ノンフィクション・評伝

台湾生まれ 日本語育ち [著]温又柔

台湾生まれ 日本語育ち [著]温又柔

■母語というルーツを探る旅  限りなく小説に近いエッセイの秀作だ。フィクションという意味ではなく、言葉では説明できないこの社会での力関係やマイナーな感覚を、それでも言葉で示そうと格闘し、成し遂げた文章だからだ。  両親………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

道程 オリヴァー・サックス自伝 [著]オリヴァー・サックス

■徹底した自己批評、これぞ偉人  『レナードの朝』や『妻を帽子とまちがえた男』などの著作で知られる著者は豊富な臨床経験と繊細な観察眼を持つ優れた生理、神経学者だったが、同時に自己顕示欲の強い野心的表現者でもあった。晩年………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2016年02月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

アメリカの真の支配者―コーク一族 [著]ダニエル・シュルマン

アメリカの真の支配者―コーク一族 [著]ダニエル・シュルマン

■富豪兄弟、大統領選にも存在感  「コーク兄弟」の名を知ったのは、アメリカで気候変動対策としての「排出量取引制度」導入が挫折した背景に、彼らの巨大な影響力があったと知った時だ。兄弟は、父から引き継いだ事業を巨大ビジネス………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年02月07日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

見果てぬ日本―司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦 [著]片山杜秀

見果てぬ日本―司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦 [著]片山杜秀

 歴史小説家と映画監督とSF作家。一見奇妙な取り合わせの3人を通して、過去・現在・未来の3方向から、日本という国のかたちを削りだそうと試みた一冊だ。  原子力に熱い視線を注ぎ、科学でリスクをねじ伏せてこその未来と信じた小………[もっと読む]

[掲載]2016年01月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

愛の顛末—純愛とスキャンダルの文学史 [著]梯久美子

愛の顛末—純愛とスキャンダルの文学史 [著]梯久美子

■無私の愛、追い求めた作家たち  小林多喜二、三浦綾子、梶井基次郎、寺田寅彦など、明治以降の十二人の小説家、歌人、俳人を取りあげ、かれらがどんなふうにひとを愛したのかを浮き彫りにするノンフィクション。著者は、対象となる………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2016年01月10日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

ゲルダ—キャパが愛した女性写真家の生涯 [著]イルメ・シャーバー

ゲルダ—キャパが愛した女性写真家の生涯 [著]イルメ・シャーバー

■生を燃焼させる魔力に魅入られ  戦争写真が人々の目に触れるようになったのはスペイン内戦からである。新進のグラフ誌が写真を掲載し、カメラマンの意欲に拍車をかけた。近年女性戦場カメラマンの先がけとして注目されているゲルダ………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年01月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

13歳のホロコースト [著]エヴァ・スローニム

13歳のホロコースト [著]エヴァ・スローニム

 「コスモポリタン」としてスロバキアで暮らしていた裕福なユダヤ人家族の生活は、ナチス・ドイツの襲来で一変する。13歳の時、妹と共にアウシュビッツへ送られた長女が約70年後に出版した自伝だ。  強制収容所の回顧録は数多く出………[もっと読む]

[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか [著]ニック・タース

動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか [著]ニック・タース

■病んでいた時代の実像を暴く  ベトナム戦争での米軍の作戦は「索敵殲滅(さくてきせんめつ)作戦」と称された。米兵の任務は「革命軍兵士を見つけ出して殺害する」であった。が、実際は本書のタイトルのような作戦が日々、ベトナム………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

舞踏、まさにそれゆえに 土方巽 曝かれる裏身体 [著]河村悟

舞踏、まさにそれゆえに 土方巽 曝かれる裏身体 [著]河村悟

■語り得ないものを語る試み  土方巽は死の前年(一九八五年)、最後の言葉を、「肉体という巨大都市を肉体という埋没史が尾行する……」と書き遺(のこ)したという。  正直なことを書けば、うまく理解できない。けれど、この言葉………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

脳はすごい ある人工知能研究者の脳損傷体験記 [著]クラーク・エリオット

脳はすごい ある人工知能研究者の脳損傷体験記 [著]クラーク・エリオット

■意識下の「自分」との出会い  例えば駐車場の車まで歩くのに、まず右足を出して、次に左足を出して、また右、そして左、などと意識しなくてはならないとしたら、日常はとてつもなく重くなるだろう。  この本の著者は、車の追突事………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 [著]牧村康正、山田哲久

■アニメに賭けた波乱の人生  「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサーであった西崎義展氏。彼の幼少時代から事故死までの歩みを追ったルポの読後感は、「なんてめちゃくちゃな人生だ」というものだ。序章のタイトルは「いつ消されてもお………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

米軍医が見た 占領下京都の600日 [著]二至村菁(にしむらせい)

米軍医が見た 占領下京都の600日 [著]二至村菁(にしむらせい)

■七三一部隊員との接触も実名で  主人公は1947年から約2年間、京都に赴任していた若き米国人軍医。彼が自ら撮った写真、両親に送った手紙等を手がかりに著者は日本での軍医の生活を再現しつつ、当時の医療状況を描き出す。  ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか

世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか

■脱税支える巨大銀行との闘い  「事実は小説より奇なり」とは、まさに本書のことを指すのか。これは、世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だ。各国政府によるHSBCへの訴追、巨………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ナディア・ブーランジェ―名音楽家を育てた“マドモアゼル” [著]ジェローム・スピケ

ナディア・ブーランジェ―名音楽家を育てた“マドモアゼル” [著]ジェローム・スピケ

■20世紀の音楽を育んだミューズ  本書は音楽に人生を捧げ、マドモアゼルと呼ばれた伝説的なフランスの女性、ナディア・ブーランジェの伝記である。著者は声楽家。20世紀初頭から70余年、芸術にとって奇跡の時代に生きたナディ………[もっと読む]

[評者]細野晴臣(音楽家)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

私の1960年代 [著]山本義隆

私の1960年代 [著]山本義隆

■沈黙を破り東大闘争を回顧  1968年を頂点とする大学闘争とは一体何だったのか。この問いに対する十分な答えは、いまだに得られていない。最大の原因は、闘争の中心人物が長らく沈黙を保ってきたことにあろう。  本書は、東大………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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