人文

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

■非日常の空間、淡く美しき世界  飛行機に乗る前は、いつもちょっとわくわくする。非日常的な空間に浸る楽しみが待っているからだ。  ぼくはこんな月並みで無粋な表現しかできないが、747のパイロットである著者は五感をフルに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]人文

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

ニッポンの文学 [著]佐々木敦

 『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』に続くシリーズ3作目にして完結編。村上春樹から小松左京、又吉直樹まで、時代を象徴する小説家たちを取り上げ、1970年代末以降の日本小説史を概説する。  批評家の著者ならではの切り口が………[もっと読む]

[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]文芸 人文

森は考える 人間的なるものを超えた人類学 [著]エドゥアルド・コーン

森は考える 人間的なるものを超えた人類学 [著]エドゥアルド・コーン

■現代人が忘れてしまった知恵  森や山、川などを人と見做(みな)し、鳥や草木が人に語りかけてくるという感覚を古代の日本人は持っていた。それは単なる擬人化にとどまらない自然観の現れであり、「森は考える」という本書の思想と………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]人文 社会

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 [著]エマニュエル・トッド

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 [著]エマニュエル・トッド

■カトリックの衰退、異教の排撃を招く  トッドはこれまでの著作で、世界各地の社会の政治や思想のあり方を、4種類の家族形態の違いから、統計学にもとづいて説明してきた。すなわち、生産様式にもとづくマルクス主義的決定論を退け………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]人文 社会 国際

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

完本 信長私記 [著]花村萬月 信長の肖像 [著]志野靖史

■正面から描く力業、内面理解し軽妙に  織田信長は歴史の変革者である。だが日本史学界は今、信長はごくごく普通の戦国大名だったと大合唱している。唯物史観を信奉する人たちは「英雄はいらない」し、手早く成果が欲しい人たちは、………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2016年02月28日
[ジャンル]歴史 人文

わが記憶、わが記録—堤清二×辻井喬オーラルヒストリー [編]御厨貴・橋本寿朗・鷲田清一

わが記憶、わが記録—堤清二×辻井喬オーラルヒストリー [編]御厨貴・橋本寿朗・鷲田清一

■自覚的に背負った矛盾とユートピア  晩年の辻井喬さんに何度かお会いしたことがある。御茶ノ水や銀座や北京のホテルで、私が勤める大学の大教室で、さらには朝鮮学校無償化除外に反対する会場などで対話を重ねてきた。  もっぱら………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

■徹底した自己批評、これぞ偉人  『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』などの著作で知られる著者は豊富な臨床経験と繊細な観察眼を持つ優れた生理、神経学者だったが、同時に自己顕示欲の強い野心的表現者でもあった。晩年………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

2時間で走る―フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦 [著]エド・シーサ

2時間で走る―フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦 [著]エド・シーサ

■「神の頂」に迫る栄光と苦悩  人間はエベレストに登頂できたが、フルマラソンの記録はいまだ2時間を切れない。その「神の頂」に迫るトップランナーたちの生き様を追ったノンフィクションだ。  マラソン界をリードするのはケニア………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年02月14日
[ジャンル]人文

「思想の科学」私史 まなざし [著]鶴見俊輔

「思想の科学」私史 まなざし [著]鶴見俊輔

■日本語の思想性、次代に問い続け  60年安保時、岸内閣の強行採決に「国家公務員でいるのが恥ずかしい」と鶴見俊輔は東京工業大学を辞職した。61年9月、京都の同志社大学教授に転じた。  その最初の授業で、私は前方の席に座………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年02月07日
[ジャンル]人文

洛陽堂 河本亀之助小伝―損をしてでも良書を出す・ある出版人の生涯 [著]田中英夫

洛陽堂 河本亀之助小伝―損をしてでも良書を出す・ある出版人の生涯 [著]田中英夫

■裏方に徹し才能ある人物を世に    明治42年に出版社洛陽堂を興した河本亀之助の人物像とその業績を克明に辿(たど)った書。  河本は故郷・広島県で小学校の助教を務め、キリスト教への関心を深めたあと数え25歳で上京、印………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年01月31日
[ジャンル]政治 人文 社会

インディオの気まぐれな魂 [著]エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ

インディオの気まぐれな魂 [著]エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ

■「野蛮人学」からの大転回を牽引  16、17世紀、ブラジル沿岸部の民族トゥピナンバの「気まぐれ(インコンスタンシア)」に、宣教師たちは悩まされた。気軽にキリスト教徒になり、すぐまた「悪習」に戻る。とくに戦争、捕虜の殺………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]人文

空海の文字とことば [著]岸田知子

空海の文字とことば [著]岸田知子

■筆を選んだ「漢字の化身」を活写  空海は五筆和尚(ごひつわじょう)とも呼ばれた。長安にあった王羲之(ぎし)の書の剥落(はくらく)を口と左右の手足で五本の筆を同時に操り、瞬時に修復したことに由来する異名だという。  儒………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]人文

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

■アニメに賭けた波乱の人生  「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサーであった西崎義展氏。彼の幼少時代から事故死までの歩みを追ったルポの読後感は、「なんてめちゃくちゃな人生だ」というものだ。序章のタイトルは「いつ消されてもお………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か [編]ペーター・トラヴニー、中田光雄、齋藤元紀

ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か [編]ペーター・トラヴニー、中田光雄、齋藤元紀

■「近代性」への徹底批判だった?  20世紀最大の哲学者の一人ハイデガーは、「黒ノート」と呼ばれる一連の冊子を遺(のこ)し、全集の最後に刊行するように指示していた。  それらのノートには、一見して反ユダヤ主義的な記述が………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]人文

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

■地球の神秘を衒学的にガイド  人は宇宙に存在しないものを創造することは不可能である、と言った人がいた。創造の源泉は無からではなく有からであると。我々が認識する現実世界は全て物質からなり、非物質的世界は存在しないことに………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]人文

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