著者に会いたい

僕たちのゲーム史 さやわかさん

2012年11月11日

さやわかさん(38歳)=麻生健撮影

■物語をどう扱ってきたのか
 テレビゲームやアイドルについてのライター業のかたわら、開発者インタビューや広告、レビューなどの史料を集めて個別のゲームを分析、ここ30年のゲーム史を体系づけた。
 1980年代は、多くの子どもたちがファミコンを持ち、ゲームは社会の共通認識になりうる文化だった。でも今はゲーム機やソフトの売り上げは振るわない。一方で、社会をゲームのように考えてみる「ゲーミフィケーション」など「ゲーム的なもの」の存在感は増している。
 「昔と今はやりのソーシャルゲームなどとが同じものにも見えず、ひとつなぎにしてどんな流れがあったのかを探るのは価値がある。みんな知りたいのではと思ったんですよ」
 例えば85年の「スーパーマリオブラザーズ」はアクションゲームとして売られたわけではなく、物語性が強調されていた。2000年の「高機動幻想ガンパレード・マーチ」は、ネットワークゲームを模していて、「世界の謎」が解明されないなどの特色があった。「後のゲームの嚆矢(こうし)になっていて、最初はこんなに重要だとは思わなかった」
 ゲームを「ボタンを押すと反応するもの」と定義する。「プログラムした側のメッセージと受け取る側の操作の相互作用で楽しみが生まれる」。物語をどう扱うかというもう一つの視点と絡み合って一つの頂点に達したのは、02年の「ひぐらしのなく頃に」だとみている。
 「ドラゴンクエストを何分で解けるか」という早解きバトルのような、作り手の想定を超えた遊び方が生まれたこともあった。「もっとファンがゲームの中身に介入できるようになると、将来は明るくなると思う」
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星海社新書・903円

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