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ミステリー、恋愛小説、時代小説などの新刊を、池上冬樹さん(文芸評論家)、吉田伸子さん(書評家)、末國善己さん(文芸評論家)が週替わりで紹介します。

肉と衣のあいだに神は宿る [著]松井雪子

肉と衣のあいだに神は宿る [著]松井雪子

■食べてもらうことは愛なのだ  山間にある、元祖・さくさくかつ丼の店「情熱とん」。物語の主人公は、その「情熱とん」の看板娘である美衣。この美衣のキャラクターがいい。手仕事が好きで、身に着けるもののリフォームが得意。けれ………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年11月01日

室町耽美抄 花鏡 [著]海道龍一朗

室町耽美抄 花鏡 [著]海道龍一朗

■美の世界、真剣勝負の迫力  戦国武将を主人公にした重厚な歴史小説で人気を集める著者の新作は、室町時代に、現代まで伝わる美の世界を作った四人の実像に迫る連作集である。  庶民の娯楽だった申楽(さるがく)を、能という芸術………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年10月18日

アルファベット・ハウス [著]J・A・オールスン [訳]鈴木恵

アルファベット・ハウス [著]J・A・オールスン [訳]鈴木恵

■戦争・友情・愛憎、劇的に描く  いま最も面白い警察小説はオールスンの「特捜部Q」シリーズだ。大胆で、劇的で、意外性に充(み)ちていて迫力満点。人物の性格も豊かで、驚きの行動をとり先の読めない展開をたどる。  本書はオ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年10月11日

やせる石鹸 [著]歌川たいじ

やせる石鹸 [著]歌川たいじ

■あなたはあなたのままでいい  叔母が女将(おかみ)を務める和食屋で、仲居として働くたまみは、誰もが驚くような「巨デブ」。その体形のせいで、周りからやんわりと距離を置かれてきたため、いつしかたまみは、「自分は他人とはあ………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年10月04日

孤狼の血 [著]柚月裕子

孤狼の血 [著]柚月裕子

■迫力に満ちた男たちの死闘  映画『仁義なき戦い』を小説で読んでいるような気分になってくる。ただし主人公たちは刑事で、暴力団同士の抗争の只中(ただなか)で策を弄(ろう)するあたりが新鮮だ。  舞台は1988年の広島。所………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年09月13日

きわこのこと [著]まさきとしか

きわこのこと [著]まさきとしか

■寂しい心の行き着く果ては  五編の短編の冒頭に出てくる三面記事。それは苫小牧での交通事故だったり、東京の売春クラブの摘発だったりと、一見何の繋(つな)がりもない事件を報じたものだ。けれど、その事件の背景にはある一人の………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年09月06日

曽呂利!秀吉を手玉に取った男 [著]谷津矢車

曽呂利!秀吉を手玉に取った男 [著]谷津矢車

■言葉巧みに人を操る不気味さ  谷津矢車は、一昨年、二七歳の時に第一作『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』を刊行した歴史小説の若き新鋭である。最新作は、豊臣秀吉のお伽衆(とぎしゅう)で、数々の頓知話を残した曽呂利新左衛門(そろ………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年08月23日

大江戸科学捜査―八丁堀のおゆう [著]山本巧次

大江戸科学捜査―八丁堀のおゆう [著]山本巧次

■ユニークな謎解き設定に驚き  いやあ、こういう手があったのか! と驚き、わくわくしながら読んだ。人物はチャーミングで会話はユーモラス、恋はロマンティックで、謎解きの設定は何ともユニークだ。  江戸の両国橋近くに住むお………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年08月16日

14歳の水平線 [著]椰月美智子

14歳の水平線 [著]椰月美智子

■夏の少年たちの迷い、揺らぎ  物語の主人公は、中2の加奈太と父親の征人(ゆきと)だ。児童文学作家の征人は、加奈太が中学入学後に離婚。以来、男手一つで息子を育ててきたのだが、反抗期真っただ中の加奈太にどう向き合えばいい………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年08月09日

血の弔旗 [著]藤田宜永

血の弔旗 [著]藤田宜永

■日本の戦後を問うサスペンス  戦中派の大藪春彦や結城昌治らが牽引(けんいん)したことからも分かるように、日本のハードボイルドや犯罪小説は先の大戦の影を引きずっていた。その伝統を受け継いだ本書は、日本の戦後とは何かを問………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年08月02日

ビオレタ [著]寺地はるな

ビオレタ [著]寺地はるな

■一つ一つの言葉を読む喜び  劇的なことは何も起きない。正直言って、最後まで地味なのに、小気味よい毒とユーモアの混じった語り口に魅せられ、読みふけってしまう。  物語は、突然婚約者から別れを告げられた女性(田中妙〈たえ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年07月19日

ヒトリコ [著]額賀澪

ヒトリコ [著]額賀澪

■悩みや葛藤、力強く響く合唱  小五の二学期、クラスで飼育していた金魚が死んだ。生き物係だった日都子(ひとこ)は、その責任を負わされ、以来、クラスのみんなからいじめを受けることになってしまう。  ヒステリックだった担任………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年07月12日

鵺の家 [著]廣嶋玲子

鵺の家 [著]廣嶋玲子

■呪いを生む“闇”とどう戦うか  児童文学の世界で活躍している著者の初の大人向け作品となる本書は、明治末から大正初期が舞台のダークな物語である。  大富豪の天鵺(あまぬえ)家が、跡取りの少年・鷹丸(たかまる)の遊び相手………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年07月05日

朝が来る [著]辻村深月

朝が来る [著]辻村深月

■無垢な心失わず生きる大切さ  エモーショナルという言葉がぴったりの、激しく胸をうつ感動作である。子供を産めなかった女性の、そして、妊娠したことで家族のなかで孤立し孤独と絶望を深めていく少女の切々たる思いが胸に響く。心………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年06月21日

長いお別れ [著]中島京子

長いお別れ [著]中島京子

■認知症の父囲む穏やかな物語  過去数十年にわたって二年に一回、同じ場所で行われている高校の同窓会に、東昇平が辿(たど)り着けなかったこと。それが始まりだった。「何かとてもひどいことが起こったと感じ取った」妻の曜子は、………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年06月14日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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