コミック

火線上のハテルマ(1)(2) [作]せきやてつじ

2014年05月18日

■世界駆けるボディーガード

 ストロングタイプの作品だ。著者は熱血料理マンガ『バンビ〜ノ!』のせきやてつじ。
 8人の死亡者を出した吉祥寺通り魔事件。現場に居ながら犯人を止めることができず、警察官を辞職した失意の梶恭司は、ロサンゼルスで謎の青年・波照間猛に出会う。彼が所属するのは、依頼があれば世界中のどこにでも飛ぶボディーガードチーム「エンパイア・スクワッド」。梶は彼らと共に行動することを決意するが——。
 流されるままに生きてきた梶が、心にあいた大きな穴を埋めるために外に向かって大きく開こうとする。その動機づけを入り口に、移民問題や人身売買など世界中で起きている深刻な問題が提示されてゆく。さまざまな人種、多様な価値観、それによって現出した環境が混然となった物語世界には、知りたい欲を刺激する情報が詰まっている。親鳥と雛鳥(ひなどり)が同時に殻をつつくがごとくの外部からの刺激と内なるもがき。卵の殻が割れたとき、梶は新たに生まれ変わっているのだろうか?
 ロスでエルサルバドルのギャングの内紛に巻き込まれ、パリの初ミッションでは人身売買の闇を暴こうとする女性ジャーナリストを警護した梶。次巻の舞台は硝煙と土煙立ち込める争乱の地・シリアだ!
    ◇
小学館・各596円

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