社会

ジニのパズル [著]崔実

ジニのパズル [著]崔実

■無力な人々の背を押す強靱な力  勇気あるデビュー作である。「苦しい時は私の背中を見なさい」とチームメイトに言った、女子サッカーの澤穂希のような存在の小説だ。  在日3世の少女ジニは、自分の居場所を求めて、小学校は日本………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]文芸 社会

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

■百年間の記事から選りすぐり  数学者の発見が物理学者に伝わるには、五十年から百年の時間がかかるといわれたりする。日常の話題に顔を出すまでとなるとさらに時間が必要となる。  本書には、ニューヨークタイムズ紙に掲載された………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]歴史 社会

アキバと手の思考 [著]粉川哲夫

アキバと手の思考 [著]粉川哲夫

 ラジオアートという言葉に違和感を覚えるとしたらラジオとアートへの誤解があるのかも。ラジオは電波を介した双方向コミュニケーションメディアとして始まった。コミュニケーションはそれをどう行うか主体的に選ぶ創造的な技芸(アート………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

「イスラム国」の内部へ―悪夢の10日間 [著]ユルゲン・トーデンヘーファー

 世界を不条理な暴力が覆っている。動機も背景も不明瞭な殺戮(さつりく)が起きるたび、「イスラム国」(IS)の名が浮かび上がる。  実際は、いつも関与があるわけではない。ISは、理解しがたい反文明的な行動を総称する符丁の言………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]社会 国際

憲法9条と安保法制―政府の新たな憲法解釈の検証 [著]阪田雅裕

憲法9条と安保法制―政府の新たな憲法解釈の検証 [著]阪田雅裕

■元長官が政府に示す理解の限界  昨年成立した一連の安保法制については、大半の憲法学者が違憲とし、政府の憲法解釈を支えてきた内閣法制局の歴代長官らも、批判に加わった。定着した政府解釈の変更自体が立憲主義をゆるがすとの議………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]政治 社会

私の消滅 [著]中村文則

私の消滅 [著]中村文則

■悪意に操られる記憶と人格  記憶は、個人の同一性と結びつく。それなら、記憶が操作され、実際とは異なる記憶がはめこまれたら、人は別人格を生きることになるのか。本書は、悪意と暴力、記憶と人格が描出する見えない線への挑戦だ………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]人文 社会

金日成と亡命パイロット [著]ブレイン・ハーデン

金日成と亡命パイロット [著]ブレイン・ハーデン

■共産主義者演じ生き残った兵士  朝鮮戦争が休戦した直後の1953年9月21日。北朝鮮軍パイロット盧今錫(ノクムソク)が、ミグ15ジェット戦闘機で北緯38度線を越えて韓国の金浦基地に着陸、米国への亡命を求めた。米国人ジ………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年07月31日
[ジャンル]歴史 社会

蔡英文 新時代の台湾へ [著]蔡英文

蔡英文 新時代の台湾へ [著]蔡英文

■中小企業群が担う強靱な経済  著者は、台湾総統選で国民党候補に圧勝し、本年5月に台湾初の女性総統に就任した。いま、世界でもっとも注目される政治家の1人だ。彼女は、前回の総統選(2012年)に敗北した責任をとって民進党………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

男子問題の時代?―錯綜するジェンダーと教育のポリティクス [著]多賀太

男子問題の時代?―錯綜するジェンダーと教育のポリティクス [著]多賀太

■男たちの「生きづらさ」を考える  「女性専用車は男性差別です」とプラカードを掲げて、女性専用車両に乗り込んでくる男性がまれにいる。なぜ、そんな不快なことをするのだろうか。それで自分の生きづらさが変わるわけでもあるまい………[もっと読む]

[評者]星野智幸(小説家)
[掲載]2016年07月17日
[ジャンル]教育 人文 社会

原発プロパガンダ [著]本間龍

原発プロパガンダ [著]本間龍

■巨額の広告費、メディアも陥落  原発に反対する人は国と電力会社を批判する。権力におもねって、正確な報道をしないメディアも批判する。では両者の間をつないでいるのは誰? 広告代理店である。特に上位2社の電通と博報堂は原発………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]社会

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

スノーデン・ショック―民主主義にひそむ監視の脅威 [著]デイヴィッド・ライアン

■自由の侵食、市民の力を弱める  民主社会がここまで監視と親密に共存できると誰が予想できただろう。  英作家オーウェルは約70年前の「1984年」で、監視を全体主義の象徴として描いた。主人公の男性は体制に抗(あらが)う………[もっと読む]

[評者]立野純二(本社論説主幹代理)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]社会

自衛隊の闇 [著]大島千佳・NNNドキュメント取材班

自衛隊の闇 [著]大島千佳・NNNドキュメント取材班

 海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員がいじめを受けて自殺した事件で、遺族が自衛隊などに賠償を求めた裁判は8年間に及んだ。本書は、そのドキュメンタリーを制作したテレビディレクターの取材記録。丹念な取材から自衛隊組織の病………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2016年07月10日
[ジャンル]政治 社会

不審者のデモクラシー―ラクラウの政治思想 [著]山本圭

不審者のデモクラシー―ラクラウの政治思想 [著]山本圭

■不確かな立場の人々つなぐのは  エリートの手から「政治を人々の手に」取り戻す参加デモクラシー。しかし、実際にはそれは、自らの社会的な位置を自覚する理性的な個人だけのものとなっていないか。著者はそこを問題にする。  今………[もっと読む]

[評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]政治 社会

東京β―更新され続ける都市の物語 [著]速水健朗

東京β―更新され続ける都市の物語 [著]速水健朗

■完成しない街、住人意識も複雑  東京は世界的に見ても独特な都市である。第一に規模が巨大だ。隣接地域も含めた都市圏という概念で人口を数えれば、東京圏は世界一である。大型のオフィスビルやマンションがこんなにも続々と建設さ………[もっと読む]

[評者]加藤出
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]社会

日本の女性議員―どうすれば増えるのか [編著]三浦まり

日本の女性議員―どうすれば増えるのか [編著]三浦まり

■低レベルの比率、政治風土映す  現在、衆議院の女性議員比率は9・5%で191カ国中156位、台湾を加えると192カ国・地域中157位という最低レベルにある。地方議会はもっと深刻で、全体の2割を超える市町村議会ではいま………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]政治 社会

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