この人に聞きたい 本の話

「これから電子書籍がどうなっていくのかが楽しみ」 細川茂樹さん

2011年03月25日

ほそかわ・しげき 1971年生まれ。94年俳優デビュー。ドラマ、映画、バラエティなど幅広い分野で活躍中。その豊富な知識とマニアぶりから「家電俳優」としても有名。自著に「家電俳優」、「それでも僕は結婚したい」。

「家電俳優」と呼ばれるほど家電に造詣が深い細川茂樹さん。3月6日付の朝日新聞の電子書籍特集にインタビューで登場していただきました。記事では電子書籍が広がるキッカケを提案していただきましたが、ここでは紙面に掲載しきれなかった内容を紹介。電子書籍から家電の未来まで語っていただきました。


電子書籍は便利な点がたくさんある

――どのような本がお好きですか?

 大藪春彦さんの作品は全部持っています。あとは「CEOが語る」といった社長ものや経済ものが多いですね。新聞や雑誌でも企業のトップの方のインタビューが好きです。やはり業界屈指の方たちの考えというのは色々なところで参考になります。

――実際に電子書籍での読書体験は?

 ドラマ「サラリーマン金太郎」に出演した際、携帯電話向けの電子書籍で原作コミックを全部読みました。かなり巻数も多い作品(シリーズ累計38巻)なのですが、好きなときに簡単に買えて、携帯電話でいつでも読めたので、非常に便利でした。簡単に購入できる分、意外とお金もかかってしまうので、もう少し安いと嬉しいですね(笑)。
 あと、著作権の問題はあるようですが、本を断裁・スキャンして電子化する「自炊」は画期的だと思いました。音楽もそうですが、アーカイブ系は一つにまとめるというのが流れになってきている。本は蔵書がどんどん増えていって場所もとってしまうし、たまっていく本を自炊で電子化して保存するのは非常にいいと思いましたね。


必要ではないけれど、「ウケる」もの

――もっと電子書籍が広まっていくにはどうすればいいでしょうか?

 ほとんどのものに当てはまりますが、特に女性の心を掴まえるようなものがあると一気に普及する。だから、女性を掴むのが一番です。
 コンテンツでいうと、iPhoneはアプリで女性に火がついたからここまで広がった。男性からすると「?」というものでも、女性からすると大事だったり楽しかったりするものってかなり差がありますよね。時間をつぶす簡単なゲームだったり、トイカメラのようになる写真アプリだったり、生活に必要ではないものが多い。つまり、必要ではないけれど、「ウケる」という要素が重要なんでしょうね。
 前に「女性に人気のアプリ」についてお話をするというお仕事もありました。そのとき僕は「世界中の為替相場が瞬時に分かるアプリ」を紹介しましたが、同席した女性には全くウケなかった…。「嘘発見器(アプリ)とか、みんなで集まったときに盛り上がるんですよ」と教わりましたが、そんなの必要ないと思ってしまい、「歳をとったのかな」って(笑)。
 また、その場にいた女性編集者は、「タブレットは大きくて重いからいらない」と。ということは、端末はまず軽くしてコンパクトにすることが優先ですね。

――電子書籍コンテンツの値段はどうでしょう?

 iPhoneアプリでは1200円でも売れるものもありますが、ほとんどは無料アプリ。ユーザーの財布の紐は結構固い。
 電子書籍でも無料の「青空文庫」というものもあるようですが、タダだから見ているという人も多いはず。読みたいけどお金払うのは惜しいなと考えている人は多い。お金を払ってでも読みたいと思わせるものを作るのは難しいですが、ユーザーからすると、タダとはいかなくても出来るだけ安価なほうがいい。読める期間を限定して価格を抑える時限性モデルもいいかもしれないですね。


話は家電にも広がって…

――テレビも今年は「インターネットテレビ元年」といわれています

 少し前に「インターネットアクオス」というものが出ていました。でもコンテンツもなかったからなのか、SHARPは早々に引き上げた。時代がまだ追いついていなかったんでしょうね。「3D」もそうで、コンテンツがまだ追いついていない。「一家に一台」というようにしたいというのは分かりますが、その道具を使って楽しむもの=コンテンツがないと意味がない。
 お会いしたメーカーの方には言っていますが、「3Dカラオケ」があれば流行ると思います。専用の眼鏡も、カラオケの雰囲気だったら違和感がなさそう(笑)。しかも3Dは暗いほうがより見やすいのでちょうどいい。3Dでアーティストが出てきたりしたら絶対盛り上がると思います。

――電子書籍端末でも3Dで見るようになる?

 可能性はなくはないですが、向いてない気がします。電車の中で読んでいてアニメがポッと出てきたらちょっと恥ずかしい(笑)。
 でも可能性はいっぱいある。音声読み上げ機能がついたり、家中の家電のリモコンになったり。これから電子書籍がどうなっていくのかが楽しみです。

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