人文

大山猫の物語 [著]クロード・レヴィ=ストロース

大山猫の物語 [著]クロード・レヴィ=ストロース

 オオヤマネコとコヨーテは双子で、元々はよく似ていた。しかし、「彼らは、互いに分化する道を選んだ。つまりオオヤマネコはコヨーテの鼻面と足を引き伸ばし、コヨーテはオオヤマネコの鼻面と尾を縮めたのである」。南北アメリカ・イン………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年05月15日
[ジャンル]人文

教皇フランシスコ キリストとともに燃えて―偉大なる改革者の人と思想 [著]オースティン・アイヴァリー

教皇フランシスコ キリストとともに燃えて―偉大なる改革者の人と思想 [著]オースティン・アイヴァリー

■世界に「希望」を与える貧者の友  英BBCニュースを見ていたら、ローマカトリック教会教皇フランシスコは、他宗派はむろん、他宗教の信者、さらに無神論者にも人気があるという。彼が類例のない教皇であることは、つぎの事実から………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年05月01日
[ジャンル]人文

日本語を作った男―上田万年とその時代 [著]山口謠司

日本語を作った男―上田万年とその時代 [著]山口謠司

 現在、江戸時代の和本をすらすらと読める人の数はそう多くない。文章はむずかしく見え、それ以前に文字が読めなかったりする。  このむずかしさは、明治大正時代の本を読むときのむずかしさとは格段に違い、日本語に激変が起こったこ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年05月01日
[ジャンル]人文

日本文学源流史 [著]藤井貞和

日本文学源流史 [著]藤井貞和

■新たな〈発生〉うながす視点  藤井貞和は、独自の視点に立つこの文学源流史を描き出すにあたって、折口信夫の〈発生〉の考え方をこう解釈する。それは「繰り返し発生する動態」のことではないかと。源流は一つではない、という捉え………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年04月24日
[ジャンル]人文

文化進化論―ダーウィン進化論は文化を説明できるか [著]アレックス・メスーディ

文化進化論―ダーウィン進化論は文化を説明できるか [著]アレックス・メスーディ

■宗教的な現象も定量的に証明  本書は、文化の「進化」をダーウィンの理論的枠組みにもとづいて考えるものだ。ダーウィンの進化論といえば、今でも進化=進歩という意味に受けとられているが、実はその逆である。彼は「進化」のかわ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年04月10日
[ジャンル]人文

これで駄目なら―若い君たちへ 卒業式講演集 [著]カート・ヴォネガット

これで駄目なら―若い君たちへ 卒業式講演集 [著]カート・ヴォネガット

■皮肉とユーモアあふれる語り口  あらためて書くまでもないが、カート・ヴォネガットは、『猫のゆりかご』や『スローターハウス5』といった代表作のあるアメリカの作家だ。  初めて読んだのは『スローターハウス5』だ。学生のこ………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]教育 人文

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

■非日常の空間、淡く美しき世界  飛行機に乗る前は、いつもちょっとわくわくする。非日常的な空間に浸る楽しみが待っているからだ。  ぼくはこんな月並みで無粋な表現しかできないが、747のパイロットである著者は五感をフルに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]人文

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

 『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』に続くシリーズ3作目にして完結編。村上春樹から小松左京、又吉直樹まで、時代を象徴する小説家たちを取り上げ、1970年代末以降の日本小説史を概説する。  批評家の著者ならではの切り口が………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸 人文

森は考える 人間的なるものを超えた人類学 [著]エドゥアルド・コーン

森は考える 人間的なるものを超えた人類学 [著]エドゥアルド・コーン

■現代人が忘れてしまった知恵  森や山、川などを人と見做(みな)し、鳥や草木が人に語りかけてくるという感覚を古代の日本人は持っていた。それは単なる擬人化にとどまらない自然観の現れであり、「森は考える」という本書の思想と………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]人文 社会

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 [著]エマニュエル・トッド

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 [著]エマニュエル・トッド

■カトリックの衰退、異教の排撃を招く  トッドはこれまでの著作で、世界各地の社会の政治や思想のあり方を、4種類の家族形態の違いから、統計学にもとづいて説明してきた。すなわち、生産様式にもとづくマルクス主義的決定論を退け………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]人文 社会 国際

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

■正面から描く力業、内面理解し軽妙に  織田信長は歴史の変革者である。だが日本史学界は今、信長はごくごく普通の戦国大名だったと大合唱している。唯物史観を信奉する人たちは「英雄はいらない」し、手早く成果が欲しい人たちは、………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年02月28日
[ジャンル]歴史 人文

わが記憶、わが記録—堤清二×辻井喬オーラルヒストリー [編]御厨貴・橋本寿朗・鷲田清一

わが記憶、わが記録—堤清二×辻井喬オーラルヒストリー [編]御厨貴・橋本寿朗・鷲田清一

■自覚的に背負った矛盾とユートピア  晩年の辻井喬さんに何度かお会いしたことがある。御茶ノ水や銀座や北京のホテルで、私が勤める大学の大教室で、さらには朝鮮学校無償化除外に反対する会場などで対話を重ねてきた。  もっぱら………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

■徹底した自己批評、これぞ偉人  『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』などの著作で知られる著者は豊富な臨床経験と繊細な観察眼を持つ優れた生理、神経学者だったが、同時に自己顕示欲の強い野心的表現者でもあった。晩年………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

2時間で走る―フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦 [著]エド・シーサ

2時間で走る―フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦 [著]エド・シーサ

■「神の頂」に迫る栄光と苦悩  人間はエベレストに登頂できたが、フルマラソンの記録はいまだ2時間を切れない。その「神の頂」に迫るトップランナーたちの生き様を追ったノンフィクションだ。  マラソン界をリードするのはケニア………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年02月14日
[ジャンル]人文

「思想の科学」私史 まなざし [著]鶴見俊輔

「思想の科学」私史 まなざし [著]鶴見俊輔

■日本語の思想性、次代に問い続け  60年安保時、岸内閣の強行採決に「国家公務員でいるのが恥ずかしい」と鶴見俊輔は東京工業大学を辞職した。61年9月、京都の同志社大学教授に転じた。  その最初の授業で、私は前方の席に座………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年02月07日
[ジャンル]人文

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