ノンフィクション・評伝

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

服従 [著]ミシェル・ウエルベック

■変化を受け入れる、人々と社会の怖さ  途方もない冗談だ。  けれど、気むずかしげな表情で語るユーモアを笑うのは難しい。ウエルベックはそんなふうに小説を書くが、また一方で、これはぞっとするほど怖い話である。というのも、………[もっと読む]

[評者]宮沢章夫(劇作家・演出家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

けもの道の歩き方―猟師が見つめる日本の自然 [著]千松信也

けもの道の歩き方―猟師が見つめる日本の自然 [著]千松信也

■現代が忘れた技能、今こそ光を  猟師ほど多方面の技能を要する仕事はない。猟師は罠(わな)や銃を扱える技術者であり、登山に長(た)け、里山の管理をする林業の知識も備え、仕留めた獲物を絶命させ、解体するブッチャーでもあり………[もっと読む]

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

みんな彗星を見ていた―私的キリシタン探訪記 [著]星野博美

みんな彗星を見ていた―私的キリシタン探訪記 [著]星野博美

■「信じる」とは、殉教者の心に迫る  約四百年前、日本では南蛮文化が花開いた。しかし、江戸初期にかけてキリスト教の禁教令が徹底していき、外国人修道士や日本人信徒が弾圧され、拷問を受け、大勢殺された。本書は「東と西が出会………[もっと読む]

[評者]三浦しをん(作家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

読んで、訳して、語り合う。 [著]都甲幸治

読んで、訳して、語り合う。 [著]都甲幸治

 「人と話すことがたまらなく好きだ」という翻訳家の都甲さんが対談集を出した。お相手は同業の岸本佐知子さんや恩師の柴田元幸さん、作家の星野智幸さんら10人。翻訳とは「オリジナルを解凍して流動体にして(略)違うバージョンを作………[もっと読む]

[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

繭 [著]青山七恵

繭 [著]青山七恵

■相互依存の糸、終わりが始まり  美容師として自分の店を持って働く舞は、仕事の続かない夫・ミスミに度々暴力を振るってしまう。関係の歪(ゆが)みを認識しながらも、変えることができない。この夫婦と同じ集合住宅に住む希子は、………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

ぐにゃり東京―アンダークラスの漂流地図 [著]平井玄

ぐにゃり東京―アンダークラスの漂流地図 [著]平井玄

■2度目の五輪、尊厳なき社会で  「空も水も詩もない日本橋」。1964年の五輪に向けて都市改造が進むなかで、川の水は黒く淀(よど)み、上空を首都高速道路に覆われてしまった橋のことを開高健はそう書いた。  そんな名作ルポ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

イルカ漁は残酷か [著]伴野準一

イルカ漁は残酷か [著]伴野準一

■複合的な問題、偏らずに分析  とかく理念先行で感情的なすれちがい論争になりがちなイルカ漁問題。本書は漁師、保護活動家、日本の水族館、世界動物園水族館協会(WAZA)などの、対立する見解に耳を傾け、追い込み漁の現場から………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

第三帝国の愛人―ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家 [著]エリック・ラーソン

第三帝国の愛人―ヒトラーと対峙したアメリカ大使一家 [著]エリック・ラーソン

■なぜ流れを変えられなかったのか  この時代を読む本はたくさんある。狂気と魔性に胸がかき乱される。そして、凍り付くのは、日常に触れるときである。いまも、どこかに種が潜んでいるような気になるからだ。そこから目をそらさぬよ………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

職業としての小説家 [著]村上春樹

職業としての小説家 [著]村上春樹

■文体革命もたらし、矛盾や変化を刻む  村上春樹の自伝的小説論&小説家論。既出の情報も多いが、ファンなら読んで損はない。  彼は、日本語小説の文体に革命をもたらした人だ。文体を変えるということは表現の手法を変えることで………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

マスコミ漂流記 [著]野坂昭如

マスコミ漂流記 [著]野坂昭如

 1956年、三木鶏郎事務所で働いていた著者は数えで27歳。焼け跡こそ消えていたものの放送、音楽、広告などいわゆるギョーカイもまだ固まっておらず、うさん臭い人物も才能あふれる青年も入り交じって活気を放つ中、著者の「漂流」………[もっと読む]

[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦争小説家 古山高麗雄伝 [著]玉居子精宏

戦争小説家 古山高麗雄伝 [著]玉居子精宏

■兵士体験通じて自らの魂と対話  古山高麗雄(ふるやまこまお)は、2002年1月26日に「孤独死」という随想をある新聞の夕刊に書いた。その40日余りあとに実際に自宅で孤独死している。  古山の人生には「戦争」「孤独」そ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

新宗教と総力戦 [著]永岡崇

新宗教と総力戦 [著]永岡崇

■天理教と国家の関係をさぐる  幕末以降、日本では新たな宗教が次々と起こった。本書が対象とする天理教もその一つであり、昭和初期には新宗教のなかでも最大の教団へと発展する。しかし、これまでの研究では大本(いわゆる大本教)………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

自衛隊のリアル [著]瀧野隆浩

自衛隊のリアル [著]瀧野隆浩

■「軍隊らしさ」求める安保法制  今夏、可決された安保法制は自衛隊に今まで以上に「軍隊らしく」働けと要請する。この「らしさ」は「自衛隊らしさ」と隔たりがある。創設当初、「存在」自体が違憲と言われた自衛隊は国民に愛されよ………[もっと読む]

[評者]武田徹(評論家・ジャーナリスト)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

ガイトナー回顧録—金融危機の真相 [著]ティモシー・F・ガイトナー

ガイトナー回顧録—金融危機の真相 [著]ティモシー・F・ガイトナー

■逆風そして逆風、資金注入の決断  本書は、ニューヨーク連銀総裁、第1期オバマ政権の財務長官として、世界金融危機と格闘した男の、緊迫感に満ちた物語である。  「ニューエコノミー」ともてはやされた2000年代の米国、好景………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

欧米社会の集団妄想とカルト症候群 [編著]浜本隆志

欧米社会の集団妄想とカルト症候群 [編著]浜本隆志

■悪夢の歴史、いまだ終わらず  人類が犯してきた古今東西の虐殺に関する歴史書を読んだり、ドキュメンタリーを見たりすることに学生時代から関心があった。その非道さに憤り、残酷さに恐怖し、「なぜこんなことになるのか」の問いが………[もっと読む]

[評者]市田隆(本社編集委員)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

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