人文

“ひとり出版社”という働きかた [編]西山雅子

“ひとり出版社”という働きかた [編]西山雅子

■編集者の思いを本に凝縮  全力投球で10冊、本を書いてきたけど売れないなあ。そうぼやいたら、向かいの席の編集者が呻(うめ)いた。ぼくなんか、キミ並みには誠実な著者10人とつきあっているけどヒットが出ないよ……。  そ………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]政治 人文 社会

あなたを選んでくれるもの [著]ミランダ・ジュライ

あなたを選んでくれるもの [著]ミランダ・ジュライ

■自分が他ならぬ、自分である奇跡  例えばメキシコの市場で、身動きもとれないほどの人波にもまれながら、はてしない永遠の感覚にとらわれてめまいを覚えることがある。私は仕事に疲れ、日本社会に疲れ、つかの間の離脱を求めて、メ………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2015年10月04日
[ジャンル]人文 社会

ヒトはこうして増えてきた―20万年の人口変遷史 [著]大塚柳太郎

ヒトはこうして増えてきた―20万年の人口変遷史 [著]大塚柳太郎

■生存力拡充の歩み、近付く飽和  狩猟採集時代、人口は野生動植物の量に規定されていた。だが、石器を使い、狩りの成功率を高め、土器を用い、食用可能範囲とカロリー摂取効率を高めたことで、ヒトはほかの動物よりも生き残りに有利………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2015年09月27日
[ジャンル]歴史 人文

新宿二丁目の文化人類学—ゲイ・コミュニティから都市をまなざす [著]砂川秀樹

新宿二丁目の文化人類学—ゲイ・コミュニティから都市をまなざす [著]砂川秀樹

■無名のパイオニアたちの歩み  急速に反動化する最近の日本社会の中で、性的少数者の権利については、渋谷区が同性愛者のカップルを結婚相当と認める条例を作るなど、比較的改善が進んでいる。  この背景には、同性カップルの姿が………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2015年09月06日
[ジャンル]人文 社会

赦すこと 赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの [著]ジャック・デリダ

赦すこと 赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの [著]ジャック・デリダ

 本書は、仏のユダヤ系哲学者が、ナチスのユダヤ人虐殺を断罪した哲学者V・ジャンケレヴィッチの論考や手紙を分析しながら、難題「赦(ゆる)し」について深く掘り下げた思索の軌跡だ。「時効にかかり得ぬもの」「償い得ぬもの」と指弾………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年08月30日
[ジャンル]人文

戦後日本の宗教史―天皇制・祖先崇拝・新宗教 [著]島田裕巳

戦後日本の宗教史―天皇制・祖先崇拝・新宗教 [著]島田裕巳

■高度成長で変化、オウム事件の意味  本書は「戦後日本の宗教史」という題であるが、むしろ、戦後日本の社会史を、宗教、特に新宗教の歴史から見るものだといってよい。時代でいえば、つぎの二つに区分される。戦後灰燼(かいじん)………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2015年08月23日
[ジャンル]人文

「居場所」のない男、「時間」がない女 [著]水無田気流

「居場所」のない男、「時間」がない女 [著]水無田気流

 就労以外の人生の選択肢が乏しく自殺のリスクも高い「関係貧困」の男性たち。女性たちは、家事や育児を含む総労働時間が男性よりも長いが睡眠時間は短い「時間貧困」を抱える。気鋭の社会学者が、主にサラリーマン家庭の抱える貧困問題………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年08月23日
[ジャンル]政治 人文 社会

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

■笑いと全体主義の攻防、今なお  映画を通じて世界に笑いを届けた喜劇王のチャップリン。一方、全体主義によって世界を恐怖に巻き込んだ政治家のヒトラー。2人は1889年にわずか4日違いで生まれ、ともにチョビ髭(ひげ)がトレ………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年08月09日
[ジャンル]人文 社会

戦場カメラマン—沢田教一の眼 [撮影]沢田教一 [編集]斉藤光政 [協力]沢田サタ

戦場カメラマン—沢田教一の眼 [撮影]沢田教一 [編集]斉藤光政 [協力]沢田サタ

■「戦争とは」「生とは」を凝視  私は「写真を見る」作法を知らない。だが、ずぶの素人である私が見ても、この本に収められた写真の名状しがたい「すごさ」は分かる気がする。そこには、ぎりぎりまで研ぎ澄まされた「生のすがた」が………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年08月09日
[ジャンル]人文 社会

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

■人間性に係わる実学を見渡す  「文学は実学だ」と現代詩作家の荒川洋治は繰り返し強調する。人間性に係(かか)わり、人間をつくるものという意味で虚学ではない、と。けれど、それを「必要以上に軽んじようとしている空気がある」………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]人文

アメリカ文化外交と日本 冷戦期の文化と人の交流 [著]藤田文子

アメリカ文化外交と日本 冷戦期の文化と人の交流 [著]藤田文子

■差異を超えた交流の場を提供  「情報戦」の一環としての米国の対外文化広報は冷戦期に再び活発化する。日本でも各地にアメリカ文化センターが作られ、反共意識の醸成等、占領中の政策を引き継いだ。著者はこうした活動を総合的に調………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]歴史 人文

悪声 [著]いしいしんじ

悪声 [著]いしいしんじ

 声や音、そして「うた」。意味を超え記憶を揺さぶる空気の振動を、著者は豊かな表現で言葉にする。読者をのみ込まんとするイメージの奔流。  廃寺に繁茂するコケの上に置かれた赤ん坊「なにか」。泣き声を聞いた人は、精緻(せいち)………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年07月26日
[ジャンル]人文

雨の裾 [著]古井由吉

雨の裾 [著]古井由吉

■老いの時間に渦巻く死と官能  古井由吉はこれまでも、夢と現(うつつ)の境、過去と現在の境を踏みこえる小説を書いてきた。その世界は、揺らぐ幻の像と確固とした質感を併せ持ち、独自の展開を見せる。『雨の裾』はいよいよ極まろ………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

トットひとり [著]黒柳徹子

トットひとり [著]黒柳徹子

■「もっと自由に」現代へのエール  生きるテレビ史、黒柳徹子。テレビ放送がはじまった時代。伝説的な音楽番組、クイズ番組、ニュース番組、トーク番組の舞台裏。俳優たちや作家たちとの交流。その風景を生き証人として語れる人は他………[もっと読む]

[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

格闘者—前田日明の時代(1) [著]塩澤幸登

格闘者—前田日明の時代(1) [著]塩澤幸登

 危険な匂いのするプロレスラー、格闘家の一代記は全3巻。「青雲立志篇」と名付けられた本書では20代半ばまでが描かれる。大阪の在日家庭に生まれた前田。両親の離婚に遭い、同居した父から見捨てられ、半ばだまされるようにプロレス………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

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