文理悠々

文理悠々

文理悠々

「小説が好きだから科学記者になった」。そんな朝日新聞OB、尾関章による書評コラム。文系、理系の壁を越えて本の世界の魅力を伝えます。

「嵐」の源流、金網の中のアメリカ

「嵐」の源流、金網の中のアメリカ

 この秋、2020年の東京五輪決定で浮き立つ世の中に僕は背を向けてしまった。2011年3月11日に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故は、大都市圏内のエネルギー大量消費、大都市圏外のエネルギー大量生産という集中の構………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年12月09日

フロイトが斬る戦争という愚行

フロイトが斬る戦争という愚行

 ことしもいろいろなことがあった。そんなふうに1年を振り返る季節だ。思い出されるのはまず日本列島の出来事だが、こういうときこそ遠い国での見過ごせない事態を記憶にとどめておきたい。シリアの化学兵器はその筆頭だろう。  これ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年12月02日

戦前落語で知る秘密保護法の愚

戦前落語で知る秘密保護法の愚

 まもなく国会を通って、本当に法律になってしまうのだろうか。国の重要機密を外に漏らせば厳罰に処せられるという特定秘密保護法案のことだ。僕の本音を言えば、理屈のうえで納得がいかないだけではない。心情としても嫌な感じがする。………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年11月25日

小津の食卓でバナメイエビを考える

小津の食卓でバナメイエビを考える

 そのうち、街では「甲殻類のサラダ」を食べる時代が来るのだろうか。食欲の秋を揺るがせたレストランの食材問題だ。誤表示なのか偽装なのか、今それは問わない。ただ、ただでさえ細部の厳密さにこだわる日本社会の厳密志向が強まれば、………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年11月18日

偉人タモリの「これでいいのだ」半生

偉人タモリの「これでいいのだ」半生

 「一つの時代が終わった」は、偉大な足跡を残した人物が世を去ったときによく耳にする言葉だ。だが、その足跡は当人が亡くなっても僕たちの記憶から消えない。人の生の終わりをもって時代の終わりということには、どこか違和感がある。………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年11月11日

「半沢」「みずほ」で銀行を読む

「半沢」「みずほ」で銀行を読む

 みずほ銀行の反社会的勢力に向けた融資問題が発覚したとき、まっさきに「半沢直樹」を連想した人は少なくないだろう。あのドラマで「金融庁検査」などの用語を学び、銀行の内情をそこそこ予習していた僕たちは、みずほ行内での責任の在………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年11月05日

幕末セタガヤにみる現代風ストレス

幕末セタガヤにみる現代風ストレス

 9月から10月にかけて、今年もあちこちで秋祭りがあった。僕が住んでいる東京西郊の町も、地元神社の昔ながらの祭礼で盛りあがった。昼ごろから太鼓や笛の音が聞こえだし、やがて、みこしや太鼓が子どもたちとともに町を巡る。鎮守の………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年10月28日

ヒッグス、1964年のデッドヒート

ヒッグス、1964年のデッドヒート

 ノーベル賞の話となれば、ヒッグスのことも書かなくてはなるまい。先週は、今年も受賞がかなわなかった村上春樹の本について語ったが、今週は一転、物理学。ヒッグス粒子は2012年夏の大報道もあって今やビッグネームとなり、その理………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年10月21日

残念、でも村上春樹の「普通」がいい

残念、でも村上春樹の「普通」がいい

 今年も村上春樹のノーベル賞はなかった。でもやっぱり、今回は彼の本だ。ちょうど去年の秋、「残念、でも僕は村上春樹の短編が好き」(2012年10月15日付)を書いたように。そして今年は、どうして村上受賞を待ち望んでいるかを………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年10月15日

リニアに乗る前の必読トンネル小説

リニアに乗る前の必読トンネル小説

 納得のいかない高揚感が次から次にたたみかけてくる。ことし2013年の初秋に限って言えば、一つめは2020年東京五輪決定の慶祝一色ムード、二つめはリニア中央新幹線の話題沸騰だ。朝日新聞の言論サイトWEBRONZAで、僕は………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年10月07日

マー君の陰にノムさんありという話

マー君の陰にノムさんありという話

 マー君の破竹の連勝を見て、ノムさんを思ってしまうのは僕の感性がひねくれているからだろうか。東北楽天ゴールデンイーグルスとその大黒柱田中将大投手の今季快進撃は、まずは星野仙一現監督の功績とみるべきだろう。だが、僕には20………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年09月30日

推理小説リバイバルという時限発火

推理小説リバイバルという時限発火

 本屋の店先で、めずらしい平積みを見た。単行本や新書の新刊ではない。文庫になったばかりの本でもない。帯に「これはすごい!」「40年前の傑作が今、再びの大ブレイク!」「朝日新聞『売れてる本』で紹介」とある。  その本とは『………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年09月24日

日本国憲法を読むという読書

日本国憲法を読むという読書

 当たり前と言えば当たり前の「違憲判断」が出た。遺産相続で「婚外子(非嫡出子)」の取り分を「婚内子(嫡出子)」の半分とした民法の定めを憲法違反とする最高裁決定だ。どの条文に反するかと言えば、法の下の平等をうたった第14条………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年09月17日

「風立ちぬ」堀辰雄のほうを読む

「風立ちぬ」堀辰雄のほうを読む

 宮崎駿監督「風立ちぬ」が話題沸騰のなか、堀辰雄の「風立ちぬ」を無性に読みたくなった。僕のような元「寡読」文学少年には読み落としている作品がいっぱいあるが、これもその一つ。堀辰雄の静かで美しい文体に惹かれながらも、この小………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年09月09日

歯医者でジャズに酔いしれて

歯医者でジャズに酔いしれて

 このコラムの回を重ねていて、なんでこんなにジャズのことばかり書くのだろうか、と自分で自分に呆れることがある。きっと若者からは冷ややかに見られているんだろうな、と自嘲したりもする。若い世代は僕たちのようにはジャズをありが………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年09月02日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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