エンタメ

エンタメ

エンタメ

ミステリー、恋愛小説、時代小説などの新刊を、池上冬樹さん(文芸評論家)、吉田伸子さん(書評家)、末國善己さん(文芸評論家)が週替わりで紹介します。

決戦! 大坂城 [著]葉室麟ほか

決戦! 大坂城 [著]葉室麟ほか

■作家競演、歴史小説の最前線  人気作家が競演したアンソロジー『決戦! 関ケ原』の続編は、戦国最後の大合戦となった大坂の陣を題材にしている。  葉室麟「鳳凰(ほうおう)記」は、皇室への統制を強める徳川と尊王派の豊臣の戦………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年06月07日

流 [著]東山彰良

流 [著]東山彰良

■生きる道標としての悲しみ  たっぷりと読ませる小説だ。東山彰良の青春小説は明るく軽快でユーモラス(傑作『ラブコメの法則』を読め!)、それでいてやるせない悲しみに彩られているけれど、本書もそう。しかも今回は作者のルーツ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年05月24日

ひとかどの父へ [著]深沢潮

ひとかどの父へ [著]深沢潮

■胸を締め付ける娘への言葉  物語は、主人公の朋美が自宅で母宛てに送られてきたファクシミリを目にすることから始まる。そこに書かれていたのは、衆議院議員選挙に立候補した母に関するスクープ記事。  「浜田清子が未婚の母で、………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年05月17日

若冲 [著]澤田瞳子

若冲 [著]澤田瞳子

■絵師の制作秘話、大胆に描く  生誕三〇〇年を迎える若冲。その後半生を全八作の連作で描く本書は、各編が「鹿苑寺大書院壁画」や「動植綵絵(どうしょくさいえ)」などの制作秘話になっていて面白い。  著者は、妻を不幸にした後………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年05月10日

私と、妻と、妻の犬 [著]杉山隆男

私と、妻と、妻の犬 [著]杉山隆男

■犬の眼差しで際だつ哀切さ  本書を読みながら「わたくしの心乱れてありしとき海のようなる犬の目に会う」(道浦母都子)という短歌を思い出した。  心乱れる「私」は大学教授で、八年ぶりに自宅に戻ってきた。若い女性に惹(ひ)………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年05月03日

天使はここに [著]朝比奈あすか

天使はここに [著]朝比奈あすか

■働くことの真の意味伝わる  主人公の真由子がファミリーレストラン「Angel’s Dining」(通称「エンジェルズ」)でアルバイトを始めたのは、7年前、高校に入学してすぐのことだった。以来、真由子は「エンジェルズ」………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年04月19日

土方歳三(上・下) [著]富樫倫太郎

土方歳三(上・下) [著]富樫倫太郎

■閉塞感打ち破るメッセージ  土方歳三を狂言回しにした〈土方歳三蝦夷血風録〉3部作を発表している著者が、土方を主人公にした大作を刊行した。  ただ、本書は史料をなぞっただけの歴史小説ではない。時に大胆なフィクションを交………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年04月12日

誓約 [著]薬丸岳

誓約 [著]薬丸岳

■過去の罪償う重さかみしめる  薬丸岳は二度目が美味(おい)しい。単行本を文庫化するときに大幅に加筆・訂正して見違えるほどよくなるからだ。『逃走』しかり『ハードラック』しかり。  だから単行本を推薦することにためらいも………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年04月05日

桜の下で待っている [著]彩瀬まる

桜の下で待っている [著]彩瀬まる

■家族やふるさとへの愛おしさ  モッコウバラ、からたち、菜の花、ハクモクレン、桜。それぞれの短編のタイトルに織り込まれた花々が、本書の雰囲気をよく表している。  収録されている5編の短編の主人公たちはみな、東北新幹線に………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年03月22日

睦月童 [著]西條奈加

睦月童 [著]西條奈加

■社会の闇とどう向き合うか  日本橋で下酒問屋(くだりざけどいや)を営む平右衛門は、東北の村から少女イオを招く。平右衛門が従業員にイオを紹介すると、手代(てだい)の一人が震え出し、店の金に手を付けたと告白した。実は、睦………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年03月15日

デブを捨てに [著]平山夢明

デブを捨てに [著]平山夢明

■絶望の果てにある「憐れみ」  読者を限定するベテランの小説よりも、温かな哀(かな)しみに彩られた中村理聖『砂漠の青がとける夜』(集英社)、格調高くリリカルな小島環『小旋風の夢絃』(講談社)など新人の秀作を薦めるべきな………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年03月08日

千日のマリア [著]小池真理子

千日のマリア [著]小池真理子

■生と性見つめた甘美な作品集  小池さんの描く物語は、とろりと濃いお酒のようだ。口にした途端、馥郁(ふくいく)とした香りに、ふと時が止まって感じられるような、円(まろ)やかに熟成を重ねた美酒。本書は、まさにその熟成を味………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年03月01日

起き姫―口入れ屋のおんな [著]杉本章子

起き姫―口入れ屋のおんな [著]杉本章子

■仕事と生活、現代と同じ葛藤  杉本章子の3年ぶりの新作は、口入れ屋(人材派遣業)のおこうを主人公にしている。  金物問屋に嫁ぐも子供ができなかったおこうは、夫の子供を産んだ浮気相手のおけいに激怒し、離婚する。だが実家………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年02月15日

サンドリーヌ裁判 [著]トマス・H・クック

サンドリーヌ裁判 [著]トマス・H・クック

■愛とは何か、魂の救済の物語  いやあ素晴らしい。トマス・H・クックに外れなし。静かな昂奮(こうふん)と感動を覚えさせてくれる。決して感情移入できない主人公なのに、次第に男の人生が読者のそれと重なりだす。クックは米国の………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年02月08日

婚活1000本ノック [著]南綾子

婚活1000本ノック [著]南綾子

■おかしくて切ない女の本音  主人公は作者である「わたし」。「小説家一割アルバイト九割、独身」。ある夜、独り身の寂しさに押し潰されそうになっていたその時、部屋のインターホンが鳴る。ドアの向こうにいたのは、かつて手酷(て………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2015年02月01日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る