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超 暇つぶし図鑑 [著]ARuFa

2017年08月20日

■くだらないことを綿密に

 文字通り、超くだらない暇つぶしの方法を写真付きでたくさん説明した、それだけの本です。ネットで人気のライターさんによるもの。
 非凡なくだらないことを思いつく人、というのはわりとよくいると思う。しかし、ふつうはやらない。思いついても、実際にやるのは面倒くさい。でもこの作者はやっちゃうのだ。そこが異常である。
 さっき「暇つぶしの方法」と書いたけど、この本の内容は本当は暇つぶしなんて言葉でくくれるレベルじゃない。最大級にくだらないことにものすごく時間をかけ、綿密に計画して実行し、しっかりおもしろい仕上げにしている。下敷きを大量に連結して「バリア」を張ってみたり、街中の壊れたものと写真を撮って、自らの強大な力によりそれを破壊したかのように見せてみたり、大根にストッキングをはかせてセクシーにしてみたり。発想が小学生男子そのものなのに、すべて実行して写真に残しているのがすごい。
 と、ごくふつうに褒めてしまうとなんだかこの本のどうしようもなさが伝わらないし、まともに褒めるのも悔しいので、私もこの本を使ってしっかり暇つぶしをしました。
 この本、やたら尻に関する内容が多いと思ったので、目次の「尻」の字を数えてみました。目次だけなのに、「尻」は6回も出てきました。途中、「厄介」の「厄」の字を間違えて「尻」でカウントしてしまうという予期せぬトラブルも起こりました。
 そして「股」と「ブリーフ」が2回ずつ出てくることにも気づきました。ついでに言うと「トイレ」「便座」「パンツ」も1度ずつ出てきます。
 かなりくだらない内容であることは分かっていただけたでしょうか。
 ところで、こういう本は絶対こんなところにも仕掛けがあるはずだとおもってカバーを外してみたら、予想通りのすばらしいクオリティーのボツ表紙案が出てきました。さすがです。
 能町みね子(コラムニスト)
    ◇
 宝島社・1058円=3刷7万部 17年5月刊行。著者は91年生まれのライター、ブロガー。05年にネット上で活動を開始した。版元によると「20代女性層から熱い反響がある」という。

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