子どもの本棚

多様性の本質、彩り豊かに

2018年03月31日

■「マルコとパパ ダウン症のあるむすこと ぼくのスケッチブック」
 「絵ならやぶりすてられる。消して、もういちどかきなおしてもいい」「だけど、子どもは……」。作者の胸の内が吐露されるショッキングな冒頭。グスティは、アルゼンチン出身の国際的に活躍する人気絵本作家だ。ダウン症のある息子マルコの誕生を最初は「うけいれられなかった」という。
 父の目で描く心の画帳。悶々(もんもん)とコミカルな自問自答、包容力のある妻や核心をつく幼い長男テオの言葉、マルコと遊びながら発見を繰り返すいとしい毎日が、彩り豊かに描かれる。
 自由で巧みなデッサン、誠実でユーモラスな表現。眺めて読んで多様性の本質を味わう。大人のひとりごとにせず子どもと共有できる、訳語の選択や文字のバランスの配慮がにくい。(絵本評論家・作家 広松由希子)
 ★グスティ作・絵、宇野和美訳、偕成社、税抜き2800円、小学校中学年から

関連記事

ページトップへ戻る