文理悠々

文理悠々

文理悠々

「小説が好きだから科学記者になった」。そんな朝日新聞OB、尾関章による書評コラム。文系、理系の壁を越えて本の世界の魅力を伝えます。

宮部みゆき「火車」のリベラル、その愛

宮部みゆき「火車」のリベラル、その愛

 暮れの総選挙を振り返って思うのは、日本からリベラルの灯が消えつつあるのかな、ということだ。どの党がどうというわけでなく、政界ではリベラルの旗手と言えそうな人物がすぐに思い浮かばない。この事態は有権者の選択がもたらしたも………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年01月21日

東野圭吾、絶妙なる最後の肩透かし

東野圭吾、絶妙なる最後の肩透かし

 軽やかなミステリーというのはいい。思いっきり硬い本、やたらに長い本を読んでいると、その合間にちょっと差し挟みたくなる。重めの本読みに疲れた人が多い冬休み明けは、そんな1冊を。  『あの頃の誰か』(東野圭吾著、光文社文庫………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年01月15日

年の初めはシャイな漱石

年の初めはシャイな漱石

 正月は漱石が読みたくなる、と去年初めに書いた。今年の三が日もやはり、読みたくなった。夏目漱石の作品群が100年の時を隔てて僕たちの新春気分にぴったり合う。どうしてだろうか。  元日の朝、寿の箸袋を食卓に並べ、「あけまし………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2013年01月07日

クリスマスと新春、非日常のチカラ

クリスマスと新春、非日常のチカラ

 この原稿は、いつものように月曜日、12月24日に出るのだろうと思っていた。だからクリスマス本を用意していたのだが、編集部から言われて、月曜が休日なら翌火曜にアップという決まりがあることを思い出した。しまったなあ、と思い………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年12月25日

時刻表ミステリーが危ない!

時刻表ミステリーが危ない!

 このコラムが「本読みナビ」というブログだったころに一度書いたことだが、僕は2Hの絶大なるファンだ。2Hとは、ナンチャラワイド劇場とかナンチャラミステリーとかいう2時間ドラマ。あわただしい年の瀬、ひとときの弛緩がほしい人………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年12月17日

iPS時代、政治化する生命

iPS時代、政治化する生命

 からだのどの部分もつくれるという「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」は、山中伸弥さんのノーベル賞のおかげで居酒屋談議でも聞かれる言葉になった。iPSがこれほどの関心事になったのだから、それが医療の突破口となる、創薬の切り………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年12月10日

乱歩「屋根裏」をネット時代に読む

乱歩「屋根裏」をネット時代に読む

 建築を学んだわけでもないのに建築が好きだった。だから駆けだしのころ、建物にまつわる話をよく取材した。たとえば、港町の町家の話、雪国の屋根の話、古都の街並みの話。地元の建築家と町のことを語り合うときが、もっとも楽しい時間………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年12月03日

米国大統領選がうらやましい理由

米国大統領選がうらやましい理由

 いよいよ総選挙、その前に米国では大統領選挙があった。米大統領選に続いて日本の衆院選があるという年はめったにない……。と書いて、いや待てよ、と思った。1976年、米国人がカーター大統領を選んだ後、日本では師走の総選挙とな………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年11月26日

片岡義男に教わる英語っぽい英語

片岡義男に教わる英語っぽい英語

 ウォンチュー俺のっ、とついつい歌ってしまう。ことしも忘年会でカラオケ屋に行けば、たぶんそうなるだろう。「スローなブギにしてくれ」は、僕にとって強いジンみたいなものだ。詞は松本隆、曲と歌は南佳孝のものだが、映画にもなった………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年11月19日

革命家のトンデモでない宇宙

革命家のトンデモでない宇宙

 トンデモ本というのがある。科学に照らすと首をひねってしまう書物だ。ただ僕は、この手の本を揶揄することを好まない。実害の恐れがあるなら見過ごせないが、そうでないなら自然淘汰に委ねたい。せせら笑うのは、どこか上から目線のよ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年11月12日

緑の政治思想を本気で考える

緑の政治思想を本気で考える

 総選挙が「近いうち」にある。だが、ワクワク感はない。  昔は違った。小学生のころ、僕にはすでに支持政党があった。その党名は明かさないが、一つだけ言っておけば政権与党ではなかった。巨人、大鵬の時代に僕は南海、北葉山だった………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年11月05日

「東京」という名の不思議な駅

「東京」という名の不思議な駅

 思えば東京のどこをとっても東京なのに、東京行きの列車に乗ると決まってここに連れてこられる。東京駅である。それなのに東京を象徴するイメージは雷門や東京タワーや東京スカイツリーだったりして、この駅はなかなか思い浮かばない。………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年10月29日

日本の新聞記者批判を批評する

日本の新聞記者批判を批評する

 この30年でがらっと変わってしまった職業イメージの一つが、新聞記者だろう。昔は、とてもカッコよかった。テレビや映画に出てくる記者と言えば、ちょっと無頼で言葉づかいは荒いが、だからと言って粗野ではない、という感じだっただ………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年10月22日

残念、でも僕は村上春樹の短編が好き

残念、でも僕は村上春樹の短編が好き

 ノーベル賞の週、科学記者は月火水と極度の緊張のなかにある。理系部門に日本の受賞者が出ると、翌日紙面に大量の記事を出稿することになるからだ。今年は京大の山中伸弥教授の医学生理学賞受賞が決まった月曜日がそうだった。その裏返………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年10月15日

ノーベル週に「科学っぽい」って何?

ノーベル週に「科学っぽい」って何?

 ノーベル週と呼ぶことにしよう。月曜に医学・生理学、火曜に物理学、水曜に化学と、ノーベル自然科学3賞の受賞者が次々に発表される。この週ばかりは、ふだんは地味な理系の営みが脚光を浴びる。だが、年に1度のノーベル賞くらいでは………[もっと読む]

[文]尾関章 [掲載]2012年10月08日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

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