人間文庫(週刊朝日)

人間文庫(週刊朝日)

人間文庫(週刊朝日)

文庫ばかりを取り上げた週刊朝日のコラム。筆者は温水ゆかりさん。

バックナンバー:2011年

芸術家たちの秘めた恋 [著]中野京子

芸術家たちの秘めた恋 [著]中野京子

■幸福と不幸は背中合わせ 芸術家たちの人生  著者のヒットシリーズ『怖い絵』の功績は、好き嫌いで絵を見る不毛を排し、感性に頼らない社会学的ルートを指し示す点だ。その人が絵画を離れ、3人の芸術家が交錯するさまを物語仕立て………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年10月07日

パンダがはじめてやってきた! [著]中川志郎

パンダがはじめてやってきた! [著]中川志郎

■ランランとカンカン思い出す“あれこれ”  今年お目見えしたリーリーとシンシンで、パンダ・ブーム再燃となるか。1972年秋、田中角栄による日中国交正常化を記念して我が国にやってきた初代パンダを巡る飼育&騒動記だ。  や………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年09月30日

名セリフ! [著]鴻上尚史

名セリフ! [著]鴻上尚史

■演劇人ならでは 生きた言葉の力  この間、男とどぜう鍋を食べに行った。すると鍋の中でどぜうが「思惑ではなく思いで」「下心ではなく真心で」「論破でなく説得で」とコーラスしてる。男は“名セリフだな”とズルッ。私、“泥臭く………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年09月23日

ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後 [著]秋尾沙戸子

ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後 [著]秋尾沙戸子

■もの悲しくなってくる心の中の“アメリカ”  数年前、団塊世代のさる男性が言っていた。週末は福生の米軍ハウスに住む友人宅に集ってバンドの練習をし、終わったら芝生の庭でバーベキューをするのが楽しみだ、と。この世代のアメリ………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年09月16日

叡智の断片 [著]池澤夏樹

叡智の断片 [著]池澤夏樹

■政治を考えるヒント 先人のウイット  この号が出る頃には、もう次期首相の顔が見えているだろうか。先人たちの名言をネタに文明批評するコラム集。  人生、仕事、酒などの項目の中、時期もあって政治ネタが面白い。著者がウイッ………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年09月09日

原発労働記 [著]堀江邦夫

原発労働記 [著]堀江邦夫

■当事者感覚なし 原発村の“王様たち”  1978年から翌年にかけ、美浜、福島第一、敦賀と三カ所の原発労働に携わった潜入ルポ。この5月に緊急復刊。  労働者が搾取される構図や電力会社の王様体質は30年前から一緒。最近の………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年09月02日

アーティスト症候群 [著]大野左紀子

アーティスト症候群 [著]大野左紀子

■人気だが安い アーティストの今  なるほど、症候群ときたか。私もアーティスト=芸術家という言葉に困惑したことがある。資本主義マーケットで活躍する音楽家をインタビューした時、文脈から職人気質ですねみたいなことを言うと「………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年08月26日

ミラーニューロンの発見 [著]マルコ・イアコボーニ

ミラーニューロンの発見 [著]マルコ・イアコボーニ

■人間の心の由来? 共感細胞  ずっと引っかかっていたことがある。ドイツ語で「共感」と言う時は、例えば相手の苦悩に共振して自分も身悶えする状態。日本での寄り添う感じとはニュアンスが違うと聞いた。この本に手がかりがあった………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年08月19日

美男へのレッスン [著]橋本治

美男へのレッスン [著]橋本治

■男と女の間にある川 “本来の自分”  橋本治の本は要約しにくい。いや、できない。本道から延びる脇道、枝道に分け入ること全体の3分の2。論理のプチプチを潰し始めると止まらない思考の職人なのだ。  だもので、この美男論も………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年08月12日

風花 [著]川上弘美

風花 [著]川上弘美

■夫の浮気にゆれる妻の“ぼわぼわ”  小説って一個でも忘れられないシーンがあったら「上等作」、ましてや二個あったら「名作」ではないでしょうか。  「のゆり」という結婚して七年目の主人公が、夫の浮気で一年間揺れ動く気の長………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年08月05日

100年の難問はなぜ解けたのか [著]春日真人

100年の難問はなぜ解けたのか [著]春日真人

■偏屈か純粋か 1億円を蹴った数学者  数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞。懸賞のかかった「ポアンカレ予想」を解き、06年、受賞者に選ばれたにもかかわらず、約一億円の賞金も蹴って失踪中とニュースになったロシア人数学………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年07月29日

椅子と日本人のからだ [著]矢田部英正

椅子と日本人のからだ [著]矢田部英正

■日本人はオビ族!ナイスガイの身体技法  身体の中で取っ替えたい部位は? 取り出してジャブッと洗いたい春の目玉よりも、やっぱ腰でしょう。オールシーズンだもん。  本書は出だしから歯切れがいい。「日本の椅子は疲れる」。お………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年07月22日

隣の病い [著]中井久夫

隣の病い [著]中井久夫

■今回のシナリオのよう 精神科医の思索  1934年生まれの著者は神戸大学医学部(精神科)時代に阪神・淡路大震災に遭った。この短文集にも当時のエッセイが収録されている。曰く、大災害時には現場に「一般的対応能力のある人た………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年07月15日

さよなら、愛しい人 [著]レイモンド・チャンドラー

さよなら、愛しい人 [著]レイモンド・チャンドラー

■村上春樹の訳文 鍵は女の喋り口調  村上チャンドラーを読んでいると旧訳を参照したくなる。そして否応なく気づかされる、翻訳の賞味期限がどこにあるかに。鍵穴は女、女の喋り口調で関係性が一変する。  暴力的な純情男が出所し………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年07月08日

空が青いから白をえらんだのです [編]寮美千子

空が青いから白をえらんだのです [編]寮美千子

■大人にも届く受刑者たちの表現  直近の文庫版追記に驚く。3月11日、この詩集の生誕地も横揺れに見舞われた。及ぶんだ……、奈良まで。  赤レンガの東京駅を思わせる日本の名建築の一つ、奈良少年刑務所(写真も収録)。童話作………[もっと読む]

[文]温水ゆかり [掲載]2011年07月01日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る