コンビの微妙な関係も赤裸々に キャイ~ン(天野ひろゆき・ウド鈴木)

[文]今村陽 [写真]細川卓  [掲載]2011年12月14日

キャイ~ン 1991年、ウド鈴木と天野ひろゆきで結成。「キャイ~ンポーズ」で一躍有名に。番組発の音楽ユニットでそれぞれミリオンセラーを連発、98年には紅白歌合戦にも出演した。「もしもツアーズ」(フジテレビ系)、「リンカーン」(TBS系)に出演中。
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キャイ~ン 1991年、ウド鈴木と天野ひろゆきで結成。「キャイ~ンポーズ」で一躍有名に。番組発の音楽ユニットでそれぞれミリオンセラーを連発、98年には紅白歌合戦にも出演した。「もしもツアーズ」(フジテレビ系)、「リンカーン」(TBS系)に出演中。

表紙画像 著者:ウド 鈴木  出版社:マイナビ

芸能界きっての仲良しコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきさんとウド鈴木さんが、「コンビ新書」を出版しました。コンビ新書とは、1つのテーマを2人が別々の視点で執筆し、2冊同時に刊行するというシリーズ。取材中のやりとりや撮影でのポーズも息ピッタリのお二人に、執筆秘話を聞きました。


熱いウドちゃん、クールな天野くん

――ウドさんは『天野く~ん!』、天野さんは『な~に、ウドちゃん?』を執筆中、お互い相手が何を書いているか知らずに進めたそうですね。
天野 ウドちゃんが僕のことを書いてくれるっていうんで、きっと僕に対しての感謝の言葉で10巻くらいいくのかなと思ってたんだけど、1巻にまとまったっていうんで、そんなもんかって(笑)。
ウド いやいやいや、そんなことないよ天野く~ん! 世の中のすべての本を天野くんへの感謝の本にしたいくらい感謝してますよ。

――でも、ウドさんの本を読んでいて、本当に天野さんのことを愛しているんだなというのが伝わってきました。
天野 だから逆効果なんですよ。天野のどこがそんな良いんだって思われちゃうでしょ(笑)。
ウド 僕は「天野く~ん!」っていつも声を大にして言いたくて、まぁ実際言っているんですけど、「天野くん」という言葉を活字にすると、非常に爽快感がありましたねぇ。僕にとっては夢のような本ができました。

――実際に2人同時に過去を振り返るという今回の企画、いかがでしたか?
天野 ちょうどそのとき個人的にブログを始めて、自分の思っていることを伝えるっていうのは悪くないなと感じたときに今回のお話がきたので、じゃあ色々なことを書こうと。前々からちょっと考えてはいたんですけど、ちょうどいいタイミングのめぐり合わせでした。
ウド 僕は純粋に天野くんの書いた本を読みたいと思いましたね。天野くんのことは書きたかったんですけど、自分に自信もないですし、自分のことを書くことについてはあまり積極的ではないので、自分の思いを伝えるのは非常にお恥ずかしい限りです。それと、天野くんがいて、キャイ~ンとしてお笑いをやって、家族や仲間、先輩、後輩、事務所の方や周りの方々のおかげで楽しくやらせてもらっていますので、書いているうちにみなさんへの感謝の気持ちでいっぱいになりましたね。

あまの・ひろゆき 70年生まれ。ツッコミ、ネタ作り担当。マンガ、料理、家電など、趣味は多彩。未婚。あまの・ひろゆき 70年生まれ。ツッコミ、ネタ作り担当。マンガ、料理、家電など、趣味は多彩。未婚。

