文芸

挑戦者たち [著]法月綸太郎

挑戦者たち [著]法月綸太郎

 実験的な作風で知られたフランスの作家、レーモン・クノーに「文体練習」という作品がある。内容の同じ文章を九十九通りに書いてみるという試みである。思いついてもなかなか実行できるものではない。  他方で古来日本には、ものづく………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]文芸

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

■重なり響き合う少年少女の時間  世の中にはまれに、読み終えるのが惜しい小説がある。そうしてさらにごくまれに、ひとつひとつの段落を読み終えるのが惜しくなる小説がある。本書はそんな、たぐいまれな作品のひとつである。  物………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]文芸

14歳のための宇宙授業―相対論と量子論のはなし [著]佐治晴夫

14歳のための宇宙授業―相対論と量子論のはなし [著]佐治晴夫

■数式を一編の詩と見なして読む  音楽に携わって以来常々感じていたことだが、音楽と物理学はどこかでつながっているという気がする。音楽にも方程式のような考えがあり、過去の偉業(あるいは名曲)の蓄積の上に成り立つ発見がある………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]文芸

松山俊太郎 蓮の宇宙 [著]松山俊太郎 [編]安藤礼二

松山俊太郎 蓮の宇宙 [著]松山俊太郎 [編]安藤礼二

 松山俊太郎は気になる存在だった。生前の彼と面識のあったファンたちがその怪人ぶりを実に情熱的に語るのを聞いていたからだ。  本書収録の対談「蓮華(れんげ)宇宙を語る」では博覧強記の松岡正剛が「とうてい対談になりっこない」………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]文芸

日本語のために―日本文学全集30 [編]池澤夏樹

日本語のために―日本文学全集30 [編]池澤夏樹

■祝詞から憲法までの言葉の姿  思考と文体は相互に影響し合う。リテラシー(読み書き能力)は時代とともに変化する。日本語はどのように変遷してきたのか。本書は、古代から現代までのさまざまな「文体のサンプル」と考察から成るア………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]文芸 人文 社会

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

■発禁・密輸の本が古典になった  アメリカへの持ち込みが禁止された。ついてはカナダ経由の輸送が計画され、アーネスト・ヘミングウェイが密輸業者を紹介した。  まるで兵器か麻薬の話のようだが、一冊の本をめぐる挿話である。 ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]文芸

70歳の日記 [著]メイ・サートン

70歳の日記 [著]メイ・サートン

■「自分らしく」と願う切実な声  夜中に目が覚め、虫たちの声が聞こえる中、本書を開いた。こんなふうに真夜中に読書するのは久しぶり。追うべき筋があるわけではないから、ゆっくりと味わえる。「なぜかはわからないけれど、花の名………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸

あたらしい名前 [著]ノヴァイオレット・ブラワヨ

あたらしい名前 [著]ノヴァイオレット・ブラワヨ

■世界中の矛盾に向かう子どもら  国盗(と)りゲームで子どもたちが陣地につける国名は、勝敗には関係ない。でも主人公のダーリンと、友達のチポやバスタードらには、人気の国と不人気の国がある。アメリカは最高。自国ジンバブエは………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸 社会

クラフツマン―作ることは考えることである [著]リチャード・セネット

クラフツマン―作ることは考えることである [著]リチャード・セネット

■ものと「対話」する手仕事再評価  著者セネットが学生時代に出会った哲学者ハンナ・アレントは、人間のあり方として、「労働する動物」と「工作人(ホモ・ファーベル)」とを区別した。機械的な労働に従事することと、ものを考える………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸

赤塚不二夫生誕80年企画―バカ田大学講義録なのだ! [著]泉麻人ほか

赤塚不二夫生誕80年企画―バカ田大学講義録なのだ! [著]泉麻人ほか

 ♪みやこの西北 ワセダのとなり……。そんな校歌で知られる「バカ田大学」。漫画『天才バカボン』に登場する架空の大学で講義するという「お題」に、多彩な講師陣が挑んだ。  たとえば俗を極めて神々しささえ漂う人生をみうらじゅん………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]文芸

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

治部の礎 [著]吉川永青 天下を計る [著]岩井三四二

■今に通じる戦国武将たちの奮闘  大河ドラマ「真田丸」が、関ケ原の合戦に向けて盛り上がっている。タイムリーなことに、関ケ原の負け組を再評価する歴史小説が2冊続けて刊行された。  吉川永青『治部(じぶ)の礎(いしずえ)』………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]歴史 文芸

希望荘 [著]宮部みゆき

希望荘 [著]宮部みゆき

 心優しく、控えめながら、事件に隠された人の内面を地道な調査で解き明かしていく杉村三郎は、著者が創出した現代の探偵像だ。これまで事件に巻き込まれる会社員の役回りだったが、シリーズ4作目の本書では、前作で離婚し、会社も辞め………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]文芸 人文

怪物君 [著]吉増剛造 心に刺青をするように [著]吉増剛造

怪物君 [著]吉増剛造 心に刺青をするように [著]吉増剛造

■虚実の間、捉える言葉を探る  言葉で表された詩が「わかる・わからない」という判断と対面させられる場合、それは主に、意味や文脈においてのことだ。「わからない」と感じるとき、判断の足場は、たとえば制度として習う日本語が持………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年09月04日
[ジャンル]文芸

晩秋の陰画 [著]山本一力 ずんずん! [著]山本一力

晩秋の陰画 [著]山本一力 ずんずん! [著]山本一力

■成果を誇らず地道に働く美徳  近年、乙川優三郎、伊東潤ら、歴史時代小説作家の現代小説への進出が相次いでいる。人情時代小説で人気の著者も、立て続けに2冊の現代小説を刊行した。  『晩秋の陰画』は、4作を収録した短編集で………[もっと読む]

[評者]末國善己(文芸評論家)
[掲載]2016年09月04日
[ジャンル]文芸

自画像の思想史 [著]木下長宏

自画像の思想史 [著]木下長宏

■〈自分〉笑い飛ばす俳画、見直す  「自画像」というと、絵の具べったりの額入り画が思い浮かぶだろう。展覧会の冒頭に掛けられていたりする。でも、自分自身を描くという本来の意味に従えば、その範囲はもっと広がるはずだ。本書は………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年09月04日
[ジャンル]文芸

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