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ミステリー、恋愛小説、時代小説などの新刊を、池上冬樹さん(文芸評論家)、吉田伸子さん(書評家)、末國善己さん(文芸評論家)が週替わりで紹介します。

天に星 地に花 [著]帚木蓬生

天に星 地に花 [著]帚木蓬生

■社会を変える小さな力の結集  時代小説には珍しく農村を舞台にした本書は、久留米藩で起きた2度の一揆を描いている。  凶作が続いているのに増税した藩に対し、農民が決起した。  大庄屋の次男・庄十郎は、農民の要求を藩に認………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年08月24日

出署せず [著]安東能明

出署せず [著]安東能明

■刑事の複雑な倫理があらわに  横山秀夫の新作が間遠ないま、渇きをいやす一つが、安東能明の柴崎令司警部ものだろう。本書は『撃てない警官』に続く柴崎シリーズ第二弾だ。  ここには警官の不正行為「折れた刃」、ひき逃げ事件の………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年08月17日

残花繚乱 [著]岡部えつ

残花繚乱 [著]岡部えつ

■女性の生き方、ありのままに  不倫相手である上司の妻から見合い相手を紹介された、西田りか。外資系の大手証券会社で職場結婚したものの、夫が会社をリストラされた滝本泉。インテリアコーディネーターとして、男性と対等に渡り合………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年08月10日

砂子のなかより青き草 [著]宮木あや子

砂子のなかより青き草 [著]宮木あや子

■現代社会に通じる女性の葛藤  漢文の知識を買われ、一条天皇の后(きさき)・定子に仕えることになったなき子は、定子の寵愛(ちょうあい)を受け、清原の少納言の名を賜る。  『枕草子』の作者として知られる清少納言を主人公に………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年08月03日

日乃出が走る [著] 中島久枝

日乃出が走る [著] 中島久枝

■おいしい菓子が人を支える  料理を扱った小説が増えているけれど、通り一遍の味覚で表した作品が意外と多い。  でもフードライターの手による本書(第三回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作)は違う。大福餅、お焼き、桜餅、善哉(………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年07月20日

可愛いベイビー [著] 五十嵐貴久

可愛いベイビー [著] 五十嵐貴久

■「年の差カップル」の恋の結末  主人公はとある大企業で宣伝部の課長を務める38歳。恋人は、仕事を通して知り合ったPR会社の契約社員。と、ここまでは割とよくあるシチュエーションだが、主人公が女性で、相手が14歳年下、と………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年07月13日

誉れの赤 [著] 吉川永青(ながはる)

誉れの赤 [著] 吉川永青(ながはる)

■武士の生き様に思いを重ねて  乱世を舞台にした物語で人気を集める著者の新作は、戦国最強の部隊だった赤備えに属する下級武士を主人公にしている。  地侍の成島勘五郎と、幼馴染(おさななじ)みで農民から武士になった飯沼藤太………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年07月06日

神秘 [著]白石一文

神秘 [著]白石一文

■人生の意義を問う内省の物語  五十三歳の菊池は出版社の役員だが、末期の膵臓癌(すいぞうがん)と診断され、余命一年を宣告される。菊池はふと二十一年前に出会った病を治す力をもつ女性を思い出し、彼女を求めて神戸に赴く。  ………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年06月22日

男ともだち [著]千早茜

男ともだち [著]千早茜

■とびきり贅沢な「友愛」描く  本書の中に、こんな台詞(せりふ)が出て来る。主人公の神名が、行きつけのバーのマダム・露月(つゆつき)に、語るシーンだ。  「突然、戦場に行かなきゃいけなくなったとするよ。仲間を一人連れて………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年06月15日

糸を手繰れば [著]志川節子

糸を手繰れば [著]志川節子

■人の縁や絆の持つ力を実感  二〇〇九年に『手のひら、ひらひら』でデビューした志川節子は、第二作『春はそこまで』が直木賞候補になるなど、質の高い時代小説を発表している。  寡作な著書の三作目となる本書は、人の縁を繋(つ………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年06月08日

ミステリマガジン700【海外篇】 [著] 杉江松恋

ミステリマガジン700【海外篇】 [著] 杉江松恋

■多彩な文体でつづる秀作集  世界2位の歴史を誇るミステリー雑誌が700号を記念して編んだ短編集である。書籍未収録の16作、みな出来がいい。  なかでも、パトリシア・ハイスミス「憎悪の殺人」が秀逸。疎外されて殺意を抱く………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年06月01日

イーヨくんの結婚生活 [著]大山淳子

イーヨくんの結婚生活 [著]大山淳子

■一度きりの「いやだよ」の余韻  夏目伊代太27歳。夏目家の五男坊にして、未(いま)だに定職にも就かず、長男の太一郎と2人で実家暮らし。母親は伊代太が7歳の時、交通事故に巻き込まれて亡くなり、後に父親も出奔。残された5………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年05月18日

天地雷動 [著]伊東潤

天地雷動 [著]伊東潤

■戦国のダイナミズムを堪能  綿密な考証に基づく重厚な歴史小説に定評のある伊東潤の最新作は、信長・家康連合軍が武田勝頼を破った長篠の合戦をクライマックスにしている。  物語に華を添える女性など登場せず、全編が敵を出し抜………[もっと読む]

[文]末國善己(文芸評論家) [掲載]2014年05月11日

愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない [著]伊集院静

愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない [著]伊集院静

■自伝的長編、愚かさも勲章に  物語は奈良で始まり、梅田、函館、十三など舞台となる地名を章題にして移動し、過去を回想して、30章目「安来」で最終章を迎える。妻の死後、酒とギャンブルに溺れた男(ユウジ)の再生の物語である………[もっと読む]

[文]池上冬樹(文芸評論家) [掲載]2014年05月04日

愛の国 [著]中山可穂

愛の国 [著]中山可穂

■長大な物語を貫く祈りと愛  はらはらと桜が降りそそぐ京都の尼寺で、墓石をかき抱くようにして行き倒れていた人。その人の姿は、まるで一幅の絵のように美しかった——。  彼女こそが、作者のデビュー作『猫背の王子』の主人公で………[もっと読む]

[文]吉田伸子(書評家) [掲載]2014年04月20日

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