売れてる本

売れてる本

売れてる本

読書面に連載中。書店で売れている本、話題の本を、市川真人さん、武田砂鉄さん、佐々木俊尚さん、速水健朗さん、山口文憲さん、阿部嘉昭さん、瀧本哲史さんたちが取り上げ、評しています。

バックナンバー:2011年2010年2009年2008年2007年2006年

性風俗のいびつな現場 [著]坂爪真吾

性風俗のいびつな現場 [著]坂爪真吾

■困窮する女性たち、救う道は  帯文に「彼女はなぜ母乳風俗店で働くのか?」とあります。まず母乳風俗店があることが衝撃だけど、そのほかにもこの本では「風俗の墓場」と呼ばれる(極悪の)激安デリヘル、「デブ・ブス・ババア」を………[もっと読む]

[文]能町みね子(コラムニスト) [掲載]2016年04月24日

消滅世界 [著]村田沙耶香

消滅世界 [著]村田沙耶香

■苦と快、セックスの「不合理」  舞台は、架空の現代日本。そこでは、人工授精が通常の生殖方法となり、セックスをして子を産むことは昔の野蛮な習俗だとされている。夫婦間のセックスは「近親相姦(そうかん)」として禁じられ、夫………[もっと読む]

[文]千葉雅也(哲学者) [掲載]2016年04月17日

おやすみ、ロジャー―魔法のぐっすり絵本 [著]カール=ヨハン・エリーン [監訳]三橋美穂

おやすみ、ロジャー―魔法のぐっすり絵本 [著]カール=ヨハン・エリーン [監訳]三橋美穂

■切実なニーズに応える一冊  個人的なことで恐縮だが、息子は乳児のころからなかなか寝てくれなくて、私も夫も苦労してきた。もちろん、子どもが寝つくという触れ込みの道具は片っ端から試したし、昼間運動もさせた。結論からいえば………[もっと読む]

[文]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2016年04月10日

翔んで埼玉 [著]魔夜峰央

翔んで埼玉 [著]魔夜峰央

■自尊より自虐、個性の突出?  どこもかしこも作り話。都会の住民たちが隣接する県を徹底的にさげすむ、そのファンタジーを楽しむマンガです。「関所」を越え都会に出た県民たちは「こやしの匂いがプンプン」と差別され、「下水ライ………[もっと読む]

[文]鈴木繁(本社編集委員) [掲載]2016年04月03日

影の権力者 内閣官房長官菅義偉 [著]松田賢弥

影の権力者 内閣官房長官菅義偉 [著]松田賢弥

■腹心を勘繰らせない「手練」  時に荒々しい語気で答弁する安倍首相や、うっかり漏らした失言を撤回する閣僚が悪目立ちする中、いかなる場面でも沈着を保つ菅義偉官房長官を、著者は「怜悧(れいり)な現実主義者」と称す。  二〇………[もっと読む]

[文]武田砂鉄(ライター) [掲載]2016年03月27日

火星の人 新版(上・下) [著]アンディ・ウィアー [訳]小野田和子

火星の人 新版(上・下) [著]アンディ・ウィアー [訳]小野田和子

■茶目っ気たっぷりの科学者  有人火星探査のミッション中の事故で宇宙飛行士のマークは、たった1人で火星に取り残される。次に火星探査船が来るのは4年後。だが、食料は1年分しかない。本作は日本で今年公開された映画『オデッセ………[もっと読む]

[文]速水健朗(コラムニスト) [掲載]2016年03月20日

羊と鋼の森 [著]宮下奈都

羊と鋼の森 [著]宮下奈都

■耳を澄ませて読みたい物語  静謐(せいひつ)な文章のなかで、清らかなピアノの音が響いている。耳を澄ませるようにして読みたい一冊だ。受賞は逃したが第154回直木賞候補作であり、4月に発表される本屋大賞のノミネート作。ま………[もっと読む]

