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ミステリー、恋愛小説、時代小説などの新刊を、池上冬樹さん(文芸評論家)、吉田伸子さん(書評家)、末國善己さん(文芸評論家)が週替わりで紹介します。

紺碧の果てを見よ [著]須賀しのぶ

紺碧の果てを見よ [著]須賀しのぶ

■先の大戦とは何だったのか  今年は戦後七十年の節目の年となる。幕末の騒乱に敗れ辛酸をなめた会津藩士を先祖に持つ鷹志(たかし)と雪子の兄妹を軸に、関東大震災から太平洋戦争の敗戦までを描く本書は、先の大戦とは何かを問う重………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2015年01月18日

女王はかえらない [著]降田天

女王はかえらない [著]降田天

■罪を犯して生きる者の物語  第13回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である。凝った構成なので、読後もう一度冒頭に戻り、いくつかの事を確認し、作者の考えぬかれた技巧にやられたと思うかもしれない。  物語の舞台は片………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2015年01月11日

たった、それだけ [著]宮下奈都

たった、それだけ [著]宮下奈都

■大丈夫 作者のやさしい囁き  長編デビュー作『スコーレNo.4』から一貫して、宮下さんの物語は、囁(ささや)いている。今いる自分の世界から、ほんの少しはみ出てしまったり、居心地の悪さを感じたりしているような主人公たち………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年12月21日

稽古長屋 音わざ吹き寄せ [著]奥山景布子

稽古長屋 音わざ吹き寄せ [著]奥山景布子

■人生の選択 見直す契機に  今年、著者は、豊臣秀吉を能に熱中させる密命を受けた若き能楽師を描く『太閤の能楽師』で話題を集めた。本書も芸を題材にしているが、サスペンスあふれる前作とは一転、江戸を舞台にした人情話となって………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年12月14日

さよならの手口 [著]若竹七海

さよならの手口 [著]若竹七海

■魅力的な女性探偵が活躍  古典的なパズル・ミステリを用いて、探偵小説の世界に全く存在しない現代的な女性私立探偵を登場させる、というのが「女性私立探偵小説」の祖マーシャ・マラーの考えだったが、約三十年後の今、若竹は女性………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年12月07日

伶也と [著]椰月美智子

伶也と [著]椰月美智子

■聖母のように美しく尊い愛  ページをめくった瞬間に飛び込んでくるのは、新聞のものと思(おぼ)しき文章だ。ロックバンドのボーカルだった黒沢伶也と、彼と同居していた瀧羽直子の死亡を告げるその記事で、本書は幕を開ける。  ………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年11月23日

もののふ莫迦 [著]中路啓太

もののふ莫迦 [著]中路啓太

■対照的な信念のぶつかり合い  歴史小説は、数多くの英雄豪傑を生んできた。その中でも著者が描いた岡本越後守は、最も痛快で、極上の感動を与えてくれるヒーローの一人である。  肥後の小豪族に仕える越後守は、島津の猛攻に敗れ………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年11月16日

あなたの本当の人生は [著]大島真寿美

あなたの本当の人生は [著]大島真寿美

■物語を創造する苦しみと喜び  読んでいる途中、混乱する感情を覚えた。悲しくて幸せ、幸せで悲しいのである。書くことの苦しみと喜びが分かち難く、物語を創造することの限りない懊悩(おうのう)ととびあがらんばかりの昂揚(こう………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年11月09日

未婚30 [著]白岩玄

未婚30 [著]白岩玄

■結婚を前に揺れる男女の心  中編と短編、二編が収められた作品集だ。中編「結婚問題」の主人公は、婚約中の二人。老舗の出版社で文芸編集者としてばりばり働く里奈と、デビュー作こそヒットしたものの、マイペース型で寡作ゆえに、………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年11月02日

島津戦記 [著]新城カズマ

島津戦記 [著]新城カズマ

■斬新に読み替えられた戦国史  九州の名門・島津家を軸に、鉄砲伝来の直後から本能寺の変までを描く本書は、戦国を舞台にした歴史小説に、まだこれほどのアイデアが残っていたのかと思わせてくれるだろう。  まず著者は、政治と経………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年10月19日

ピルグリム(1〜3) [著]テリー・ヘイズ [訳]山中朝晶

ピルグリム(1〜3) [著]テリー・ヘイズ [訳]山中朝晶

■意外性にあふれた「愛」の小説  全三巻、夢中になって一気に読んだ。こんなに熱く激しい小説だとは思わなかった。  アメリカ諜報(ちょうほう)機関の伝説のスパイが、サウジアラビア出身のテロリストを追及する話だが、9・11………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年10月12日

こぼれ落ちて季節は [著]加藤千恵

こぼれ落ちて季節は [著]加藤千恵

■揺れる恋心、優しく描き出す  『ハニー ビター ハニー』『あとは泣くだけ』と、今を生きる女子たちの感情の襞(ひだ)を丁寧に描いてきた作者の新刊で、6編からなる連作短編集。1話ずつ、2人の語り手が登場し、冒頭の1編と最………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年10月05日

機巧のイヴ [著]乾緑郎

機巧のイヴ [著]乾緑郎

■“江戸”舞台のSFミステリー  幕府がある天府には十三層の大遊郭があり、天帝家は女系で継承され、人間と見分けがつかない機巧人形(オートマタ)が存在するもう一つの“江戸”。魅惑的な舞台を用意した本書は、時代小説、SF、………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年09月21日

闇に香る嘘 [著]下村敦史

闇に香る嘘 [著]下村敦史

■興趣もりたてる巧みな設定  六十回を数える江戸川乱歩賞の受賞作である。最終候補に残ること五回目での受賞だが、読むとどうして過去に受賞に至らなかったと不思議に思う。「絶対評価でA」(有栖川有栖)と評価されるほど、新人の………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年09月14日

運転、見合わせ中 [著]畑野智美

運転、見合わせ中 [著]畑野智美

■停滞から一歩を踏み出す物語  第23回小説すばる新人賞受賞作『国道沿いのファミレス』でデビュー以来、着実にファンを増やしている作者の新刊で、とある私鉄の「運転見合わせ」にまつわる人々のドラマを描いた連作短編集である。………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年09月07日

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