コミック

ハルロック(1) [作]西餅

2014年08月10日

■電子工作女子の情熱の日々

 話題のカープ女子に倣えば、「電子工作女子」。幼い頃から電気製品を分解するのが好きだった主人公・向阪晴(さきさかはる)は、大学生になってもオシャレや合コンには目もくれず、秋葉原のパーツ屋やジャンク屋に通う日々だ。
 そんな娘を母親は心配し、本人も〈女の子の趣味には歓迎されるものとそうでないものがある〉ことを知っている。それでも彼女は電子工作に夢中。パーツ屋で友達になった小学生男子といろんなものを作るのだが、どこかピントがズレている。
 入院中のおばあさんを逆療法で元気づけようと「三途(さんず)の川チラ見せマシン」を作ろうとしたり、ゴキブリ退治マシンを作るはずが単なるゴキブリ存在確認マシンになったりと、役に立たないどころかむしろ迷惑。しかし、そういう“いらんこと”に情熱を注ぐ姿が輝いて見える。
 そう、女子×電子工作の組み合わせより、晴のキャラ自体が強いのだ。対人関係に難ありながら、突飛(とっぴ)な発想と妙な言語センスがたまらない。前作『犬神もっこす』と同様、作者の変人描写にはキレとコクがある。
 好きなことに熱中するのに性別は関係ない。実際、パーツ屋と手芸屋には相通じる空気がある。タイプは違うが手芸女子を描いた芦田実希『はじめのニット!』と読み比べてみるのも一興だ。
    ◇
講談社・605円
 


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