伝えることから始めよう [著]高田明

2017年02月05日

■目前の課題に向き合い、おもしろく

 高い声に高いテンション。通販ショップ「ジャパネットたかた」の創業者、高田明氏は長崎県の小さなカメラショップから年商1500億円の企業に育て上げた。その高田氏が初めて自著を記した。
 前半は半生の自伝、後半は人生哲学というつくりだが、繰り返し語られるのが目の前の課題に懸命に向き合う「今を生きる」という姿勢だ。
 家業のカメラ店で働き出したときは、地元のホテルに出入りし、団体旅行に張り付いて撮影。夜中にプリントし、翌日販売することで売り上げを拡大した。また、大手がプリントの価格競争を仕掛けてきたら、高田氏は新しい現像機を導入、速さで対抗した。
 37歳で独立。地元のラジオで宣伝すると売れることを発見。ラジオの全国展開、テレビへと発展していった。目前の課題から事業拡大していった様子がよくわかる。
 本書後半は著者の情報発信哲学が語られる。著者は相手に「伝わる」ことに心を砕いてきた。情熱をもち、おもしろく、わかりやすく。そんな高田流の伝え方が的を射てきたのは、ジャパネットの実績が示していることだろう。
 もう一つ。本書は彼の喋(しゃべ)りそのままの文体。彼の語りのようにおもしろいのがいい。(森健=ジャーナリスト)

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