視線

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読書面に連載。画集、写真集などのビジュアル本をとりあげ、写真家の視点や被写体の造形的な美について解説します。

バックナンバー:2011年

高松次郎 制作の軌跡 [企画]中西博之

高松次郎 制作の軌跡 [企画]中西博之

 近年、再評価の進みつつある美術家の歩みを跡付ける一冊である。現在、大阪の国立国際美術館で開催中の回顧展のカタログを兼ねた出版だ。  高松次郎は1936年に生まれ98年に没している。還暦を少し越えたところで亡くなったわけ………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2015年06月14日

ロゼット―リボンの勲章をさがして [著]WHYTROPHY〈ワイトロフィー〉

ロゼット―リボンの勲章をさがして [著]WHYTROPHY〈ワイトロフィー〉

 ロゼットとは、大会で賞をとった時にもらえるバッジのようなあれのことで、円形にかたどられたプリーツとボタンなどのセンター部分と下にさがったリボンによって構成される。基本的に手作りで、素材もメダルなんかよりずっとチープだけ………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2015年06月07日

謎解き ヒエロニムス・ボス [著]小池寿子

謎解き ヒエロニムス・ボス [著]小池寿子

 欧州の美術館で目にしただけなのに忘れられない。どころか夢にも出てきそう。約500年前に今のオランダで活動した、ヒエロニムス・ボスは、そんな作品を残した。  マドリードにあるプラド美術館の「快楽の園」が、まさに代表作。3………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2015年05月24日

ちきばんにゃー [著]きくちちき

ちきばんにゃー [著]きくちちき

 幼い頃は世界が生々しくて近かった。今はよそよそしくて遠い。あの近さが懐かしくなる。夜の夢の中では、世界の近さが甦(よみがえ)ることがある。その生々しさにうなされて、でも、目が覚めると、とたんに世界がしゅっと遠くなる。あ………[もっと読む]

[文]穂村弘(歌人) [掲載]2015年05月17日

世界の美しい館

世界の美しい館

 メトロポリタン美術館やルーヴル美術館など、超大型美術館の収集品のひとつとして「邸宅のインテリア」というのがある。その時代を象徴する調度品と内装は、すぐれた美術的工芸品とみなされるわけだ。たとえば18世紀のロココ様式の邸………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2015年05月10日

元祖FAXマンガ—お絵描き少女☆ラッキーちゃん [著]福士朋子

元祖FAXマンガ—お絵描き少女☆ラッキーちゃん [著]福士朋子

 一人の画家が、制作や発表にまつわるさまざまな思いをエッセイ風につづったマンガ集である。エッセイ風というのは内容だけのことではない。自由感に富んだ描線についてもあてはまる。  画家といっても、福士朋子の作品は一風変わって………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2015年05月03日

DIARY―母と庭の肖像 [著]山崎弘義

DIARY―母と庭の肖像 [著]山崎弘義

 認知症となった母親の晩年の3年余りを綴(つづ)った「日記」である。著者は写真家。左頁(ページ)に日付と出来事を書き、右には2枚の写真を並置する。1枚はその日の母、もう1枚は同じ日に撮った自宅の庭だ(最初と最後に例外があ………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2015年04月19日

はるかな旅―岡上淑子作品集 [著]岡上淑子

はるかな旅―岡上淑子作品集 [著]岡上淑子

 スタイリッシュにして、幻惑的。書店で表紙が目に飛び込み、ページを繰りながら、コラージュによる、いかにもヨーロッパ的な正統派のシュールレアリスムの表現に吸い込まれてしまった。  と、思いきやこのコラージュ作品群は、195………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2015年04月12日

あのこ [文]今江祥智[絵]宇野亞喜良

あのこ [文]今江祥智[絵]宇野亞喜良

 不思議なタイトルだ。名前でもあだ名でもない「あのこ」。誰もが知っていながら、誰にも近づくことのできない存在がイメージされる。  「あのこ」と呼ばれる少女は馬と話ができるという。町の子どもたちは「じゃあ、きみ、サーカスか………[もっと読む]

[文]穂村弘(歌人) [掲載]2015年04月05日

美麗廃墟—美しく幻想的な廃墟たち [撮影]ジョディー・ミャオ

美麗廃墟—美しく幻想的な廃墟たち [撮影]ジョディー・ミャオ

 旅する折々に、SNSに「今○○にいます」と投稿するのだが、今までで一番反響が大きかったのが「軍艦島にいます」と投稿した時。「いいな!」「行きたい!」とすごい数のリアクションがあって、びっくりした。かつて炭鉱で栄えた長………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2015年03月22日

かわいい仏像 たのしい地獄絵 素朴の造形 [著]須藤弘敏、矢島新

かわいい仏像 たのしい地獄絵 素朴の造形 [著]須藤弘敏、矢島新

 仏像が荘厳なものだとすれば、「かわいい」というのは形容矛盾というほかない。畏怖(いふ)すべき地獄絵を「たのしい」と称するのも同断である。  しかし、矛盾とみえるのは、固定観念に捕らわれているからではないかと思う。奈良や………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2015年03月15日

機長の絶景空路―羽田=札幌・大阪 [写真・著]杉江弘

機長の絶景空路―羽田=札幌・大阪 [写真・著]杉江弘

 本書の特徴は、羽田―札幌と羽田―大阪(伊丹および関西空港)というメジャーな定期運航便の窓から見える風景に限定している点にある(例外もある)。少なくない人が目にできるという意味では平凡な風景だし、空気があまり澄んでいない………[もっと読む]

[文]保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員) [掲載]2015年03月08日

TANGE BY TANGE 1949−1959—丹下健三が見た丹下健三 [編著]豊川斎赫

TANGE BY TANGE 1949−1959—丹下健三が見た丹下健三 [編著]豊川斎赫

 たいていの建築家は、よく写真を撮る。設計の参考にすべき名建築やその細部、あるいは街並みなどを撮る。  国立代々木競技場や広島平和記念資料館を手がけた、日本における戦後建築のチャンピオン、丹下健三(1913〜2005)も………[もっと読む]

[文]大西若人(本社編集委員) [掲載]2015年03月01日

成田亨作品集 [著]成田亨

成田亨作品集 [著]成田亨

 成田亨——という名前になじみがなくても、〈ウルトラマン〉〈カネゴン〉〈バルタン星人〉と聞けば、「ああ、ウルトラ怪獣!」とすぐに思い出せるだろう。そう、彼こそは、ウルトラマンやウルトラセブン、そしてウルトラ怪獣たちの生み………[もっと読む]

[文]原田マハ(作家) [掲載]2015年02月15日

形の素 [著]赤木明登、内田鋼一、長谷川竹次郎

形の素 [著]赤木明登、内田鋼一、長谷川竹次郎

 漆の赤木明登、陶の内田鋼一、そして金属の長谷川竹次郎。異なる材料を用いる工芸家三人が愛蔵の骨董(こっとう)を披露した一冊である。  赤木の前書きのあと、それぞれのコレクションの写真と、それにまつわる小文が続く。所蔵者ご………[もっと読む]

[文]北澤憲昭(美術評論家) [掲載]2015年02月08日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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