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東大ナゾトレ [著]東京大学謎解き制作集団AnotherVision

2017年11月19日

■ヒラメキだけで解く超難問

 なるほど「脳トレ」+「ナゾ解き」で「ナゾトレ」とはテレビ界も考えたものである。つまり、高齢者にはこの番組は脳の老化防止になりますよとアピールし、子供にはさあキミも超難問に挑戦だとけしかける。
 テレビが高齢者と子供専用メディアになってからというもの、各局は難題を抱えてきた。老人とガキ、いやシニアとキッズの両方が見てくれるような番組作りをしなくてはならなくなったからである。その答えとして登場したのが、おそらくこのクイズバラエティー「今夜はナゾトレ」(フジ系)なのだろう。
 番組の呼びものは現役東大生が出題する「東大ナゾトレ」で、それを書籍化したのがこれ。既刊3点の累計をみると、別掲のすごい部数になっている。
 ようするに、人間、大切なのは知識や教養ではなく「ヒラメキ」だというのがコンセプト。コピーには〈頭がやわらかければ、小学生でも解ける〉とあって、それを実証するかのように、この本には小学生の正解率というのが問題ごとにでている。
 さて、以下は第1巻にのっている問題。やってみますか?
〈ここ〇つはさむく□る〉
 右のようなナゾの一文がある。この「〇に数字、□に漢字を入れて文を完成させよ」というのが設問なのだが……。これをノーヒントで解いた小学生が10%もいるというから、高齢者も負けてはいられない。
 では正解。〇には「すうじ」が入り、□には「かんじ」が入るので、「ここ(すうじ)つはさむく(かんじ)る」。すなわち「ここ数日は寒く感じる」になる。なんだ、まじめに考えて損したと怒り出す人もいそうだが。
 問題を作るのは「東京大学謎解き制作集団AnotherVision」。中心メンバーの数人は番組にも出演するのだが、これが皆さん、半ズボンこそはいていないものの、名探偵コナン然としたお子さま顔ばかり。
 いいたくないが、東大はいまや世界大学ランキングで46位まで順位を落としているらしい。
 山口文憲(エッセイスト)
    ◇
 扶桑社・各1080円(1〜3巻)=シリーズ累計35万部 1巻は17年5月、2巻が8月、3巻が今月刊行。放送されたもの以外に、書籍オリジナルの問題も収録されている。

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