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ミステリー、恋愛小説、時代小説などの新刊を、池上冬樹さん(文芸評論家)、吉田伸子さん(書評家)、末國善己さん(文芸評論家)が週替わりで紹介します。

ご機嫌な彼女たち [著]石井睦美

ご機嫌な彼女たち [著]石井睦美

■日常の細部光る女4人の物語  物語に出てくるのは、3人のシングルマザーと1人の寡婦だ。シングルマザーは、フリー校正者の寧(ねい)とスタイリストの万起子、そして美香。寧と万起子は大学時代からの友人で、42歳。寧の娘・杏………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2016年03月20日

家康、江戸を建てる [著]門井慶喜

家康、江戸を建てる [著]門井慶喜

■未来切り開くベンチャー精神  天正18(1590)年。徳川家康は、関白の豊臣秀吉から関東八カ国への移封を打診される。そこは240万石の広大な領土ながら、低湿地が多く、使える土地は少なかった。家臣団は猛反対するが、家康………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2016年03月13日

西洋菓子店プティ・フール [著]千早茜

西洋菓子店プティ・フール [著]千早茜

■苦くて甘い人生の機微重ねて  相変わらず五感を開いた艶(つや)やかな世界であり、ケーキを食べたくなる小説でもある。従来の千早茜と比べると毒が少ないけれど、そのぶん温かさと優しさが前面に出て親しみがある。  下町の洋菓………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2016年03月06日

一瞬の雲の切れ間に [著]砂田麻美

一瞬の雲の切れ間に [著]砂田麻美

■哀しみに向き合い生きていく  サッカーの練習からの帰り道、自転車で交差点を突っ切ろうとした八歳の少年は、家から五分に満たないその場所で、交通事故で命を落とす。  雑貨スタイリストだった加害者の女性、有名出版社に勤める………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2016年02月21日

ハンニバル戦争 [著]佐藤賢一

ハンニバル戦争 [著]佐藤賢一

■凡庸さを認め、敵からも学ぶ  カルタゴの将軍ハンニバルがイタリア半島を攻めたハンニバル戦争(第二次ポエニ戦争)。  タイトルだけを見ると、その戦術が現代でも研究されている天才ハンニバルが活躍する物語に思えるかもしれな………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2016年02月14日

ママがやった [著]井上荒野

ママがやった [著]井上荒野

■日常を生きることの綱渡り もう冒頭から引き込まれてしまう。79歳の母親が72歳の父親を殺したとの連絡を受け、息子が実家の居酒屋に駆けつける場面からぞくぞくする。台詞(せりふ)と行動に呆(あき)れ笑いながらも、息をつめ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2016年02月07日

いつかの人質 [著]芦沢央

いつかの人質 [著]芦沢央

■誘拐と失踪、すれちがう愛  3歳の時に連れ去られた宮下愛子は、ほどなく自宅には戻れたものの、その時の怪我(けが)で視力を失ってしまう。それでも、両親の、とりわけ母親の庇護(ひご)のもと、健やかに育っていた愛子だったが………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2016年01月24日

吉野太平記(上・下) [著]武内涼

吉野太平記(上・下) [著]武内涼

■天皇制問う重厚なテーマも  「妖草師」シリーズが、『この時代小説がすごい! 2016年版』の文庫書き下ろし部門第1位に輝いた武内涼。待望の新作は、室町幕府の打倒を目論(もくろ)む後南朝と、その防止に動く朝廷の忍びの死………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2016年01月17日

江ノ島西浦写真館 [著]三上延

江ノ島西浦写真館 [著]三上延

■表情や人生捉え、美しい叙情  優しく繊細なミステリである。青春小説としてのきらめきもあるし、家族小説としてのセピア色に輝く魅力もある。カメラに写しとるように人々の表情と人生を捉えている。表層だけではなく、その裏側まで………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2016年01月10日

マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ [著]古内一絵

マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ [著]古内一絵

■心も体も包み込む、懐の深さ  大手広告代理店で企画グループのチーフを務める塔子は、社内で早期退職者募集が発表されたその日、終電で自宅に帰る途中に貧血を起こし、倒れてしまう。路上でうずくまっていた塔子に声をかけ、自分の………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年12月20日

おっかなの晩―船宿若狭屋あやかし話 [著]折口真喜子

おっかなの晩―船宿若狭屋あやかし話 [著]折口真喜子

■負の感情、克服するやさしさ  初の単行本が、与謝蕪村が怪異と遭遇する『踊る猫』だった著者の新作は、船宿の女将(おかみ)が重要な働きをする幻想譚(たん)である。  朋輩(ほうばい)に狐(きつね)が憑(つ)いているとの噂………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年12月13日

うそつき、うそつき [著]清水杜氏彦

うそつき、うそつき [著]清水杜氏彦

■緻密な構成 切々たるドラマ  近未来の管理社会を舞台にした青春ミステリーである。実によく細部まで作り込まれている。驚くほど緻密(ちみつ)だ。  国民管理のために首輪型嘘(うそ)発見器の着用が義務づけられている社会。少………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年12月06日

九番目の雲 [著]山岡ヒロアキ

九番目の雲 [著]山岡ヒロアキ

■自分の人生と再び向き合う  「ねぇ、パパはさ、入道雲がぐんぐん迫ってくるのを見たことある?」  八歳の息子、和也から、主人公の吾郎は不意に尋ねられる。そりゃ、あるさ、と答えたものの、さらに話しかけようとした和也の言葉………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年11月22日

ヨイ豊 [著]梶よう子

ヨイ豊 [著]梶よう子

■浮世絵の命運を背負った男  梶よう子の新作は、幕末に、浮世絵の命運を背負わされた三代歌川豊国(初代国貞)の弟子・清太郎を描いている。  三代豊国が死に、誰が歌川派の大名跡・豊国を継ぐのかに関心が集まっていた。三代の娘………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年11月15日

陽気なギャングは三つ数えろ [著]伊坂幸太郎

陽気なギャングは三つ数えろ [著]伊坂幸太郎

■諧謔きかせた犯罪コメディー  『陽気なギャングが地球を回す』『陽気なギャングの日常と襲撃』に続くシリーズ第三作。相変わらず快調で面白い。  銀行強盗の四人組(成瀬、響野、久遠、雪子)はハイエナ記者につきまとわれる。さ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年11月08日

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