コミック

桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?(1) [作]ぽんとごたんだ

2016年10月02日

■怪しいブツ、一口欲しくなるヤバさ

 好き嫌いなく何でもおいしく食べる人は、傍(はた)で見ていても気持ちいい。ただし、ものには限度がある。本作の主人公の場合、好き嫌いがないというより見境がない。
 黙っていれば美人で成績もよく人気者の女子高生・桐谷(きりたに)さん。しかし、その実態は珍奇な素材を食すことに執念を燃やす雑食マニアだった。
 怪しいブツを理科室に持ち込んでは、生物教師を巻き込んで調理する。食材動物をシメてさばく際の容赦ない態度と玄人はだしの手際は先生が引くレベル。カエルやヘビならまだしもサソリすらキャッキャ言いながら食べ、〈まるでスナック菓子!?〉〈もはやこれはかっぱさそせん〉と目を輝かせるのだから、色気より食い気にもほどがある。
 美人設定を忘れてしまうほどに崩れまくる顔、人の話を聞かない彼女の暴走暴言と、それに対する先生の阿吽(あうん)のツッコミに思わず噴く。今どきの萌(も)え系とは違う素朴でダイナミックな絵柄も中身に合って、いい味出している。
 ますます拡大し細分化する食マンガ界にあって、食欲を減退させる描写、使いどころのないレシピ満載の無茶振(むちゃぶ)り企画。それでも桐谷さんの食べっぷりを見ていると、一口欲しくなるからヤバい。
    ◇
 双葉社 670円



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