文理悠々

文理悠々

文理悠々

「小説が好きだから科学記者になった」。そんな朝日新聞OB、尾関章による書評コラム。文系、理系の壁を越えて本の世界の魅力を伝えます。

ハフポストの陰に理系知あり

ハフポストの陰に理系知あり

 業界用語、いや社内用語なのかもしれないが、「わが社もの」という言葉がある。自社が主催したり後援したりする行事を記事にするときに、そんな呼び方をしてきた。で、今週の一冊は「わが社もの」になるのかなあと一瞬思って、すぐに苦………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年08月26日

戦争の夏、百聞は百閒にしかず

戦争の夏、百聞は百閒にしかず

 反戦の8月が巡ってきた。僕たち昭和20年代生まれは子どものころ、この季節になると、戦争の残酷さ、怖さ、空しさを繰り返し、繰り返し聞かされたものだ。それは家族からのこともあった。新聞やテレビを通じてのこともあった。炎天下………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年08月12日

半沢直樹が猛暑の夏に受けるワケ

半沢直樹が猛暑の夏に受けるワケ

 テレビの番組改編期を過ぎたころ、新しく始まった連続ドラマでどれがおもしろい、どれがつまらない、というような記者座談会が新聞に載ることがある。それをみて、僕などはつくづく文化記者をうらやましく感じる。ほんとうは科学記者だ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年08月05日

富士に登らず、富士を味わう

富士に登らず、富士を味わう

 先行きどれほど生きるかはわからないが、これからの人生でこれだけはしないと明言できることがある。富士山に登らないということだ。世界文化遺産への登録が決まっても、その気持ちに変わりはない。  山がそこにあるから登る、という………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年07月30日

月下でジャズを聴くように

月下でジャズを聴くように

 ときどき、不意を突かれるようなうれしい話が新聞に載る。6月下旬の「ひと」欄。「東京・有楽町のガード下にある新聞配達員向けの食堂で、朝食をつくって11年。野菜たっぷりのポークジンジャーが得意な『食堂のおばちゃん』が松本清………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年07月22日

僕は植草甚一の「ぼく」が好き

僕は植草甚一の「ぼく」が好き

 3年前の4月、このコラムの前身にあたる「本読みナビ」を記者ブログとして店開きしたとき、僕の心の底にあった思いは、新聞記者らしくない文体でものを書いてみようということだった。  一人称を「僕」にしたのも、そんな気持ちから………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年07月16日

バルセロナの風、サフォンの書物

バルセロナの風、サフォンの書物

 このコラムを書いてきて、いつも思うのは「本」の魔力だ。たとえば、電車に乗っているときがそうだ。うっかり降り忘れたりしないように車内放送の声にちらちらと意識を振り向けながら、九割九分の自分は本の世界に入り込んでいる。  ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年07月08日

FBI流「しぐさ」の読み方

FBI流「しぐさ」の読み方

 むかし、ジェスチャーというNHKの人気番組があった。ちょっとした小話を身ぶり手ぶりで仲間に伝える。それが、制限時間内にきちんと伝わるかどうかを競うゲームだ。男性チームのキャプテンは柳家金語楼、女性チームは水の江滝子。ど………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年07月01日

「上を向いて」で世界人になった

「上を向いて」で世界人になった

 「夢であいましょう」――あれがもっとも良質な戦後文化だったような気がする。そのようなことを先輩記者が飲みながら言うのを聞いて、「たしかにそうだ」と共感したことがある。1961(昭和36)年から5年間、土曜夜にNHKテレ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年06月24日

貴婦人の「我が唯一の望み」は何か

貴婦人の「我が唯一の望み」は何か

 初夏はどこかしら、うきうきした気分になる。このコラムで3年前にとりあげたヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』。主人公クラリッサはパーティーの準備で気ぜわしい。書きだしの「お花はわたしが買ってきましょうね、とクラリッ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年06月17日

刑事と警察官はどう違う?という話

刑事と警察官はどう違う?という話

 「刑事」という言葉で何を連想するだろうか。よれよれのレインコート? 履きふるしたスニーカー? いやいや、そんな人物のイメージよりも、民事訴訟に対する刑事訴訟、あるいは道義責任に対する刑事責任という熟語を思い浮べる人も最………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年06月10日

マネーの気持ちはわからない

マネーの気持ちはわからない

 万物に質量をもたらすヒッグス粒子と、米国経済を破綻に陥れたサブプライムローン、どっちが難しい? こう尋ねられたら、迷うことなく後者だと答える。ヒッグスがものを重たくするしくみは、泥沼に足をとられながら歩いているところを………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年06月03日

とんかつとソースとご飯、絶妙のコラボ

とんかつとソースとご飯、絶妙のコラボ

 かつ丼の話をしよう。刑事ドラマの取り調べ室で必須アイテムだったどんぶりものである。寿司ほどにごちそうではない。でも、そばよりはボリューム感がある。被疑者が刑事の情けにほろっとするのにぴったりの食べ物といえよう。  かつ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年05月27日

佐野洋ミステリーに現代が潜むワケ

佐野洋ミステリーに現代が潜むワケ

 「推理作家」という言葉で必ず思い浮かぶ人、佐野洋さんが亡くなった。新聞記者から小説家に転じた経歴の持ち主。作品にも新聞社内の描写がしばしば出てくる。それが、読みたくなる理由の一つでもあった。享年84。僕が駆けだしの記者………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年05月20日

清張×原武史=鉄道の妙という話

清張×原武史=鉄道の妙という話

 ずっと、ずっと昔のことだ。僕は「三等車」のなかで、初めての「まちで見かけた有名人」体験をした。ぱっちりとした目、きらびやかな衣装。まるでフランス人形のような、という言葉がぴったりの子役タレントと居合わせたのだ。  昭和………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年05月13日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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