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猫ラーメン [作]そにしけんじ

2006年07月02日

 猫ラーメンといっても、もちろん猫でダシを取ったラーメンではない。猫がやってるラーメン屋だ。ねじりハチマキの大将がラーメンにかける情熱は猫一倍。“行列のできる店”めざし、お子様ラーメン、デザートラーメン、まかないラーメンなど、新メニュー開発に余念がない。が、そのすべてがマズいんだから困りものだ。けれども大将は自信満々のガンコ職人みたいな態度。そんな大将と、なぜか常連になってしまった田中さん(25歳・会社員)のボケとツッコミが交錯する4コマ連作集である。
 何がすごいって、大将の自覚のなさがすごい。「猫ちゃんがラーメン作ってる〜〜」と驚く客を「猫がラーメン作ってるのがそんなに珍しいか——!!」と追い返すのだが、いや、そりゃ珍しいって! 本当は寿司(すし)職人になりたかった大将が「手が温かすぎて向かねーんだよ!」と言いつつ握った寿司は毛だらけだし、もう何もかもが「ありえねーだろ!」って話であるが、ありえなさを強引に押し通す大将(と作者)の図太(ずぶと)さがナイス。
 一方で、ときどき顔を出す大将の猫らしさが妙にかわいい。猫より使えないバイトのしげちゃん、売れっ子キャットモデルの大将の父など脇役陣もいい味を出す。一見投げやりなようで、実は計算されてる気がしなくもない絵柄とギャグは侮り難し。『きょうの猫村さん』に勝るとも劣らない猫マンガの名(迷?)作誕生だ。

 マッグガーデン、第1巻刊行、580円

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