朝日新聞デジタル トップへ

すべてのJ−POPはパクリである マキタスポーツさん

[文]上原佳久  [掲載]2014年03月23日

マキタスポーツさん=松本敏之撮影 拡大画像を見る
マキタスポーツさん=松本敏之撮影

表紙画像 著者:マキタスポーツ  出版社:扶桑社 価格:¥ 1,260

■編集センスこそオリジナル

 数年前の春先、街頭で流れていた新曲のJポップ。「ちょっと聞いただけで、あ、また『桜が舞い散る』ぞと」。案の定、サビでは桜吹雪がひらひらと??。シンガー・ソングライターの曲を分析して、モノマネしてきた芸人魂に火がついた。「ヒット曲には歌詞だけでなく、楽曲構成まで共通点がある。誰もが表現する時代だから、法則をまとめて、みんなでシェアしてしまおうと思った」
 主に平成期の曲を集めて分析した結果、和音の並べ方であるコード進行にもヒットの法則あり。その一つ「カノン進行」はいわば、切なさ増幅装置。この調べに乗せれば、生活感あふれる「釣り銭」といったフレーズすらドラマチックに。「いわゆる『一発屋』の曲によく使われていて、ある意味ドーピング」。歌詞ならば、「翼、扉、桜、奇跡」が頻出ワード。「定型句をプラモデルのように組み合わせれば、それっぽい歌詞ができてしまう」
 ヒット曲に「パクリ」の要素を指摘しても、否定的な意味ではない。「先駆者の遺産を編集するセンスこそがオリジナリティーだから」。2人の子を育てた経験から考えた。「子どもは先人たちの知恵や経験をパクって成長する。でも、パクって育った子どもの人生には、まぎれもない唯一性があるでしょ」
 ヒット曲の法則を自ら駆使して、曲をつくった。「十年目のプロポーズ」。「できちゃった婚」で、きちんと言葉にして伝えていなかった妻に捧げた。「本物のオリジナリティーなんて考えても暗くなるだけ。人生経験から本気で言えることがあれば、それで十分。聞かせた妻が結婚前の気持ちを取り戻したのか、改めてマリッジブルーになったのは予想外でしたが」
    ◇
 扶桑社 1260円


この記事に関する関連書籍

すべてのJ-Popはパクリである

著者:マキタスポーツ/ 出版社:扶桑社/ 価格:¥1,260/ 発売時期: 2014年01月

☆☆☆☆☆ マイ本棚登録(1 レビュー(0 書評・記事 (1


著者に会いたいバックナンバー

この記事に関する関連記事

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る

ブック・アサヒ・コム サイトマップ