――お互いの本を読んだ感想は?
天野 僕は実はまだ読んでいないんです。うちのお袋が「あんたのことをウドちゃんがこれでもかって言うくらい褒めてくれてるから読みなさい」って言われて、それがブレーキになってもいるんです(笑)。でも、僕は自分の本を早くウドちゃんに読んでほしいと思っていましたよ。
ウド 僕はいつも行く喫茶店ですぐに読んだんですよ。ぐ~って集中して2時間半で一気に読みました。途中でこみ上げてくるものがあって、休憩を入れないともう…
天野 休憩入れてんじゃねぇかよ。一気に読んでねぇじゃんかよ(笑)。
ウド でももう感情が高ぶっちゃって、涙がこぼれてしまいそうになって…
天野 こぼれてねぇのかよ(笑)
ウド とにかく、ハートがあったかい気持ちになりました。でも、いつもと様子が違っていたと思うので、喫茶店のウェイトレスさんからはきっと怪しまれてしまいましたね。
天野 お金払わないで出て行こうとしてたのがバレてたんじゃないの?
ウド 感情が高ぶって思わず…って、そんなことはしないよ天野く~ん(笑)! これはもうお守り代わりにいつもバッグに入れて持ち歩こうと思います。

うど・すずき 70年生まれ。ボケ担当。ストライクゾーンは「18歳から灰になるまで」というほどの熟女好き。既婚。うど・すずき 70年生まれ。ボケ担当。ストライクゾーンは「18歳から灰になるまで」というほどの熟女好き。既婚。

―― 一番伝えたかったことは? 
ウド 僕はやっぱり本を開いた瞬間から「天野く~ん!」で始まり、「天野く~ん!」で終わる感じになっているので、何回「天野くん」という言葉が出てくるか、ぜひ数えてみてほしいですね。優しい天野くん、面白い天野くん、お金持ちの天野くん…、七変化とは言いませんけど、いろんな天野くんが出てきますから。
天野 僕は「ウドちゃんはいい子だね~、天野くんを大事にしてくれて。ウドちゃんあってのキャイ~ンだね」なんて言われますけど、そう思っている人たちに「冗談じゃない」って言いたいですね。俺のこの懐の広さゆえに、ってことをちゃんと知ってほしいです(笑)。
ウド ちょっと~、何言ってんの天野く~ん! でも読んでいただいたら分かりますけど、天野くんが僕のことを思う熱い気持ちが溢れていますよ。もう海外行くときもパスポートとこの本は手放せませんね。
天野 空港で間違って本出しちゃうでしょ(笑)。


ウドちゃんに対して嫉妬 コンビという微妙な関係

――ウドさんからコンビを組んで欲しいと電話をした際、天野さんの返事がすごくあっさりしていたそうですね。
ウド 僕が三日三晩寝ないで考えて、やっと伝えようと決心したときのあの気持ちと、「はいはいわかりました」っていうあの返事。不思議なもので、天野くんは身をもってああいう緩急が笑いの要素なんだということを伝えようとしてくれていたんですかねぇ。
天野 そこまで考えてないけど、熱い思いに熱い気持ちで返すほど恥ずかしいことはないよ。ちょっとウドちゃんの気合が入りすぎちゃって気持ち悪かったんで、ハイハイハイって軽い感じで(笑)。
ウド 気持ち悪いなんて、ちょっとな~にそれ天野く~ん(笑)! でも答えは「イエス」だったんで、結果オーライですね。


――天野さんはウドさんにすごく嫉妬をしていた時期があったとか。
天野 僕の本は「コンビって微妙な関係」という出だしで始まっているんですが、嫉妬もするけど、お互いの成功を心から喜べることがあるし、本当に不思議な関係なんですよね。仕事で学園祭に行ったとき、僕は学生からも普通の対応をされるのに、ウドちゃんはもう学校を歩いているだけで笑われるから普通じゃないわけですよ。結局テレビに出る芸能人というのは、常識的なものから逸脱したものがある人だっていう感じがありますよね。でも、一緒に出るときにウドちゃんに注目が集まるとか、そういうのって努力して何とかなるものではなく、結局個人のポテンシャルというか、生まれ持ったすべてだと思うんです。それを認めることから始めて、自分がどう考えてどうしたかとか、ウドちゃんに対しての微妙な気持ちというのも全部書いています。でも、ここは声を大にして言いたいんですけど、決してウドちゃんみたいになりたいわけではないんですよ(笑)。僕なんかはそうじゃなくて、むしろ逸脱した人を見分けるというか、逸脱した人はこういう人なんだよと言える普通の目線を持ちたいなと思っています。…って、急に真面目な話になっちゃいましたね。
ウド 天野くん、さすがだよ~。

