国際

空白の五マイル―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む [著]角幡唯介

空白の五マイル―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む [著]角幡唯介

■命すり減らしつかむ、一瞬の生  角幡さんと出会ったのは15年前、大学の探検部の部室だったと記憶している。ぼくは10代の新入生で、角幡さんも20歳になったばかりの頃だった。「四階までしかないはずの古い校舎の、なぜか五階………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2011年02月20日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

日本の刺青と英国王室―明治期から第一次世界大戦まで [著]小山騰

日本の刺青と英国王室―明治期から第一次世界大戦まで [著]小山騰

■「野蛮」に憧れた、奇妙な交流史  カバーの肖像写真に息をのんだ。笑みを浮かべた妙齢の英国女性が身にまとっているのは繊細なレース模様のドレスではなく、全身にほどこされた刺青なのだった。彼女は「刺青師の王様(キング)」と………[もっと読む]

[評者]平松洋子(エッセイスト)
[掲載]2011年02月06日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 国際

ハーフ・ザ・スカイ [著]N・D・クリストフ、S・ウーダン/告発・現代の人身売買 [著]D・バットストーン

ハーフ・ザ・スカイ [著]N・D・クリストフ、S・ウーダン/告発・現代の人身売買 [著]D・バットストーン

■強制的売春という現代の奴隷制  現在、この世界に奴隷制は存在するのであろうか。二つの本によれば、躊躇(ちゅうちょ)なく「イエス」である。しばしばその中核的な問題は強制的な売春である。その数が多いのは、インド、パキスタ………[もっと読む]

[評者]久保文明(東京大学教授)
[掲載]2011年01月30日
[ジャンル]社会 国際

盗賊のインド史―帝国・国家・無法者 [著]竹中千春

盗賊のインド史―帝国・国家・無法者 [著]竹中千春

■近代国家の本質を逆照射  『女盗賊プーラン』という本を覚えているだろうか。1997年に日本語訳が出版されると、現代インド女性の自伝としては異例のロングセラーとなり、話題となった。  プーラン・デーヴィーは、幼児婚・年………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年01月23日
[ジャンル]歴史 人文 国際

ヒマラヤのドン・キホーテ ネパール人になった日本人・宮原巍の挑戦  [著]根深誠

ヒマラヤのドン・キホーテ ネパール人になった日本人・宮原巍の挑戦  [著]根深誠

■終わりなき情熱、貫いて生きる    昨年ぼくは春と秋の二回にわたってネパールのヒマラヤ山中を歩いた。世界最高峰の麓(ふもと)へと続く気持ちのいいトレッキングルートはエベレスト街道と呼ばれて、世界中の観光客に人気がある………[もっと読む]

[評者]石川直樹(写真家・作家)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 国際

必生 闘う仏教 [著]佐々井秀嶺

必生 闘う仏教 [著]佐々井秀嶺

■インドの仏教復興運動の先頭で  1967年にインドに渡り、仏教復興運動の先頭に立ってきた佐々井氏。彼は多くのインド人仏教徒から支持され、2003年にはインド政府少数者委員会の仏教徒代表にも選出された。本書は、彼の語り………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]人文 新書 国際

黄金の夢の歌 [著]津島佑子

黄金の夢の歌 [著]津島佑子

■胸の底に流れる、定住以前の記憶  私はこの作品に、久しく小説に対して抱いたことのない興味を覚えた。一見すると、これは、キルギスや内モンゴルへの観光旅行記である。とりたてて事件はないし、物語性もない。淡々たる記述の流れ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]文芸 国際

策謀家チェイニー―副大統領が創った「ブッシュのアメリカ」 [著]バートン・ゲルマン 

策謀家チェイニー―副大統領が創った「ブッシュのアメリカ」 [著]バートン・ゲルマン 

■無制限の権力を求めた「仕掛け人」    原題は「アングラー」。釣り師という意味であり、シークレットサービスがチェイニー副大統領に付けたコードネーム。「仕掛け人」といったニュアンスであろうか。本書の元になった記事はワシ………[もっと読む]

[評者]久保文明(東京大学教授)
[掲載]2010年12月12日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝 国際

戦後日本人の中国像―日本敗戦から文化大革命・日中復交まで [著]馬場公彦

戦後日本人の中国像―日本敗戦から文化大革命・日中復交まで [著]馬場公彦

■中国という「意味空間」形成の歴史    テレビや雑誌には扇情的な中国イメージが氾濫(はんらん)し、中国という存在それ自体が巨大なリスクと化した感がある。ただ、それが多分に日本人の願望やイメージを反映していることは否定………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2010年12月05日
[ジャンル]歴史 国際

戦死とアメリカ―南北戦争62万人の死の意味 [著]ドルー・ギルピン・ファウスト

戦死とアメリカ―南北戦争62万人の死の意味 [著]ドルー・ギルピン・ファウスト

■死の正確な実相から歴史を見直す    著者は「序」の一節で、「本書はアメリカの南北戦争における死の務めに関する本である」と執筆の姿勢を明かす。死の務め? 読み進むうちにその意味がわかってくる。務めとは1861年から6………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2010年11月28日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

ヨーロッパの形―螺旋の文化史 [著]篠田知和基 

ヨーロッパの形―螺旋の文化史 [著]篠田知和基 

■「ヘンテコリン」の謎解けた  ジョルジュ・デ・キリコが形而上(けいじじょう)絵画の時代を終えて、晩年近くに新形而上絵画を確立するが、この絵画作品に頻繁に登場するヘンテコリンなオブジェがある。巨大なS字形にねじれたオブ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年11月28日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 国際

満洲の情報基地 ハルビン学院 [著]芳地隆之著 

満洲の情報基地 ハルビン学院 [著]芳地隆之著 

■ロシア専門家育成機関の実像描く  20世紀の歴史に翻弄(ほんろう)された日露(にちろ)協会学校(のちのハルビン学院)。これが素朴な読後感だが、この幹のもとにさまざまな枝葉がある。たとえば日本と革命後のロシアとの複雑な………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2010年10月31日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

半分のぼった黄色い太陽 [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

半分のぼった黄色い太陽 [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

■幻の共和国舞台に他者の他者を想う  見つけた。何を? 「物語」の新大陸を。ナイジェリアに芽吹き、アメリカで育まれ、みごとな大輪の花を咲かせる希代の語り部。彼女はチママンダ(私の神は倒れない)という美しい名を持つ。  ………[もっと読む]

[評者]斎藤環(精神科医)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]文芸 国際

「日米安保」とは何か [編]藤原書店編集部 [著]塩川正十郎、中馬清福ほか

「日米安保」とは何か [編]藤原書店編集部 [著]塩川正十郎、中馬清福ほか

■平和と繁栄の「安定剤」か脅威か  「日米安保」とは何か。  大戦の勝者と敗者を結びつけ、その締結からおよそ60年近くにわたって存続し続けてきた日米安保は、時間とともに変化し、また同時に変わらなかったとも言える。安保の………[もっと読む]

[評者]姜尚中(東京大学教授・政治学、政治思想史)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]政治 国際

スターリンの対日情報工作 [著]三宅正樹著 

スターリンの対日情報工作 [著]三宅正樹著 

■日本人スパイの正体にも迫る  実績豊かな現代史学者の手になる本書は、中身の濃い労作である。第2次大戦中のソ連の日本に対する情報活動の全貌(ぜんぼう)が、手際よくまとめられている。  当然ながら、ゾルゲ事件に費やされる………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 新書 国際

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