ノンフィクション・評伝

外道クライマー [著]宮城公博

外道クライマー [著]宮城公博

 本書は、谷間の沢筋をたどる「沢登り」に熱中する登山家の手記だ。著者は、「探検的な要素を含んだ」沢登りにこだわり、国内外の秘境に分け入っていく。2012年には立ち入り禁止のご神体「那智の滝」(和歌山県)に登ろうとして警察………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

村に火をつけ、白痴になれ―伊藤野枝伝 [著]栗原康

■体当たりで描く「汚名上等」  漫画か劇画みたいな評伝である。なんたって、表題が『村に火をつけ、白痴になれ』ですからね。  評伝の人物は、あの伊藤野枝(1895~1923)。平塚らいてうの後を継ぐ『青鞜』の二代目編集長………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

スポットライト 世紀のスクープ―カトリック教会の大罪 [編]ボストン・グローブ紙《スポットライト》チーム

スポットライト 世紀のスクープ―カトリック教会の大罪 [編]ボストン・グローブ紙《スポットライト》チーム

■しがらみを越え保身の構図暴く  米国の地方新聞「ボストン・グローブ」は2002年1月、地元ボストンで過去10年間にカトリック教会の司祭計70人が児童に性的虐待を行い、教会組織がそれを隠蔽(いんぺい)してきた事実をスク………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

眩(くらら) [著]朝井まかて

眩(くらら) [著]朝井まかて

■仕事に生き、迷い、悩む女絵師  朝井まかては、歌人・中島歌子の数奇な人生を描く直木賞受賞作『恋歌』、奇矯な井原西鶴が印象に残る『阿蘭陀西鶴』など、文人を題材にした作品を発表してきた。葛飾北斎の娘お栄(応為〈おうい〉)………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

漂流怪人・きだみのる [著]嵐山光三郎

漂流怪人・きだみのる [著]嵐山光三郎

■日本社会の構造のしぶとさ探究  きだみのるは、フランスで人類学・社会学を学び、岩波文庫『ファーブル昆虫記』の翻訳(山田吉彦名)なども残しているが、戦後すぐに『気違い部落周游紀行』など、一連の「気違い部落」シリーズで一………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

手話を生きる―少数言語が多数派日本語と出会うところで [著]斉藤道雄

手話を生きる―少数言語が多数派日本語と出会うところで [著]斉藤道雄

■ろう者の表現を取り戻すために  「ろう者とは、日本手話という、日本語とは異なる言語を話す、言語的少数者である」  本書の中ほどで紹介されている、ろう者による1995年のこの輝かしい宣言を読んだとき、私にとって世界は急………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年05月01日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

アウシュヴィッツの囚人写真家 [著]ルーカ・クリッパ、マウリツィオ・オンニス

アウシュヴィッツの囚人写真家 [著]ルーカ・クリッパ、マウリツィオ・オンニス

■消せない記録、カメラが伝える  ポーランドの写真家ヴィルヘルム・ブラッセ(2012年死去)のアウシュヴィッツ体験を、2人のイタリア人ライターがノンフィクション・ノベルとしてまとめたのが本書である。ナチスは、当初アウシ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年04月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ルポ 同性カップルの子どもたち―アメリカ「ゲイビーブーム」を追う [著]杉山麻里子

ルポ 同性カップルの子どもたち―アメリカ「ゲイビーブーム」を追う [著]杉山麻里子

■幸福な家族へ権利獲得の道のり  大都市から先住民居留地まで、国内外でいくつかの土地に滞在し、確信したことがある。同性愛者は世界中にいる。どんな社会・時代にもいる。つまり、それが人間ってものなのよ。  といってもやっぱ………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年04月24日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

石川啄木 [著]ドナルド・キーン

石川啄木 [著]ドナルド・キーン

■「欲望のまま」生身の歌人の姿  著者は本書をこう書き出す。「石川啄木は、ことによるとこれまでの日本の歌人の中で一番人気があるかもしれない」  「東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる」で始まる歌集「一握………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年04月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

スーザン・ソンタグの『ローリング・ストーン』インタヴュー [著]ジョナサン・コット

スーザン・ソンタグの『ローリング・ストーン』インタヴュー [著]ジョナサン・コット

■回転しながら引き出す「素の私」  一読すると、スーザン・ソンタグに向かって、ジョナサン・コットがインタビューしているかのようだが(というのも、七〇年代、「ローリング・ストーン」誌に短縮版が掲載された経緯があるからだ)………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2016年04月17日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

根源芸術家 良寛 [著]新関公子

根源芸術家 良寛 [著]新関公子

■謎の生涯追跡、推理小説のよう  良寛といえば子供と手鞠(てまり)をついて遊ぶ乞食僧という印象が強いが、実際は謎の存在である。著者は良寛の書の芸術性から彼の生き方の真実にとりつかれたようだが、黙して語ろうとしない生涯に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2016年04月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦争を悼む人びと [著]シャーウィン裕子

戦争を悼む人びと [著]シャーウィン裕子

 戦場体験を語り継ぐには勇気と理性が必要だ。それから逃げるには「そんな史実はない」と遁辞(とんじ)を弄(ろう)することだ。本書の行間に流れるのは、そういう歴史修正主義者への怒りである。  著者は大学卒業後、米国、スイスに………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年04月10日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

瀬川昌久自選著作集1954−2014 [著]瀬川昌久

瀬川昌久自選著作集1954−2014 [著]瀬川昌久

■日米のジャズ史を克明に記録  音楽を聴くことは、すなわちレコード盤に耳を傾けることだった。誰しもその解説を読んで知識を得たものだ。著者も子供の頃、そこから多大な影響を得たという。野川香文、野口久光らの名解説はその後も………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2016年04月03日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

評伝レヴィナス—生と痕跡 [著]サロモン・マルカ

評伝レヴィナス—生と痕跡 [著]サロモン・マルカ

 友人や同僚、捕虜収容所の同室者、教え子や師、家族の証言——本人の言葉も引用されるが、むしろ他者が語り、他者から辿(たど)られるレヴィナスの人生と思想。多大な影響を与えた哲学者をこれほどわかりやすく、面白く読めるとは。 ………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年04月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

江戸時代の通訳官―阿蘭陀通詞の語学と実務 [著]片桐一男

江戸時代の通訳官―阿蘭陀通詞の語学と実務 [著]片桐一男

■言葉を武器に、未知に触れる努力  以前から不思議だったことがある。ちゃんとした学校も教科書も辞書もない時代において、人々はどうやって外国語を身につけたのだろうか? ただでさえ語学習得のセンスに決定的に欠ける私からする………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る