[文]瀧井朝世(ライター) [掲載]2016年03月13日

寛容論 [著]ヴォルテール

寛容論 [著]ヴォルテール

■否定や排除でなくまず議論  パリ同時多発テロ後のフランスでよく読まれているといい、日本でも話題になっている。仏国の啓蒙(けいもう)思想家が18世紀に書いた本。当時はカトリックとプロテスタントの宗教的対立が極度に先鋭化………[もっと読む]

[文]佐々木俊尚(ジャーナリスト) [掲載]2016年03月06日

京都ぎらい [著]井上章一

京都ぎらい [著]井上章一

■古都の「いやらしさ」とは  「千年の古都のいやらしさ」と帯にある。あ〜はいはい、「ぶぶ漬け」が帰宅フラグで、「この前の戦争」が応仁の乱なんでしょう? そんな先入観で本書を読み始めた評者(東北人)は、想像をうわまわる恐………[もっと読む]

[文]斎藤環(精神科医) [掲載]2016年02月28日

断片的なものの社会学 [著]岸政彦

断片的なものの社会学 [著]岸政彦

■「わからない」と書く誠実さ  近代の合理主義と個人主義の根本的な矛盾は、いよいよ露(あら)わになりつつある。楽に社会を把握したがる反面、自分をちゃんと理解されたがり、マーケティングの成果を享受しつつ、「私」の体験は唯………[もっと読む]

[文]市川真人(批評家・早稲田大学准教授) [掲載]2016年02月21日

誘拐 [著]本田靖春

誘拐 [著]本田靖春

■現代社会のひずみ問う眼識  一九六三年、東京五輪の前年に下町・入谷で起きた「吉展ちゃん誘拐事件」を追いながら、「急速に払拭(ふっしょく)されて来た『戦後』」を見つめた本田靖春の名作ノンフィクション。現代を問い質(ただ………[もっと読む]

[文]武田砂鉄(ライター) [掲載]2016年02月14日

ミレニアム4—蜘蛛の巣を払う女(上・下) [著]ダヴィド・ラーゲルクランツ

ミレニアム4—蜘蛛の巣を払う女(上・下) [著]ダヴィド・ラーゲルクランツ

■通底する少数派への配慮  世界的なベストセラーとなったスウェーデンミステリーの第4弾。オリジナル原作者であるラーソン氏は、ヒットを知らないまま他界。本作は、その残されたプロットを別の作家(ジャーナリスト)が手がけた異………[もっと読む]

[文]速水健朗(コラムニスト) [掲載]2016年02月07日

つまをめとらば [著]青山文平

つまをめとらば [著]青山文平

■女たちのしなやかさ際立つ  先日発表になった第154回直木三十五賞受賞作。江戸中後期を舞台にした夫婦がテーマの時代小説だというと、つい夫唱婦随の人情ものを想像してしまったが、収録された6作とも、それとはまったく違う内………[もっと読む]

[文]瀧井朝世(ライター) [掲載]2016年01月31日

目の見えない人は世界をどう見ているのか [著]伊藤亜紗

目の見えない人は世界をどう見ているのか [著]伊藤亜紗

■欠落ではなく「差異」として  非常にわかりやすいまっすぐなタイトル。驚きに満ちたノンフィクションである。  美学を専攻する研究者の著者は、視覚障害者らへのインタビューをもとに、彼らがどのように外界を捉えているのかとい………[もっと読む]

[文]佐々木俊尚(ジャーナリスト) [掲載]2016年01月24日

下町ロケット2—ガウディ計画 [著]池井戸潤

下町ロケット2—ガウディ計画 [著]池井戸潤

■ひたむきな言葉に熱くなる  高い技術力を持つ中小企業「佃製作所」の面々が、ピンチの連続を誠意と努力で乗り越えていく物語の続編。直木賞を受賞した前作では、国産ロケットエンジンに自社開発のバルブシステムが採用され、打ち上………[もっと読む]

[文]市田隆(本社編集委員) [掲載]2016年01月17日

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る