マンガの今 スマホに特化、IT企業参入

2017年06月04日

マンガアプリ

 電車で人々がスマホの画面に夢中になっているおなじみの光景。その画面をのぞいてみると映るのは、ゲームでなくマンガ……。
 電子コミックの市場が急成長中。昨年の電子コミックの売り上げは、1460億円と前年比約27%増(出版科学研究所)。電子書籍全体における占有率は76・5%と、電子書籍の主流は明らかにマンガだ。その主戦場は、スマホである。
 小学館の「マンガワン」は、スマホのアプリ上でマンガが読めるサービス。オリジナル作品、コミック誌で連載中の新作、手塚治虫らの過去作品などを無料で読むことができる。まとめて読みたい場合に課金が生じる仕組み。
 「電子書籍ではなく“第3の形”。電子書籍のようにデータを保有するのではなく、スマホ上でもっと手軽に読める」と言うのは、マンガワンの和田裕樹副編集長だ。
 現状、1日のアクティブユーザー数は130万人。元々ウェブで始めたサービスをスマホに特化し始めて急成長が始まったという。
 若い世代が紙のコミック誌から離れつつある。マンガワンは、そんな危機感から、より身近なスマホを使った「作品との出合いの場」として位置づけての運営が行われている。実際、ユーザーは、10代、20代前半までが多い。
 和田は「ライバルは、出版社ではなくLINEやサイバーエージェントのようなIT企業」だという。SNS系の企業が運営する「LINEマンガ」(LINE)や「マンガボックス」(DeNA)などが有力な運営元となり、数字を伸ばしている。出版社がマンガ市場を独占できた時代は終わったのだ。
 かつて電子書籍は、ソニー、アマゾンといった専用端末を持つ企業を中心に、出版社が参加するといったビジネスとして予測されてきた。だが、実際にできたものは、それとは違う姿のものだった。
 月刊『創』編集長の篠田博之は「来年中にもコミックスの市場でデジタルが紙を上回る可能性がある」と予測している。革命は静かに、そして突然やってくる。

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