国際

仔羊の頭 [著]フランシスコ・アヤラ

仔羊の頭 [著]フランシスコ・アヤラ

■スペイン内戦の悲惨、鋭く描く  スペイン内戦がらみの小説は、ヘミングウェイやマルローが傑作を書いたが、当のスペイン作家の作品は政治的な事情もあってか、きわめて少ない。その、珍しい例の一つが本書、アヤラの5作からなる中………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2011年05月29日
[ジャンル]文芸 国際

すばらしい墜落 [著]ハ・ジン

すばらしい墜落 [著]ハ・ジン

■がむしゃらに生きる中国系移民  ニューヨークにはフラッシングという町があるという。そこに、貧しい留学生をはじめ裕福なインテリや会社員、小金持ちの老人やその介護をするおばさん、寺のお坊さんから若い売春婦まで、様々な中国………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]文芸 国際

戴季陶と近代日本 [著]張玉萍

戴季陶と近代日本 [著]張玉萍

■憧れと警戒、引き裂かれた心  中国国民党を代表する政治家で、孫文の右腕として活躍した戴季陶(たいきとう)の生涯を活写する。  戴は日本留学経験があり、日本語が堪能だった。そのため近代東アジア史の激流の中に身を置きなが………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年05月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

疾走中国 変わりゆく都市と農村 [著]ピーター・ヘスラー著

疾走中国 変わりゆく都市と農村 [著]ピーター・ヘスラー著

■道なき道を進み、淡々と事実のみ  中国が疾走し始めた1990年代の後半に一度、2年ぶりに帰省したことがあった。ハルビン駅から家までタクシーでわずか10分ほどの道のりだが、陸橋が何本も重なるように造られ、両側のボロ家も………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2011年05月08日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商 [著]朽木ゆり子

ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商 [著]朽木ゆり子

■美術品の散逸・破壊回避の一面も  なぜ、これが、アメリカに? ニューヨークで、ボストンで、一級品の日本美術を目にしてこうつぶやく人は多いかもしれない。しかし、日本びいきの外国人が買ったのね、と納得してはいけない。その………[もっと読む]

[評者]田中貴子(甲南大学教授)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際

金大中自伝1―死刑囚から大統領へ 民主化への道/金大中自伝2―歴史を信じて 平和統一への道 [著]金大中

金大中自伝1―死刑囚から大統領へ 民主化への道/金大中自伝2―歴史を信じて 平和統一への道 [著]金大中

■絶望と希望に満ちた極端な時代の申し子  理想の政治家とはどんな人物をさすのか。マックス・ウェーバーの言葉を借りれば、信条倫理と責任倫理の葛藤に懊悩(おうのう)しながらも、歴史の審判に耐える「結果」をもたらすことのでき………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

アジアに浸る/トモスイ [著]高樹のぶ子

アジアに浸る/トモスイ [著]高樹のぶ子

■写真鮮やか、風土人情生き生き  マニラで死者の埋葬費用を賭博で稼ぐのを目にし、モンゴル大草原の狼(おおかみ)の遠吠(とおぼ)えを聞きながら眠り、バンコクの病院で性転換手術に立ち会い、台湾の海に溺れて死の恐怖を覚えた—………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]文芸 国際

ウィキリークス―アサンジの戦争 [著]「ガーディアン」特命取材チーム/日本人が知らないウィキリークス [著]小林恭子ほか

ウィキリークス―アサンジの戦争 [著]「ガーディアン」特命取材チーム/日本人が知らないウィキリークス [著]小林恭子ほか

■伝統メディアとの緊張はらんだ共闘    新たなジャーナリズムとたたえる声がある一方で、情報テロと厳しく非難される。これほど評価が分かれるものも珍しいだろう。  流出した米政府の機密情報などを次々に公開し、にわかに注目………[もっと読む]

[評者]辻篤子(本社論説委員)
[掲載]2011年04月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

ブラジルの流儀 [編著]和田昌親

ブラジルの流儀 [編著]和田昌親

■資源とハイテクで躍進の元気社会  経済破綻(はたん)のどん底にあえいでいた時期、「もうアマゾンを売るしかない」とまでいわれたブラジルがいま元気だ。高金利に引き寄せられて世界のカネが流入し、サッカーのワールドカップやリ………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年04月10日
[ジャンル]経済 新書 国際

兵士はどうやってグラモフォンを修理するか [著]サーシャ・スタニシチ

兵士はどうやってグラモフォンを修理するか [著]サーシャ・スタニシチ

■ユーゴ内戦、少年の目線で物語る  旧ユーゴスラビアから14歳で内戦を避けてドイツに移住し、ドイツ語で書くことを選択した若者の、初めての著書。ドイツ語文学では多和田葉子を始めとして非ドイツ語圏出身者の活躍が目覚ましいが………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2011年04月03日
[ジャンル]文芸 国際

リンカン 上・下  [著]ドリス・カーンズ・グッドウィン 

リンカン 上・下  [著]ドリス・カーンズ・グッドウィン 

■巨大な国家的危機、政敵を使いこなす  原題は「ライバルからなるチーム リンカンの政治的天才」。アメリカで本書に注目が集まったのは、オバマが民主党の指名争いにおいてヒラリー・クリントンに対する勝利をほぼ確実にした段階か………[もっと読む]

[評者]久保文明(東京大学教授)
[掲載]2011年03月27日
[ジャンル]政治 国際

パリが愛した娼婦 [著]鹿島茂

パリが愛した娼婦 [著]鹿島茂

■19世紀、都会の夜闇に時間旅行  「高級」娼婦(しょうふ)ってなんだ? つい先日も、新国立劇場でヴェルディのオペラ「椿姫」を観(み)ながらそう思ったのだった。この名作オペラのヒロインは高級娼婦ヴィオレッタ。原作者デュ………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年03月06日
[ジャンル]歴史 国際

世界史のなかの中国―文革・琉球・チベット [著]汪暉

世界史のなかの中国―文革・琉球・チベット [著]汪暉

■「普遍」と「特殊」、二つの観点交差  著者は私が最も信頼する現代中国の思想家である。魯迅研究者として出発した著者は、天安門事件で弾圧された後、より広い領域に踏み入った。しかし、ある意味で、彼はより魯迅的な道を歩んでい………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2011年03月06日
[ジャンル]歴史 人文 国際

日露戦争と日本在外公館の“外国新聞操縦” [著]松村正義

日露戦争と日本在外公館の“外国新聞操縦” [著]松村正義

■対外宣伝活動、鋭敏な時代感覚  外国新聞操縦という耳慣れない語は、明治時代の外務省で用いられた「対外宣伝活動に関する用語」なのだという。この用語を軸にして、日露戦争下で日本の外務省は世界各国にある在外公館にどのような………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年02月27日
[ジャンル]歴史 国際

未完の平和―米中和解と朝鮮問題の変容 1969〜1975年 [著]李東俊

未完の平和―米中和解と朝鮮問題の変容 1969〜1975年 [著]李東俊

■南北分断の固定化、デタント期に進行  グローバルな冷戦の終結にもかかわらず、なぜ朝鮮半島だけは、「歴史の孤児」のように凍(い)てついた冷戦の厳冬のただ中にあるのか。確かに朝鮮戦争の体験が決定的な影を落としていることは………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2011年02月20日
[ジャンル]歴史 政治 国際

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