著者に会いたい

ファミコンの思い出 深田洋介さん

2012年08月19日

深田洋介さん(37歳)=倉田貴志撮影

■卒業文集として形に残したい
 
 2003年。ファミコン誕生20周年の年に、学習誌の編集で培った経験を生かし、投稿サイト「思い出のファミコン」を立ち上げた。作品論やサブカルチャー的な分析ではなく、「思い出」を集めたサイトは当時なかった。寄せられた中から、「ゼビウス」「いっき」など158作のゲームにまつわるエピソードを選んで編集、1冊にまとめた。
 「ゲームで遊んだ自分たちの思い出を『卒業文集』として形に残したかったんです」
 カセットの貸し借り、裏技の習得、プレー時間をめぐる母との攻防。感動して、けんかして、ときには「クソゲー」を抱き合わせで買わされて……ほろ苦い記憶も含め、ゲームと共に毎日全力疾走だったあの時代。
 「集まる話は、ゲームそのものより、人間関係など周辺の話がほとんど。本を友人に見せたら目次から動かない。作品名がカギになって、色んなことを思い出すようです」
 実は、それほどゲームに詳しいわけではない。小学生の頃は人並みに遊び、中学生になると自然に卒業した。今の仕事も、子育て・教育系のフリープランナー。でも、こんなに心に残っているのは、作品も業界も、自分たちと一緒に成長していったという思いがあるから。一時代を築いたファミコンブームという社会現象は、自分たち一人ひとりがその歴史を作った当事者だった、と感じる。「団塊ジュニア」と称され、とかく損ばかりと言われるが、この体験を共有できたのはぜいたくな巡り合わせだったという。
 同世代に読んでほしい。「当時を思い出して、また前向きにがんばろう、と思ってもらえたら」
    ◇
 ナナロク社・1365円

関連記事

ページトップへ戻る