなかでひときわ謎に包ま………[もっと読む]

[評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学)
[掲載]2012年06月10日
[ジャンル]社会 国際

収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 [著]ポール・コリアー

収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 [著]ポール・コリアー

■後代に責任とる 合意形成の道  資源は途上国にとって両刃の剣だ。収入は増えるが、利権と汚職の温床になったり、資源収入への過度の依存で国民の勤労意欲まで消えたり。この「天然資源の呪い」を指摘した一人が、本書の著者コリア………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年06月03日
[ジャンル]経済 国際

私は東ドイツに生まれた―壁の向こうの日常生活 [著]フランク・リースナー

私は東ドイツに生まれた―壁の向こうの日常生活 [著]フランク・リースナー

■自由を手に入れ、過去を懐かしむ    ベルリンの壁が崩壊した翌年、一つの国が40年という短い「生涯」を終え、世界から消えた。それはドイツ民主共和国――いわゆる東ドイツである。現在は日本に住む、東生まれで、東西統一時に………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2012年05月20日
[ジャンル]歴史 国際

2050年の世界地図―迫りくるニュー・ノースの時代 [著]ローレンス・C・スミス

2050年の世界地図―迫りくるニュー・ノースの時代 [著]ローレンス・C・スミス

■北の高緯度地域「新しい中心」に  2050年の世界を予測している。「ニューノース」は、北極の変化がもたらす高緯度地域の繁栄のことだ。占いの本ではない。ユーモアにあふれた面白い本だが、実はコンピューターモデルのもっとも………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]国際

新ビルマからの手紙/増補復刻版 ビルマからの手紙 [著]アウンサンスーチー

新ビルマからの手紙/増補復刻版 ビルマからの手紙 [著]アウンサンスーチー

■明るく粘り強く抵抗する  現在ビルマ(「ミャンマー」は軍事政権側による国名であり、民主化勢力、ならびにそれを支持する者は「ビルマ」と呼ぶ)では補欠選挙で「国民民主連盟(NLD)」が過半数を超える得票をし、アウンサンス………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]国際

世界が日本のことを考えている―3・11後の文明を問う――17賢人のメッセージ [編著]共同通信社取材班

世界が日本のことを考えている―3・11後の文明を問う――17賢人のメッセージ [編著]共同通信社取材班

■国内言論に足りぬ視点想起  3・11をめぐる海外の識者へのインタビュー集。「賢人もの」にありがちな欧米・男性・学者中心ではない、多様な人選がまず目を引く。  例えば、アマゾン奥地で育ち、16歳まで読み書きができなかっ………[もっと読む]

[評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]国際

未来国家ブータン [著]高野秀行

未来国家ブータン [著]高野秀行

■他の国とはまるで違う進化  昨年の国王夫妻の来日以来かなりのブームを巻き起こしているブータン。ヒマラヤの小国なのに国民の幸福度は世界一ともいわれ、そのユニークな国情に注目が集まっている。当然、さまざまな「ブータン本」………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]人文 国際

オバマを読む―アメリカ政治思想の文脈 [著]ジェイムズ・クロッペンバーグ

オバマを読む―アメリカ政治思想の文脈 [著]ジェイムズ・クロッペンバーグ

■「哲学せしめる政治家」の背景  弱腰で優柔不断——米国内でオバマ大統領をそう批判するのは保守派に限らない。議会多数派を擁しながら野党に妥協を重ねる姿はリベラル派をも失望させた。議会がねじれ、大統領選を今秋に控えた現在………[もっと読む]

[評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学)
[掲載]2012年04月01日
[ジャンル]政治 社会 国際

紅茶スパイ 英国人プラントハンター 中国をゆく [著]サラ・ローズ

紅茶スパイ 英国人プラントハンター 中国をゆく [著]サラ・ローズ

■変装し危険冒して、最高の木と製法を  いつも緑茶とお煎餅(せんべい)で埋めているおやつの時間を、たまに焼きあがったばかりのスコーンと一緒に薫り高いダージリンティーを飲んで過ごすと、不思議に優雅な気分になる。紅茶を飲ん………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2012年02月19日
[ジャンル]歴史 国際

コラテラル・ダメージ グローバル時代の巻き添え被害 [著]ジグムント・バウマン

コラテラル・ダメージ グローバル時代の巻き添え被害 [著]ジグムント・バウマン

■恐怖で維持される権力基盤  「コラテラル・ダメージ」とは、もともとは軍事用語だ。特定の軍事行動がもたらす、予期せぬ巻き添え被害を意味する。社会学的には、たとえば「アンダークラス(最底辺層)」の人々が社会から疎外されて………[もっと読む]

[評者]斎藤環(精神科医)
[掲載]2012年02月19日
[ジャンル]社会 国際

比較のエートス 冷戦の終焉以後のマックス・ウェーバー [著]野口雅弘

比較のエートス 冷戦の終焉以後のマックス・ウェーバー [著]野口雅弘

■専門の砦から「現実」の戦場へ  M・ウェーバーの遺(のこ)した仕事が、規模の点でも濃度の点でも、読む者を圧倒する凄(すご)みを備えていることは、その理論構築に対し否定的な見解を抱く者を含め、認めぬわけにいかぬだろう。………[もっと読む]

[評者]奥泉光(作家)
[掲載]2012年01月15日
[ジャンル]経済 社会 国際

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