思い出す本 忘れない本

五郎丸歩さん(ラグビー選手)と読む『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

2016年01月10日

五郎丸歩さん(ラグビー選手) 86年生まれ。ヤマハ発動機ジュビロ所属。『五郎丸日記』(小松成美著、実業之日本社・1728円)が発売中=谷本結利撮影

■弱さ隠さず、背伸びしない

 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 [著]アービンジャー・インスティチュート [監修]金森重樹 [訳]冨永星 (大和書房・1728円)

 この本に出会ったのはたしか早稲田大2年のとき。ファンのかたが贈ってくれたんです。
 読んでから物事をポジティブに捉えられるようになりました。それまでは自分が結果を残せていないだけなのに、「最悪だ」「もっといい環境があるはず」と不満を感じることもあったんです。自分しか見えず、周りのせいにしていた。まさに小さな「箱」に入っていたんだなって気づきました。
 置かれた環境で自分の力を100%出し切ったら箱のふたが開くイメージ。箱の外にはもっと広い世界があって、自分にとっての「最悪」なんか大したことない。もっと成長できるし、変わっていける。僕はそう解釈しました。周囲からはよくそんなプラス思考でいられるなって言われますよ。
 ビジネス書ですが、チームプレーっていう意味ではラグビーに通じる部分があるのかも。この本もきっといろんな捉え方ができる。「いいな」と感じた部分を寄せ集めて、自分のスタイルにしていけばいいと思うんです。
 読んだ翌年、ラグビー部の監督が清宮克幸さんから中竹竜二さんに代わりました。対照的な2人のリーダーに出会えたことは僕の人生で本当に大きかった。
 特に考え方を変えてくれたのは中竹さん。「日本一オーラがない監督」と自称して、大学生だった僕らに「自分にはできないから、教えてよ」って言ったんです。弱い部分を隠して強気に出ることってありますよね。でも逆にさらけ出す。衝撃でした。この本の「箱の外に出る」考えに近い気がしました。それからです、僕が背伸びしなくなったのは。
 2月からスーパーラグビーのレッズ(豪州)でプレーします。僕は、W杯までは「日本のラグビーのために」と頑張ってきました。これからは「自分がどこまで成功できるか、それが間接的に日本のためにもなる」という考えで挑戦していきたい。楽しみです。
 (構成・竹内誠人)

自分の小さな「箱」から脱出する方法

著者:アービンジャー インスティチュート、金森 重樹、冨永 星
出版社:大和書房

表紙画像

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