ひもとく

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読書面に連載。時事的なテーマを取り上げ、問題を深く読み解く本を紹介します。(2016年春開始)

官僚制 民主主義の敵なのか友なのか 野口雅弘

官僚制 民主主義の敵なのか友なのか 野口雅弘

 官僚制を表す英語bureaucracyは「事務室」を意味するbureauに、「支配」「権力」を意味するcracyが結合してできている。この語が生まれたのは18世紀中ごろのフランスで、基本的に否定的な意味だった。杓子定規………[もっと読む]

[文]野口雅弘 [掲載]2018年05月12日

人体 「あなた自身」について探求を 布施英利

人体 「あなた自身」について探求を 布施英利

 東京の国立科学博物館で特別展「人体」が、横浜美術館では「ヌード」展が開催中だ。この春は、科学もアートも、人体が流行(はや)りだ。そこで「人体」にまつわる本を取り上げてみたい。  まずは解剖学者・養老孟司の『身体巡礼』。………[もっと読む]

[文]布施英利 [掲載]2018年05月05日

憲法9条改正論 従来の議論、踏まえられたか 高見勝利

憲法9条改正論 従来の議論、踏まえられたか 高見勝利

 私たちは憲法改正の国民投票を経験したことはない。その私たちが、国会の発議する憲法改正案に賛否を投じる日が、近い将来、訪れるかもしれない。  自民党憲法改正推進本部が策定した改正案で大勢を占めたのは、第9条の後に「第9条………[もっと読む]

[文]高見勝利 [掲載]2018年04月28日

父親エッセー 自分の変節ぶり、楽しく発見 角幡唯介

父親エッセー 自分の変節ぶり、楽しく発見 角幡唯介

 数年前、男友達との酒席で「今度、父親エッセーの連載を始める」と明かすと、全員から「それはやめたほうが良い」とたしなめられた。他人の子供の話など絶対に面白くないというのだ。だが反対されたことで私の中で挑戦心がわいた。お前………[もっと読む]

[文]角幡唯介 [掲載]2018年04月21日

仮想通貨 反権威のパンク精神が源流 加藤出

仮想通貨 反権威のパンク精神が源流 加藤出

 書店に行くと、ビットコインなどの仮想通貨の解説本を多数目にする。昨年起きた劇的な価格高騰が、一獲千金を望む人々を強く魅了したからだろう。世間を賑(にぎ)わせているこの仮想通貨ブームを、どのように位置づけて解釈すべきだろ………[もっと読む]

[文]加藤出 [掲載]2018年04月14日

働き方を考えよう 勇気ある抵抗は、社会の財産 嶋崎量

働き方を考えよう 勇気ある抵抗は、社会の財産 嶋崎量

 この季節、新入社員だろうか、街中でリクルートスーツが目立ち、学生生活のスタートと同時にアルバイトを始める大学生も多い。多くの若者が「働く」ことに直面する時期だ。  初々しい姿をみて心配になるのは、私が労働弁護士として、………[もっと読む]

[文]嶋崎量 [掲載]2018年04月07日

定年後に向けて 個人的な体験、集めて共有を 楠木新

定年後に向けて 個人的な体験、集めて共有を 楠木新

 私はこの3年間、数多くの定年退職者から話を聞いてきた。そこで感じたことは、人は一度に変われないということだ。退職すると仕事だけでなく、人間関係も背負っていた義務や責任も同時に失う。この定年前後のギャップに対処するには現………[もっと読む]

[文]楠木新 [掲載]2018年03月25日

金子兜太の生き方—句にぶんなぐられて気分よし 嵐山光三郎

金子兜太の生き方—句にぶんなぐられて気分よし 嵐山光三郎

 金子兜太氏は野生の人で、なまなましく生きて、句にケダモノ感覚がある。花鳥風月が嫌いな人だった。句にぶんなぐられたけれど気分がいい。  二〇一二年、兜太氏(当時九十二歳)が主宰する俳誌「海程」五十周年記念祝賀会があり、百………[もっと読む]

[文]嵐山光三郎 [掲載]2018年03月18日

東日本大震災から7年 人心とらえた文学は可能か 佐伯一麦

東日本大震災から7年 人心とらえた文学は可能か 佐伯一麦

 東日本大震災から今日でちょうど7年。私の住む仙台市内の自宅の窓からは、名取川の河口付近の土地が見えている。時間がいったん断たれたあの日から、ともかく7年が積み重なった。この時季になると、震災を忘れるな、風化させるな、と………[もっと読む]

[文]佐伯一麦 [掲載]2018年03月11日

石牟礼道子のことば 声に出す文芸、紙に叩きつける 伊藤比呂美

石牟礼道子のことば 声に出す文芸、紙に叩きつける 伊藤比呂美

 石牟礼道子という人を、熊本で縁があったこともあり、顔が激似してることもあり、詩的代理母みたいなつもりでいたのである。それでせっせと熊本に帰っては、石牟礼さんに会いに行くということを数年来続けていたのである。その訃報(ふ………[もっと読む]

[文]伊藤比呂美 [掲載]2018年03月04日

西部邁氏の仕事 論理的かつ根源的たらんとす 松原隆一郎

西部邁氏の仕事 論理的かつ根源的たらんとす 松原隆一郎

 西部邁氏の膨大な著作は四分野に大別できる。(1)『ソシオ・エコノミックス』(1975年)で開拓した社会経済学、(2)『知性の構造』(96年)に収斂(しゅうれん)した記号論、(3)大衆社会批判と保守主義論、(4)『妻と僕………[もっと読む]

[文]松原隆一郎 [掲載]2018年02月25日

ル・グウィンの世界 日常に冒険見つける魔法の眼 小谷真理

ル・グウィンの世界 日常に冒険見つける魔法の眼 小谷真理

 北のほうからとてつもない寒気団がやってきた冬のさなか、アーシュラ・K・ル・グウィンの訃報(ふほう)を聞いた。今年は〈ゲド戦記〉第1巻『影との戦い』(1968年)がアメリカで刊行されてから、ちょうど半世紀。いっぷう変わっ………[もっと読む]

[文]小谷真理 [掲載]2018年02月18日

オリンピックと日韓 摩擦克服して層の厚い関係を 木宮正史

オリンピックと日韓 摩擦克服して層の厚い関係を 木宮正史

 平昌(ピョンチャン)オリンピックは、1988年のソウル・オリンピックからちょうど30年である。この30年の韓国の変化はめざましい。  ソウル・オリンピックで最も印象に残っているのは、ボクシング競技で判定負けに抗議して乱………[もっと読む]

[文]木宮正史 [掲載]2018年02月11日

がんとともに 支配されるより豊かに生きる 最相葉月

がんとともに 支配されるより豊かに生きる 最相葉月

 がん治療に劇的な変化が起きている。遺伝子解析に基づいて最適な治療を選ぶ「がんゲノム医療」の臨床がついに始まったのだ。受診できる病院は限られ、保険のきかない自由診療ではあるものの、あと5年もすればもっと身近になるはずだ。………[もっと読む]

[文]最相葉月 [掲載]2018年02月04日

女子の居場所 人の数だけ正解がある トミヤマユキコ

女子の居場所 人の数だけ正解がある トミヤマユキコ

 人生なにもかも行き詰まっていた20代後半に、マンガを読み始めた。当時のわたしは、研究することから逃げ出した大学院生であり、仕事のないライターだった。無気力すぎて一日中パチンコ屋にいたこともある。そんなわたしを救ってくれ………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2018年01月28日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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