――これまでウドさん本人にそのことを伝えたことはありましたか?
天野 嫉妬しているとはなかなか言えないですね。というか、嫉妬なんかしてないですから(笑)。
ウド どっちなのよ天野く~ん!? 揺さぶるね~(笑)。でも確かに、普段からお笑いの話はしますけど、そういう話はしないですね。そういう意味では、お互いの知らない扉を開けてしまったかもしれないですねぇ。

――ウドさんの奥さんを紹介されたときの感情は、「不思議としかいいようがありません」とありました。
天野 身内の結婚相手でもないけど何だか変な感じで、本当に相手の顔を見れませんでした。僕は人見知りでもなくて、どちらかというと土足でいろんなところに入っちゃうんです。今でこそウドちゃんの奥さんとは普通に喋れますけど、とにかくなんだか照れ臭くて。結婚式まで会わないようにしていました。
ウド 僕は全然大丈夫ですけどね。天野くんから彼女を紹介されたら、「どうもー! よろしくお願いしまーす!」って言いますよ。
天野 まあ紹介しないけどね。
ウド してくれないのー!? 


「私は犬になりたい」

――天野さんのマンガ好きは有名で、本書にもありましたね。
天野 兄貴の影響で、毎週「少年ジャンプ」を買いに行かされるうちに、自分が読むようになって、どんどんマンガが好きになっていきました。大人になってから読んだものだと、福本伸行さんの作品が好きですね。別の視点で見ている感覚というか、独自の考えが好きなんです。僕は創造力がないので、小説とかは読んでいる途中で「この人誰だったっけ?」ってなっちゃうんですよ。だから「まんがで読破」シリーズは大好きです。

――ウドさんも4コマ漫画をネタの参考にしていたこともあったそうですが、お2人ともマンガがお好きなんですか?
ウド そうですね・・・。いろいろ読むんですけど、『赤毛のアン』がやはり素晴らしいですね。何というか、ルーシー・モンゴメリーの描くアンが素晴らしいというか、作者自身がアンだったのではないかと。作者は主人公に自分を投影させているなと、これは顕著に思いましたね。

――でも本には「『赤毛のアン』はやっぱり映画が一番いい」って書いてありましたけど…。
ウド オッ! よくご存知で…。
天野 結局映画が良いのかよ(笑)!
ウド でも昔は戸川幸夫さんの『高安犬物語』や『土佐犬物語』とか…
天野 イヌばっかりかよ(笑)。
ウド 動物を描いた小説が好きで、『シートン動物記』とか『ファーブル昆虫記』とかも好きなんですけど、やっぱり犬が好きで、僕自身も「犬になりたい」というのが最終的な夢なので…。
天野 「私は犬になりたい」って、貝じゃないんだ(笑)。
ウド そうなんですね~。


――最後に、本の中で伝えきれなかったこと、書いておけばよかったことはありますか?
ウド 天野くんのことばかりで、自分のことを書かなかったですね。でも、もう天野くんが「自分」なのかもしれませんね。
天野 意味が分かんないよ(笑)。

――天野さんも「自分はウドちゃんなんじゃないか」と思うことはありますか?
天野 ネタを書くときは、完全に自分がウドちゃんになって書くわけですから、そのときはそうかもしれないですね。
ウド 本当にありがたいですよね~。
天野 僕の体を使ってウド鈴木になるというのはイヤですけどね(笑)。
ウド ハハハ~!
天野 「ハハハ~!」じゃないよ(笑)!

最後はやっぱり、このポーズで!最後はやっぱり、このポーズで!


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赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

著者:ルーシー・モード・モンゴメリ、Lucy Maud Montgomery、村岡 花子/ 出版社:新潮社/ 発売時期: 2008年02月



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