話題の新刊(週刊朝日)

物理学者はごみをこう見る [著]広瀬立成

2011年09月02日

 本書に通底するのは、燃やしても科学的に処理をしても、ごみ自体を減らすことはできない、ということ。
 著者は、ごみを出来うる限り資源化し、また減量することを目指した「ゼロ・ウェイスト」運動に取り組む物理学者。熱力学の第二法則および物質不滅の法則という大原則のもと、再資源化しない限り、ごみは拡散するのみであることを示す。
 福島第一原子力発電所の事故により放出された、放射性物質を含んだ「ごみ」を、われわれは日常的なごみとは違う特別なものだと考えている。しかし著者は、かなりの部分で両者を同等と考える。それは、「放射能ごみ」が家庭ごみほどしか危険ではない、ということではなく、物理の視点から見れば、どちらも同等に深刻だ、ということだ。毎日山ほど捨てられている家庭ごみ同様、日々排出される放射能ごみもまた我々の生活に起因するものであることを思い知らされる。

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