犬派だった著者が、ひょんなことから猫を飼うことになる。そこで生まれた様々な出来事を繊細な筆で描いたエッセイ集。
50代、独身で母と二人暮らしだった著者はフリーライターという仕事に迷いが生じ、ある日神社で「しあわせをください」と呟く。直後、父の思い出の詰まった白木蓮の切り株の根元で5匹の子猫を発見、戸惑いながらも保護する。引き取り手を探しているうちに小さな命に「個」があることに気づき、母猫とオスの子猫を飼うことに。こうして穏やかで温かい日々が始まった。
仕事で家をあけるといつのまにか帰宅は小走り、足元に猫の感触があると、そこから春のような温かさがじんわりと広がり、想像もしていなかった「しあわせ」を感じる。猫に不妊手術をさせることで、改めて両親の自分への思いに気づくなど、猫に人生観を変えられる様子が、時にコミカルに描かれ楽しい。




