話題の新刊(週刊朝日)

決断。 全盲のふたりが、家族をつくるとき [著]大胡田誠・大石亜矢子

2018年03月06日

 ともに全盲である弁護士と声楽家の夫婦が、半生を振り返る。見えない苦しみを抱えながらも夢を実現し、恋に落ち、結婚。現在は2児の親だ。人生の局面ごとに、それぞれの視点から書かれた短い手記を連ねる。
 幼い頃から顔見知りだった二人は20代で趣味の音楽を通じて再会し、交際が始まる。互いに「ずっと一緒にいたい」と願ったが、しばらくは見えない者同士で家族になる自信が持てなかった。母親の死に直面した夫が、最愛の相手を悟り、結婚の決断をする。
 終盤では、育児に奮闘する様子が伝わってくる。内面を吐露する記述が多かった本書に、夫婦で外出した時のドタバタや「子の爪切りをマンションの隣人に頼んだ」といった現実的な話題が増える。苦心して築いた家庭でのにぎやかな日常に、心が温まる。 (内山菜生子)

決断。全盲のふたりが、家族をつくるとき (単行本)

著者:大胡田 誠:大石 亜矢子
出版社:中央公論新社

表紙画像

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