再読 こんな時 こんな本

書店員に聞く 星降る夜に

2015年12月05日

 空気が澄み、星がよく見える季節になりました。三大流星群のうちふたつが、もうすぐ見られます。寒い季節に外に出るのは少し気合がいるけれど、厚着して星降る夜空を見上げてみませんか。手引となる本を選んでみました。

■ブックファースト新宿店・柴田健太郎さんに聞く
(1)流れ星 [編]流れ星編集部
(2)双眼鏡で星空ウォッチング [著]白尾元理
(3)星三百六十五夜 冬 [著]野尻抱影
(4)大人の科学マガジン

■冬の流星群はもうすぐ
 三大流星群は「ふたご座流星群」「ペルセウス座流星群」「しぶんぎ座流星群」の三つ。国立天文台によると、この冬は12月15日午前3時ごろ、最も良い条件でふたご座流星群が観測できる。月の明るさなどの観測条件はここ数年で最も良く、たくさんの流れ星が見られそうだ。新年1月5日未明にはしぶんぎ座流星群が見られる。「四分儀(しぶんぎ)」は星を観測して位置を測った機器のこと。こちらは観測条件はあまり良くないが、「今年1月の時よりは良い」という。
 (1)『流れ星』は、流星に照準を絞った写真集。一瞬にして夜空を駆け抜ける流星の軌跡と、地上が交錯する景色が捉えられている。「コンパクトでプレゼントにもぴったり」と柴田さん。
 星を見るには望遠鏡が必要と思われがちだが、望遠鏡より小型で低価格な双眼鏡でも、十分観測できる。(2)『双眼鏡で星空ウォッチング』は口径3~5センチの双眼鏡と一緒にカバンに入れても合計約1キログラム。「旅のガイドブックとともに世界中の素晴らしい星空にめぐり合える」をコンセプトに作られた。「口径42ミリの双眼鏡なら肉眼の約50倍の数の星が見える」と本書。双眼鏡の選び方、使い方から、星雲を探すのに必要な星図や写真まで幅広く解説。柴田さんは「1990年の初版からずっと売れ続けています。天体観測初心者にもお薦めの一冊」と話す。
 きらめく星空を見上げていると、誰しもロマンチックな気分になってくる。星をうたった詩は、それこそ星の数ほどある。(3)『星三百六十五夜 冬』は、準惑星「プルート」を「冥王星」と訳した英文学者、野尻抱影の随筆。星にまつわる古今東西の詩やエピソードがつづられている。一つのエピソードごとに日付がついているので、一日一話ずつ読み進めてもオツだ。「星三百六十五夜」というだけあって春夏秋編もある。「これを読むと、星空は天文学者だけのものではないなと実感します」と柴田さん。
 記者のお薦めは新型ピンホール式プラネタリウムが付録の(4)『大人の科学マガジン』。組み立て式のプラネタリウムは、特注電球を使用しているという。天の川など、小さくたくさんの星が再現できる細密なプラネタリウムだ。付録メインと思いきや、マガジンも読み応えがある。中学レベルの「要点チェック 学び直しの理科」で天体観測の基礎を思い出しつつ、プラネタリウムを動かしても良い。
 「十数年前に大阪・淀川の土手で見た流星群が忘れられない」という柴田さん。流れ星が降るたび、そこに集まった知らない者同士が歓声をあげ、美しさを共有した。流星観測は素晴らしい思い出がつくれること請け合いだが、国立天文台は「真冬の未明は驚くほど寒いので、風邪を引かぬよう防寒対策を万全に」と呼びかけている。
    ◇
■(聴くなら)角松敏生「You’re My Only Shinin’ Star」
 星を歌った曲ならたくさんあるのに、なぜこの曲? そう問われると困るが、どういうわけか真っ先にこの曲が頭に浮かんだ。
 一緒に夜空を見上げる彼氏を星にたとえ、「大切なもの それはあなたよ」と打ち明ける女心を、中山美穂が歌った「You’re My Only Shinin’ Star」は、1988年にシングルカットされ、オリコンチャートの1位に輝いたバラード曲だ。
 作詞作曲は角松敏生。彼自身もこの曲をカバーしているが、最初は英語詞で歌っていた。佳曲だが、ミポリンのために書かれた歌詞を三十男がそのまま歌うには、確かに気恥ずかしさを伴う。それ故の英語詞だったらしい。
 でも、やっぱりこの曲は日本語で聴きたい。そんな、ファンの要望に応えたのか、後に角松は日本語の歌詞でも、正面から歌い上げている。その歌声は、2000年に発表されたアルバム「The gentle sex」(アリオラジャパン 税込み3146円)などで聴くことができる。(歩)

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