文庫・新書イチオシ(週刊朝日)

文庫・新書イチオシ(週刊朝日)

文庫・新書イチオシ(週刊朝日)

話題の文庫本や新書を取り上げた「週刊朝日」の連載コラム。

市川崑と「犬神家の一族」 [著]春日太一

市川崑と「犬神家の一族」 [著]春日太一

■オタク/非オタク双方が楽しめる  著者は時代劇研究家だが、おじいさんじゃない(1977年生まれ)。芸術学の博士号まで取得しているのに、大学等に所属せずフリーで活動している。若くて才能があって無頼派。彼自身が時代劇に出………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2016年01月04日

夢酔独言 [著]勝小吉

夢酔独言 [著]勝小吉

■全編わるさ自慢  勝海舟の父である小吉(隠居名は夢酔)は、剣術の名人ながら無役の御家人で、江戸の本所で貧乏暮らし。まるで時代小説の主人公だが、実際、子母沢寛の小説『おとこ鷹』『父子鷹』のモデルで、本書はその種本だ。 ………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年12月15日

ガリレオ裁判 [著]田中一郎

ガリレオ裁判 [著]田中一郎

■ガリレオは普通の人間だった  歴史に残る偉業を成し遂げた人が、人格的にも優れていたとは限らない。科学者は科学者として、戦争の名人は戦略家として、優れていたのだろう。でも、人間としてはどうか。  ガリレオの話なのに、本………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年12月11日

ケチャップ・シンドローム [著]アナベル・ピッチャー [訳]吉澤康子

ケチャップ・シンドローム [著]アナベル・ピッチャー [訳]吉澤康子

■つらいけど満たされる  本作は「とりかえしのつかないこと」をめぐる物語である。思い出すたび胸をしめつけるような後悔は、みんなひとつぐらい抱えているものだと思うが、本作のヒロインが抱える後悔は、かなり深刻なものだ。  ………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年12月08日

女子大生風俗嬢 [著]中村淳彦

女子大生風俗嬢 [著]中村淳彦

■どんな学生も風俗で働くかもしれない  大学に通うため奨学金を借り、学業に支障をきたすレベルでバイトをしなくてはならない学生がいる。本来、勉学というのは学生自身を知的にするだけでなく、卒業後の彼/彼女が出て行く社会を豊………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年12月04日

イギリス王室とメディア―エドワード大衆王とその時代 [著]水谷三公

イギリス王室とメディア―エドワード大衆王とその時代 [著]水谷三公

■王冠をめぐるメディア戦略  庶民にはセレブへの憧れと平等要求という矛盾した感情があるが、権力側はそれにどう対処してきたのか。  本書はジョージ五世(現・エリザベス女王の祖父)の死からはじまる。ジョージ五世は1936年………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年11月27日

負ける技術 [著]カレー沢薫

負ける技術 [著]カレー沢薫

■世間様への違和感  著者はマンガ家で会社員で人妻で……と書くと、あれもこれもやってて凄いな、人生に前向きなんだな、という感じがするが、実態はその逆である。「人見知りする人間にとって、美容院は古より戦いの場である」と書………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年11月20日

半市場経済 [編著]内山節

半市場経済 [編著]内山節

■田舎暮らしの未来と課題  頑張れという励ましは、時に脅迫のようにも聞こえる。上のほうから、地方創生だの一億総活躍社会だのと言われるのは息苦しい。そもそも何のため、誰のための頑張りであり経済成長なのか。  競争社会から………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年11月13日

ギャンブル依存症 [著]田中紀子

ギャンブル依存症 [著]田中紀子

■ギャンブル依存症は立派な病気  人生経験のつもりでパチンコ店に入り、いきなり7万勝ったことがある。ビギナーズラックだ。でも、その後は勝ったり負けたり、というか負けてばかり。「金がなくなるばかりだ! つまらん!」と感じ………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年11月06日

京都ぎらい [著]井上章一

京都ぎらい [著]井上章一

■京都人の無粋さ  驚いた。こういうタイトルでも、中身は逆説的な京都礼賛だろうと思ったのに、本当に悪口だ。著者自身、右京区花園生まれの嵯峨育ちだというのに。  近郊だからこそ過敏な格差意識があるのかもしれない。東京でも………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年10月30日

働く男 [著]星野源

働く男 [著]星野源

■多才な男の頭の中を彷徨う  俳優でミュージシャンで文筆家。著者の星野は、多才な男だ。しかもいま流行りの塩顔イケメン男子ときている(塩顔=あっさりとした顔立ちのことです)。が、全てに恵まれていると思いきや、元・引きこも………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年10月23日

立志・苦学・出世 受験生の社会史 [著]竹内洋

立志・苦学・出世 受験生の社会史 [著]竹内洋

■受験競争時代は憧れになる?  勉強しない者も受験はする。九九ができない高校生がいるのは、そういう社会だ。近代以降の日本では、学歴は就職の大きな要件であり、ライフ・コースの大きな節目となってきた。  身分制度が厳しかっ………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年10月16日

はじめての文学講義 読む・書く・味わう [著]中村邦生

はじめての文学講義 読む・書く・味わう [著]中村邦生

■文学オンチに読んでほしい  「小説を読む」ことと「文学を味わう」ことは違うのだと言われても、文学オンチだから、よくわからない……そんな人に是非ともオススメしたいのが本書だ。作家で大学教授でもある著者が中高生に向けて語………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年10月09日

花咲く乙女たちのキンピラゴボウ [著]橋本治

花咲く乙女たちのキンピラゴボウ [著]橋本治

■差別を乗り越える強かさ  かつて橋本治は女子高生だった。その後、光源氏になったり『平家物語』という名の日本上古史になったりいろいろしたけど、1970年代には桃尻娘だった。だから誰よりも的確に少女マンガをキャッチしてい………[もっと読む]

[文]長山靖生 [掲載]2015年10月02日

もののはずみ [著]堀江敏幸

もののはずみ [著]堀江敏幸

■「もの」が微笑ましくなる  大学で助手の仕事をしていたことがあって、上司のひとりに小説家の堀江敏幸がいた。堀江先生の手提げカバンや腕時計なんかを見るたび、オシャレが好きな人なんだなあ、と思っていた。……が、そんな生や………[もっと読む]

[文]トミヤマユキコ [掲載]2015年09月25日

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