コミック

民法改正―日本は一夫多妻制になった(1) [作]あかほりさとる [画]竹内桜

2016年03月20日

■ありえない想定で考える結婚

 何かと敏感な世の中だ。もしかすると、タイトルだけを見て「女性を所有物扱いして」と感じる人がいるかもしれない。しかし、一夫多妻イコール夢のような世界の話ではない。本書は、突如制度に巻き込まれた男のとまどいを通し、結婚とは何かを問いかけてくるラブコメだ。
 舞台はオリンピック特需が終わった近未来。不況と少子化の打開策として導入されたのは、一定の条件を満たした男性は3人まで女性と婚姻関係を結ぶことが出来るという一夫多妻制。とある功績を認められ、ごく普通のサラリーマン・浅尾正平がこの権利を得たことからドラマは走りだす。美人の婚約者がいて、自分には一夫多妻なんて縁のない話と思っていたのに、権利獲得以降タイプの違う2人の女性が急接近。平穏な暮らしが逆方向に転がってゆく様がテンポよく描かれる。
 人との摩擦は避けたいのに、事態はもつれるばかり。その状況を作りだしているのは、目の前の状況を沈静化しようと発現する正義感や、緊張の反動として癒やしを求める欲求。一夫多妻は現実味のない設定だが、ある種場当たり的な情動には誰もが思い当たる節があるはず。理性的であることが求められる時代、正平がみせてくれるであろう新しい婚姻の形とは如何(いか)に?
    ◇
 白泉社・648円

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