職場がヤバい!―不正に走る普通の人たち [著]前田康二郎

2017年02月19日

■「プロ経理」が見た実態と対策

 「家政婦は見た!」という人気テレビドラマがあるが、本書はさしずめ、「プロ経理は見た!」。契約先企業で経理業務などを請け負うフリーランスの経理が見聞きした「不正」についての考察本だ。
 不正はほとんどの会社に存在し、「普通の社員」が何らかのきっかけで不正に手を染めていると著者は明かす。
 個人的な横領や着服は会社の処遇などへの不満がきっかけになる。トップが指示する組織がらみの数字の粉飾も「歴代の社長たちに負けたくない」といった名誉欲が根底にある。不正はいずれも「利己的な理由」によると断罪。
 利己的な上司の下では部下も利己的になり、不正を始める。周囲の不正に知らず染まってしまう「受動不正」もある。普通の人ほど不正の感染力への免疫が弱いようだ。
 では対策は。一つは管理体制の強化だ。のべ何万人もの経費精算をチェックしてきた著者は、領収書から社員の行動パターンを把握。パターンと違う部類の領収書を見つけたら本人に確認するという。
 印象的なのは、「会社にとってあなたたちは大切な存在だと常日頃から伝えること」も大切との指摘だ。やる気を引き出すのと不正防止とは、実は表裏一体と気づかされる。

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