人文

洛陽堂 河本亀之助小伝―損をしてでも良書を出す・ある出版人の生涯 [著]田中英夫

洛陽堂 河本亀之助小伝―損をしてでも良書を出す・ある出版人の生涯 [著]田中英夫

■裏方に徹し才能ある人物を世に    明治42年に出版社洛陽堂を興した河本亀之助の人物像とその業績を克明に辿(たど)った書。  河本は故郷・広島県で小学校の助教を務め、キリスト教への関心を深めたあと数え25歳で上京、印………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2016年01月31日
[ジャンル]政治 人文 社会

インディオの気まぐれな魂 [著]エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ

インディオの気まぐれな魂 [著]エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ

■「野蛮人学」からの大転回を牽引  16、17世紀、ブラジル沿岸部の民族トゥピナンバの「気まぐれ(インコンスタンシア)」に、宣教師たちは悩まされた。気軽にキリスト教徒になり、すぐまた「悪習」に戻る。とくに戦争、捕虜の殺………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]人文

空海の文字とことば [著]岸田知子

空海の文字とことば [著]岸田知子

■筆を選んだ「漢字の化身」を活写  空海は五筆和尚(ごひつわじょう)とも呼ばれた。長安にあった王羲之(ぎし)の書の剥落(はくらく)を口と左右の手足で五本の筆を同時に操り、瞬時に修復したことに由来する異名だという。  儒………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]人文

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

■アニメに賭けた波乱の人生  「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサーであった西崎義展氏。彼の幼少時代から事故死までの歩みを追ったルポの読後感は、「なんてめちゃくちゃな人生だ」というものだ。序章のタイトルは「いつ消されてもお………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か [編]ペーター・トラヴニー、中田光雄、齋藤元紀

ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か [編]ペーター・トラヴニー、中田光雄、齋藤元紀

■「近代性」への徹底批判だった?  20世紀最大の哲学者の一人ハイデガーは、「黒ノート」と呼ばれる一連の冊子を遺(のこ)し、全集の最後に刊行するように指示していた。  それらのノートには、一見して反ユダヤ主義的な記述が………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]人文

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

■地球の神秘を衒学的にガイド  人は宇宙に存在しないものを創造することは不可能である、と言った人がいた。創造の源泉は無からではなく有からであると。我々が認識する現実世界は全て物質からなり、非物質的世界は存在しないことに………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]人文

べつの言葉で [著]ジュンパ・ラヒリ

べつの言葉で [著]ジュンパ・ラヒリ

 ジュンパ・ラヒリが20年以上学んでいるイタリア語で初めて書いたエッセー集。  英語という「大邸宅」を捨て、なぜ「仮小屋」のイタリア語で書くのか。「創造という観点からは、安全ほど危険なものはない」。イタリア語で書く時、「………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]人文

けもの道の歩き方―猟師が見つめる日本の自然 [著]千松信也

けもの道の歩き方―猟師が見つめる日本の自然 [著]千松信也

■現代が忘れた技能、今こそ光を  猟師ほど多方面の技能を要する仕事はない。猟師は罠(わな)や銃を扱える技術者であり、登山に長(た)け、里山の管理をする林業の知識も備え、仕留めた獲物を絶命させ、解体するブッチャーでもあり………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

ブルデュー 闘う知識人 [著]加藤晴久

ブルデュー 闘う知識人 [著]加藤晴久

 現代フランスを代表する社会学者ピエール・ブルデュー(1930〜2002)。彼と深く付き合い、著作の多くを翻訳した著者が、その人物像を描き、理論を読み解いた。  地方の郵便配達人の家に生まれたブルデューは、パリで哲学を学………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]人文

レイシズムを解剖する―在日コリアンへの偏見とインターネット [著]高史明

レイシズムを解剖する―在日コリアンへの偏見とインターネット [著]高史明

■誤情報の流れ、丹念に検証・否定  本書は数式の頻出する学術書であり、一般向けの文体で書かれたものではない。それでもなお、広く手に取られるべき書物だ。ネットでもストリートでも「ヘイトスピーチ」がまき散らされている現在。………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]人文

ルシファー・エフェクト―ふつうの人が悪魔に変わるとき [著]フィリップ・ジンバルドー

ルシファー・エフェクト―ふつうの人が悪魔に変わるとき [著]フィリップ・ジンバルドー

■「悪の凡庸さ」にあらがうために  スタンフォード監獄実験。非常に有名な心理学実験だ。被験者を看守と受刑者とに分け、刑務所に模した施設で過ごさせる。役を演じているうちに看守は傍若無人に、受刑者は従順かつ無力に振る舞うよ………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]人文

水曜日のアニメが待ち遠しい [著]トリスタン・ブルネ

水曜日のアニメが待ち遠しい [著]トリスタン・ブルネ

■日本アニメ、仏文化にマッチ  フランス生まれの著者は、幼少期から日本のアニメ文化に触れながら育った。フランスではこれは決して珍しいことではない。1970年代、テレビ局は国営放送しかなく、その局が日本アニメを連続して流………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]人文 国際

エラい人にはウソがある—論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ

エラい人にはウソがある—論語好きの孔子知らず [著]パオロ・マッツァリーノ

 『論語』に出てくる立派な思想家。有名な割に、このくらいのイメージしか持っていない人は多い。いわゆる“盛られた”孔子像をかたくなに信じている孔子ファンも多い。こんな現状に、正しい孔子像を提示しようとしたのが本書。ユーモア………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]人文

中欧の詩学―歴史の困難 [著]ヨゼフ・クロウトヴォル

中欧の詩学―歴史の困難 [著]ヨゼフ・クロウトヴォル

■弱さ自覚して精神の自由保つ  ドイツとロシアにはさまれた、オーストリア・チェコなどの地域は、しばしば自らを中欧と定義する。大国によって翻弄(ほんろう)され続けたこの地域では、独特の文化が育まれた。チェコの評論家クロウ………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

死者の花嫁―葬送と追想の列島史 [著]佐藤弘夫

死者の花嫁―葬送と追想の列島史 [著]佐藤弘夫

■死生観は時代や社会で変化する  墓参りの際、私の内心に去来する思いを強いて言語化すると、「お元気ですか(相手は死んでいるのに妙だが)。我々はなんとかやっています。見守っていてください」となる。眼前にあるのは直方体の石………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]人文

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