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労働時間がいちばん長い都道府県は? ランキングで明らかになる「格差」

2017年09月26日

 労働時間が長い都道府県1位はどこだろうか?
 近年、ブラック企業が問題視されているが、ニュースになるのは大都市かその周辺にある都道府県のようなイメージがある。
 ところが、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(2015年)によると、労働時間が長い都道府県1位は、意外なことに「福島県」だという。
 この調査は、「5人以上の事業所」と「30人以上の事業所」に分けられているが、どちらも1位は「福島県」。
 ちなみに、5人以上のランキングは、「2位:岩手県」「3位:青森県」「4位:山形県」「5位:宮崎県」。30人以上では「2位:長崎県」「3位:青森県」「4位:富山県」「5位:岩手県」と続く。
 地方ばかりがランクインするのは、「人手不足」が関連していると思われる。
 同じ仕事量でも、少ない人数で働かないといけない環境ならば、ひとりひとりの労働時間が長くなるのは無理もない。
 こうしたさまざまな都道府県のランキングを調査した一冊が『都道府県格差』(造事務所著、 橘木俊詔監修、日本経済新聞出版社刊)だ。
 本書では、「なんでその県が1位なの?」と思うような都道府県の意外なランキングが紹介され、地域間格差の実態を明らかにしている。

■意外すぎる「幸福度ランキング1位の都道府県」はどこ?

 世界一幸福な国と言えば、インドと中国の間にある小国「ブータン」。これはよく知られていること。 では、「日本一幸福度が高い都道府県」はどこだろうか?
 真っ先に思い浮かぶのは、モノや情報が集まる東京や大阪。自然に囲まれのんびりと生活できるイメージのある沖縄や北海道など。
 しかし、そのいずれでもない。
 日本一幸福な都道府県は、「福井県」だ。
 しかも、1992年から1999年まで政府が実施していた「豊かさ指標(国民生活指標)」と、2014年から現在まで日本総合研究所が行っている「全47都道府県幸福度ランキング」の両方で、福井県は1位の座を譲ったことがないというから驚きである。
 このランキングは「正規雇用者比率」「大卒者進路未定者率」「学力」「社会教育費の支出」「女性の労働力人口比率」など、多くの指標をもとに決められている。福井県は、その多くで上位(高くないほうが良い指標では下位)にランクインしている。
 つまり、仕事や生活、子育てや老後のケアなどが充実しているという意味で「日本一幸福な県」だという。
 ところが、文部科学省が2010年に実施した「地域の生活環境と幸福感についてのアンケート」では、福井県は35位。つまり、当の福井県民の多くは「あまり幸福ではない」と感じているというデータがある。
 数字から見るだけでは、「幸福」は測りきれないのかもしれない。

■「喫茶店数」「年間書籍購入額」でわかる? 文化度の高い都道府県

 本書では、他にもさまざまな都道府県のランキングを知ることができる。
 たとえば、四国・九州地方は文化面のランキングでは苦戦しており、全国の図書館数のランキングでは、「宮崎県」を最下位に、徳島県、香川県、佐賀県と続きます。また博物館数も、下位は四国・九州地方が多井傾向にある。
 文化面の指標で取り上げているユニークなランキングが、「人口1万人あたりの喫茶店数」。
 「喫茶店はただの飲食店と言うだけでなく、そこで読書をしたり、サロンのように人と交流したりする文化的な空間と言う側面も持っているから」というのが、このランキングを本書で取り上げた理由のようだ。
 さて、気になる順位だが、1位から、長野県、富山県、福井県、石川県、愛知県と続く。中部地方は喫茶店天国といえそうだ。
 そんな喫茶店でもする「読書」に関連し、「年間の書籍購入額」でランキングされているのだが、これは少し意外な結果だ。
 1位:島根県(1万5943円)、2位:千葉県(1万5686円)、3位:徳島県(1万3962円)。
都市圏のほうが本が買われているのかと思いきや、そうではない。ただ、読書のランキングについては地域性がみられないのが特徴だとも本書で解説されている。
 他にも、子供・教育、健康、社会・福祉、政治などの都道府県ランキングが調査されており、著者はこの先住む都道府県を選ぶ際の参考にしてほしいと述べている。「住めば都」という言葉もあるが、どうせなら自分のライフスタイルや将来の展望に合った都道府県に住むために参考になる一冊だ。(ライター/大村佑介)

●大村佑介
1979年生まれ。未年・牡羊座のライター。演劇脚本、映像シナリオを学んだ後、ビジネス書籍のライターとして活動。好きなジャンルは行動経済学、心理学、雑学。無類の猫好きだが、犬によく懐かれる。

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