視線

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読書面に連載。画集、写真集などのビジュアル本をとりあげ、写真家の視点や被写体の造形的な美について解説します。

バックナンバー:2011年

本人伝説 [著]南伸坊

本人伝説 [著]南伸坊

 南伸坊が著名人の顔真似(まね)をする「似せ顔写真」を開始したのは、名著『笑う写真』(1989)の最終章においてであった。その後『歴史上の本人』(97)、『本人の人々』(2003)を刊行。その続編とでもいうべき新刊が本書………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年10月07日

ザ・ローリング・ストーンズ 50 [著]M・ジャガー、K・リチャーズ他

ザ・ローリング・ストーンズ 50 [著]M・ジャガー、K・リチャーズ他

 「ただちに生きよ。」——セネカ『生の短さについて』(大西英文訳)のなかの言葉だ。失笑を買うのを覚悟でいうが、ストーンズ50年の活動を写真でたどる本書を眺めていて、ふと思い浮かんだのが、この言葉だった。  徳を愛し、平静………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年09月23日

菊乃井・村田吉弘 SALAD―新発想、新テイストの和食サラダ120 [著]村田吉弘

菊乃井・村田吉弘 SALAD―新発想、新テイストの和食サラダ120 [著]村田吉弘

 著者は老舗料亭の3代目。京都の本店はミシュランで三ツ星を取っている。そんな当代きっての料理人が、お店のコンセプトや厨房(ちゅうぼう)のシステムに合致するかどうかなど実際的なことは考えずに「その瞬間に、思うままの料理を皿………[もっと読む]

[文]保坂健二朗 (東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年09月16日

気仙川 [著]畠山直哉

気仙川 [著]畠山直哉

 いま・ここを写しとる。それが写真の機能の一つだろう。しかし撮られた瞬間に、いま・ここは過去の光景になってしまう。この厳しくも動かしがたい事実をこれほど痛切に伝える写真集はない。  硬質な風景写真で知られる写真家の故郷は………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2012年09月09日

ON THE CIRCLE [著]普後均

ON THE CIRCLE [著]普後均

 カメラを持つと、誰もが楽しい気分になる。あれやこれやと撮りたくなり、活発に歩き回るようになる。やがてカメラ姿も板につき、いっぱしの写真家気取りとなる。カメラはこんなふうに人をおだてて歩かせ、「もっとたくさん撮るように」………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年09月02日

松本竣介 線と言葉 [編]コロナ・ブックス編集部

松本竣介 線と言葉 [編]コロナ・ブックス編集部

 1948年に36歳の若さで亡くなった松本竣介の画文集である。絵画と言葉に写真や装丁の仕事を添えて、彼の生涯を浮かび上がらせる仕掛けだ。  言葉は竣介のものばかりではない。巻頭に堀江敏幸のエッセイを置き、竣介が編集した雑………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年08月19日

ソローニュの森 [著]田村尚子

ソローニュの森 [著]田村尚子

 「ラ・ボルド」。仏の哲学者・精神分析医フェリックス・ガタリが勤務していたことでも知られる精神科病院だ。その特徴は、患者と医者の区別が明確でない点にある。見た目の問題だけではない。病院における様々な約束事を決めるのに、医………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年08月12日

町田久美画集 [著]町田久美

町田久美画集 [著]町田久美

 画集を手に取る動機とは、何だろうか。美しいものを、かわいいものを、すごいものを見たい。そんな、肯定的な気持ちになりたい時が多いのではないだろうか。  そうした目的のためには、町田久美(1970年生まれ)の初の本格的作品………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2012年08月05日

大阪新名所 新世界・通天閣写真帖 復刻版 [監修・解説]橋爪紳也

大阪新名所 新世界・通天閣写真帖 復刻版 [監修・解説]橋爪紳也

 大阪観光のスポット通天閣は、現在で2代目となる。よく知られているように、創建当初は凱旋門とエッフェル塔を上下につないだかのような大胆なデザインだった。この通天閣開業を記念して大正2年に作られた出版物の復刻版が本書となる………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年07月22日

眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY [著]丸田祥三

眠る鉄道 SLEEPING BEAUTY [著]丸田祥三

 廃墟(はいきょ)写真で知られる著者が、打ち捨てられた鉄道車両を撮った写真集だ。在りし日の姿や、廃線の光景なども、ときに交えながら、電車を中心に衰残のさまを捉えた96点が並ぶ。  帯の惹句(じゃっく)に「眠れる森の美女」………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年07月15日

『三里塚の夏』を観る 映画から読み解く成田闘争 [編著]鈴木一誌

『三里塚の夏』を観る 映画から読み解く成田闘争 [編著]鈴木一誌

 小川紳介監督の「日本解放戦線 三里塚の夏」。いわゆる成田闘争が本格化し始める1968年に撮影・公開されたドキュメンタリー映画の傑作である。初めてのDVD化映像を、座談会や論考や採録シナリオとあわせて一つの本の形にしたの………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年07月08日

それ行け!!珍バイク [著]ハンス・ケンプ

それ行け!!珍バイク [著]ハンス・ケンプ

 書名には「珍バイク」とあるが、改造車やデコトラのように、バイク自体が変わっているわけではない。そうではなくて、バイクに積まれている物、いや積まれ方がとにかく「珍」なのだ。  場所は開発の進むベトナムの都市部。道行くバイ………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2012年07月01日

ドングリトプスとマックロサウルス コラージュとフロッタージュのおはなし [著]中川淳

ドングリトプスとマックロサウルス コラージュとフロッタージュのおはなし [著]中川淳

 本書は、絵画表現の技法として知られるフロッタージュ、コラージュと出会う絵本である。  木や石の表面に紙を置き鉛筆でこすると、木や石の肌目が写しとられる。それらの写しを見ていると、いろいろな連想が呼び起こされる。木目が妖………[もっと読む]

[文]森村泰昌(美術家) [掲載]2012年06月17日

モダンタイムス [著]パトリック・ツァイ

モダンタイムス [著]パトリック・ツァイ

 パトリック・ツァイの写真を見ていて思い浮かぶのは「キッチュ」という言葉だ。遊園地のミッキーマウスも、公園のダンスも、商店街の飾りつけや呼び物も、この語を呼び寄せずにはいない。重労働従事者たち、疲れ切ったひとびと、荒廃し………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2012年06月10日

照度 あめつち 影を見る [著]川内倫子

照度 あめつち 影を見る [著]川内倫子

 宮沢賢治なら「ほんたうのひかり」と呼んだかもしれない、そんな光に満ちあふれている写真集だ。  本書を手にとった読者を迎えるのは、阿蘇の野焼きの光景である。人の手によって生み出された炎が、一帯の枯れ草を焼き尽くし、結果、………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2012年06月03日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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