ひもとく

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読書面に連載。時事的なテーマを取り上げ、問題を深く読み解く本を紹介します。(2016年春開始)

行動経済学 不合理な「人間」から考える 大竹文雄

行動経済学 不合理な「人間」から考える 大竹文雄

 太っている人を見て、「あの人は、合理的に太っている」と考えるのが伝統的経済学者である。つまり、人は食事をする時に、あと少し食べると太って将来の健康を悪化させるというコストと、おいしいものを今食べることの喜びを天秤(てん………[もっと読む]

[文]大竹文雄 [掲載]2017年12月10日

辞書の編纂 活きたことばを採集する人々 サンキュータツオ

辞書の編纂 活きたことばを採集する人々 サンキュータツオ

 これほど辞書編纂(へんさん)に注目が集まった時期はない。2011年に三浦しをんの小説『舟を編む』が刊行、ヒットして以降、映画、アニメ、更に漫画化されたこともあり国民的に興味が持続、増幅している。10年の「常用漢字表改訂………[もっと読む]

[文]サンキュータツオ [掲載]2017年12月03日

本屋さんへ行こう 地域をつなぐ個性的な店々 南陀楼綾繁

本屋さんへ行こう 地域をつなぐ個性的な店々 南陀楼綾繁

 本を売る店は「本屋」あるいは「書店」と呼ばれる。『広辞苑』(第4版)を引くと、前者は「書物をあきなう家、または人」、後者は「書物をあきなう店。本屋。書肆(しょし)」とあり、大きな違いはないようだ。私は一般的な文脈では「………[もっと読む]

[文]南陀楼綾繁 [掲載]2017年11月26日

非核世界への挑戦 なぜ「廃絶」に近づけないのか 吉田文彦

非核世界への挑戦 なぜ「廃絶」に近づけないのか 吉田文彦

 「核戦争に勝者はなく、また、核戦争は決して戦われてはならない」。1985年、レーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長がジュネーブでの首脳会談共同声明に盛り込んだ至言。ただ実は、これが初出ではない。83年に来日し………[もっと読む]

[文]吉田文彦 [掲載]2017年11月19日

リベラルとは何か 自由を重視する社会のルール 犬塚元

リベラルとは何か 自由を重視する社会のルール 犬塚元

 データベースを検索すると、「リベラル」は、日本の政治では1990年代から多用されてきたとわかる。「保守対革新」に代わり、「保守対リベラル」が、政治対立の基本構図を表現する言葉になった。安倍晋三『美しい国へ』(文春ウェブ………[もっと読む]

[文]犬塚元 [掲載]2017年11月12日

「女性の活躍」って 「仕事も家庭も」の理想と現実 水無田気流

「女性の活躍」って 「仕事も家庭も」の理想と現実 水無田気流

 「女性活躍」は言葉としては定着した感がある。だが、内実はどうだろう。「一時期の流行」として消費され、飽きられてしまわないか。「女性活躍」の理想と現実を読み解くための書籍を紹介したい。  まず、女性活躍界の世界的エース、………[もっと読む]

[文]水無田気流 [掲載]2017年11月05日

宗教改革500周年 不条理を克服する希望と愛 石川明人

宗教改革500周年 不条理を克服する希望と愛 石川明人

 今からちょうど500年前の10月31日、マルティン・ルターによって「宗教改革」の幕が切って落とされた。当時ローマ・カトリック教会が売り出していた「贖宥状(しょくゆうじょう)」に対してルターは、人間は本当にそんなもので救………[もっと読む]

[文]石川明人 [掲載]2017年10月29日

重力波 宇宙の謎解明に新しい窓開く 大栗博司

重力波 宇宙の謎解明に新しい窓開く 大栗博司

 今年のノーベル物理学賞は、カリフォルニア工科大学(カルテク)とマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で運営している重力波望遠鏡LIGO(ライゴ)の建設と重力波の直接観測に対し授賞されることになった。  アルベルト・ア………[もっと読む]

[文]大栗博司 [掲載]2017年10月22日

カズオ・イシグロ 忘れてはならない記憶の物語 福岡伸一

カズオ・イシグロ 忘れてはならない記憶の物語 福岡伸一

 10月5日午後8時。トークショーをしている最中、フロアの参加者が教えてくれた。思わずガッツポーズ。カズオ・イシグロは、村上春樹よりも先にノーベル賞をとるかもしれない。そう予想していた私にとって今回の受賞はたいへん喜ばし………[もっと読む]

[文]福岡伸一 [掲載]2017年10月15日

大義なき解散・総選挙 内閣は「信託」に応えているか 齋藤純一

大義なき解散・総選挙 内閣は「信託」に応えているか 齋藤純一

 安倍内閣は、臨時国会の冒頭で衆議院を解散した。今回の解散は、野党の混乱に乗じて政権の存続をはかろうとする意図が見え透いている。  内閣(首相)の解散権には一切の制約がないかのように語られてきた。「首相の専権事項」や「伝………[もっと読む]

[文]齋藤純一 [掲載]2017年10月08日

日中国交回復45周年 関係の「漂流」正し相互理解を 天児慧

日中国交回復45周年 関係の「漂流」正し相互理解を 天児慧

 1972年9月の国交正常化以来、日中関係が問題なく推移した時期はなかった。戦争賠償、歴史認識(靖国参拝や教科書問題など)、台湾、尖閣諸島、安全保障などの問題が常に議論されてきた。しかし、20世紀末ごろまで両国関係は基本………[もっと読む]

[文]天児慧 [掲載]2017年10月01日

増えつづける本 場所ない、家計圧迫、それでも… 椹木野衣

増えつづける本 場所ない、家計圧迫、それでも… 椹木野衣

 いま、家の建て替えで仮住まいに溢(あふ)れた段ボール箱に囲まれながら思うのは、お父さん、あなたのことです。地元の小さな書店から毎週のように大きな本の包みが届くと、家族はみな呆(あき)れていましたよ。念願の二階建ての家………[もっと読む]

[文]椹木野衣 [掲載]2017年09月24日

「壁」を考える 分断の現場から想像力広げる 今福龍太

「壁」を考える 分断の現場から想像力広げる 今福龍太

 境界とは曖昧(あいまい)な存在である。それが「分断」する、といえば力にまかせた暴力的な装置に思えるが、「横断」する、といえば横にたち切るという意味よりは、むしろ異なった領域を超えてつながる、という創造的な意味になる。こ………[もっと読む]

[文]今福龍太 [掲載]2017年09月17日

部活動のこれから 「楽しみ」引き出す道を探る 荻上チキ

部活動のこれから 「楽しみ」引き出す道を探る 荻上チキ

 現在、社会のモードの問い直しが起きている。全体秩序と大量生産を重んじる近代初期のモードをだらだらと継続してきたことで、人々の個性にマッチしない制度が温存されてしまっている場面は多い。働き方問題もさることながら、教育現場………[もっと読む]

[文]荻上チキ [掲載]2017年09月10日

私たちの闘い 自分で動く:5 生活の向こうへ手を伸ばして 今日マチ子

私たちの闘い 自分で動く:5 生活の向こうへ手を伸ばして 今日マチ子

 ベランダの保存水の期限が切れているから、金曜のペットボトル回収日までに12本全部あけなくてはいけない。キャップをあけるたびに親指の絆創膏(ばんそうこう)がよれる。さっき、解凍しそこねたササミを切るときに怪我(けが)をし………[もっと読む]

[文]今日マチ子 [掲載]2017年09月03日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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